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脳卒中後遺症に対して『ブリッジ運動』の効果を爆上げする方法

お疲れ様です。はらリハです。

本日は…
脳卒中後遺症に対して効果的なブリッジ運動の方法」について解説します。


結論

[ ブリッジ効果を爆上げする方法 ]
1)両膝を可能な限り深く曲げた状態で行う
2)お尻を高く上げる意識はしない
3)頭の後ろに高めの枕を入れる/腕を胸の前で組む

 上記のポイントを実践するだけで「ブリッジで得られる効果が爆上がり」しますので、ぜひ、実践してみてください。

はじめに

 ブリッジ運動は「仰向けに寝た状態でお尻を上にあげる動作」を言います。

 皆さんは、病院で何度も行ったことのあるトレーニングの1つだと思いますが、このリハビリの効果をご存知ですか?

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 皆さんのイメージは「お尻の筋肉を鍛える/歩くときは麻痺側で支えるとき影響する」かもしれませんが…

 本来は以下の効果があります。

[ブリッジの効果]
× 皆さんが思うブリッジの効果
筋肉:お尻
効果:歩くときに支える
⚪︎ 本来の効果
筋肉:背骨を伸ばす筋肉/太ももの裏の筋肉
効果:衝撃吸収と支える準備(足を振り出してから最初に地面に足裏がつく瞬間に活動)

本来のブリッジ練習の効果

 つまり、ブリッジは「麻痺側で支えるための準備に必要な筋肉」を鍛える/使う練習になります。

 ただ、ブリッジの方法次第では、皆さんが期待する結果「お尻の筋力強化により麻痺側下肢が支えやすくなる」に繋げることができます。 

両側ブリッジの筋活動とは?

両側ブリッジでは大殿筋の活動は少なく、ハムストリングスや脊柱起立筋の活動が高まるため、大殿筋の筋力訓練としては適していない

各種ブリッジ動作中の股関節周囲筋の筋活動量 市橋ら/鶴見ら

 上記では、左右の足を膝立ちさせた状態でお尻を上げる運動を行った時の筋活動を測定すると、お尻の筋肉の活動は少なく、背骨を伸ばす筋肉や、太もも裏の筋肉の活動が高くなることを報告しています。

 それに対して、片側を浮かした状態でブリッジ運動を行うことで「大殿筋/中殿筋(お尻の筋肉)」の活動が高まることを報告しています。

 ただ、初めから片側でブリッジ運動を挑戦するのは難しく、難易度としては高い課題になってしまいます。

 では、今回の本題である『ブリッジ運動の効果を爆上げする方法』をお伝えします。

ブリッジ運動の効果を爆上げする方法

 ブリッジ運動の狙いは「大殿筋の活動を高める」であり、身体を支えるために必要な筋肉活動を高めるだけでなく、麻痺側で支える感覚を安全かつ、代償を伴いにくい状態で支える練習ができるところです。

 その効果を爆上げするためにも以下のポイントを注意して取り組んでみましょう。

1)膝を可能な限り曲げよう!

 大殿筋を強化するには「膝関節の曲がる角度」が非常に重要です。

 膝関節が深く曲がっている場合(130°程度)、太もも裏の筋肉(ハムストリングス)が付着している部分が近づくことで筋肉繊維が緩み、その結果「大殿筋」の活動が抜群に高まります。

 逆に、膝関節の曲げる角度が甘いと、ハムストリングスの活動が高まってしまいます。

 つまり、皆さんがイメージする「お尻の筋肉」を鍛えたいのであれば『可能な限り膝関節を深く曲げる』ことを意識してブリッジ運動に取り組みましょう。

2)お尻を高くあげようとする方法は逆効果

 次は、お尻を上げる時の注意点です。

 中道らの報告では、療法士の声掛けで「お尻を高く上げるように」と指導を受けた場合に、お尻を過度にあげようと努力することで「腰を伸ばす動きが早まり股関節を伸ばす反応が遅れる」と述べています。

 つまり、「腰による代償が入りやすい」ということです。

 結果、腰の代償が起きると本来狙っている「大殿筋の筋肉」の活動は抑制させ、多裂筋や最腸筋など、腰背部の筋肉の活動が優位になります。

 この現象を防ぐ方法を次はお伝えします。

3)高めの枕を頭に入れるべし

 ブリッジ運動の効果を爆上げするために行ってほしいことは…

『頭の高さを上げた状態でブリッジ運動を行う』

 です。

 簡単な方法は「両腕を頭部の後ろで組み頭部を持ち上げる」ですが、脳卒中後遺症の影響で片手でうまく動かせず両手で組めない場合が多いので、枕などを使って頭部を高くし、腕は胸の前で組むと良いです。

 頭部を高する理由は、頭で床面を押し付ける反応を防ぐためです。

 そして、腕を胸の前で組む理由は、腕で床面を押し付ける反応を防ぐためです。

 ぜひ、上記のポイントを意識してブリッジ運動を行いましょう。

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