個人を守るために必要な支援と対策 第7章:孤立しない社会とは ⑧-1

これは日本における“教育の質の向上”がもたらした負の側面を持っている事と同じだろう。

 例えば、“グローバル人材の育成”を掲げて教育カリキュラムを組んで人材を育成しても、国内にこれらの人材の受け皿がないとこれらの人材が海外に流出するため、日本で育成出来ても社会に寄与出来ないというデメリットが出来てしまう。

 そして、現在は以前と比べると情報収集出来る手段が格段に増えているため、以前は“○歳までなら取り返しが付く”という考え方をする事が出来たが、全体が以前のような考え方をすることは人材流出などの取り返しの付かない事態になってしまう可能性があり、社会が求めている人材が社会に対して進出しない可能性が高くなる。

 現在はSNSや動画配信などの自分を発信する手段が発達しているため、これまで国内だけに留まっていた発信が世界中にも発信する事が出来るようになり、本人の能力次第では海外で活躍する人材としてオファーが届くことになる。

これはプロ選手もそうだが、自分の実績を認めてもらい、自分が成長するために必要な環境を手に入れることは以前に比べるとかなり身近になり、本人の進路に関しても自分のプランを中心に考えている場合が多いため、自分が努力して実力を身に付け、世界に出ていくという事が出来るようになるのだ。

今、成功していると言われる人たちもいつも通りの発信がきっかけで有名になる事が多い理由としても個人における発信方法の発達や情報伝達方法の拡充、本人のポテンシャルなどを簡単に知る事が出来るからこその特徴であり、本人の事を全く知らない人であっても相手の能力や素質を理解しやすくなることで親近感が強くなる。

 この親近感が本人の成長につながり、相手の期待に応えられる人材になっていくのだ。

 ただ、こういう人材が出てくる事で難しい部分がある。

 それは日本特有の価値観だと思うが、“学歴”などの能力評価や“年齢”・“容姿”などの印象評価など“人気が出る為には必要”だと思う価値観や印象で決まってしまうという考え方だ。

 今は売れている人を見ると表向きは学歴などが関係ないように見えている部分が多いが、細分化して分析していくと社会的にイメージの良い最終学歴を持っている人が主になって動いているセクターも存在するし、“容姿が良いから”・“人気があるから”というだけで番組に起用されるという“数的評価による個人評価”による社会からの期待が強くなっている。

 そのため、このような手法が子供たちに波及し、このような人たちを見ていることで“こういう人になりたい”という子供が増加し、目標とする人が出来た段階で方向転換をする子供が増加する事になる。

 そして、“○○効果”のようにその人が活躍したことでその業界が注目されるようになるという時代特有の宣伝方法を確立することで子供たちの興味・関心が高まり、親としても“子供がやりたいならやらせてあげたい”という心理が芽生えやすくなる。

現在、小説とコラムを書いています。 コラムに関してもこれから完成している物を順次公開していく予定です。 自分の夢はこれまで書いてきた小説を実写化することです。まだまだ未熟ですが、頑張って書いていきますので、応援よろしくお願いいたします。