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さよなら私たちの保育園
「ヨーグルトはご飯を食べ終わってからね。」
私が言うと突然、娘は泣き出した。
こんなに大泣きしたのは久しぶりだな。
いや、久しぶりでもないか。
「言い方きつかった?ゴメンね」と言いつつ、私は内心(はぁ…)とうんざりしていた。
娘をなだめながら食事の準備をしたけれど、なんだか泣き止む気配がない。
息子が心配して「どうしたの?」と聞きに来た。私が息子に状況を説明してる間も、キッチンから何か聞こえる
「~~~!!~~」
娘は泣きすぎていて何を言ってるか聞き取れない。
泣きじゃくりながら話す娘の言葉を、ついに息子が解読した。
「"先生ともう会えないの嫌"だってさ」
びっくりした。
え、ヨーグルトは?ヨーグルト欲しさに泣いてたんじゃなかったのか。
そう、今は3月。
娘はまもなく保育園を卒園するのだ。
私は「大丈夫だよ、また会いに行こう」と娘をなだめる。
と同時に、私の目も涙が溜まってきてしまった。
そうだよね、さびしいよね。
また会えるって言っても、今までとは違うんだもんね。
楽しかったんだもんね。
なだめるのをやめて共感したら、、
娘は落ち着いて泣き止んだ。
でも、今度は私の方が涙が止まらなくなってしまった。
娘はこんなに愛されていたのか、こんなに楽しい場所にいたのか。
そしてその環境から、巣立たないといけないのか。
6歳にして、離れたくないと泣くほどの「自分の場所」があるのってすごいな。
私がそういう感情で泣いたのは、中学校の卒業式が最古の記憶だと思うよ。
ああ保育園、お別れしてしまうのか。
私にとっても程よい距離感の、戦友のようなママ達との雑談がなくなってしまう。
先生たちから娘が受ける愛情が、なくなってしまう。
本当にさみしい。
親としては、子供が家族以外から愛されているのを見るのは本当に幸せでありがたいことなのだ。
娘は保育園で尊重され、あんなにも愛してもらい、彼女の大事な居場所であったのだ。
そして卒園式の日、娘は泣かなかった。
「先生~!」と、担任の先生にしがみつき、抱っこしてもらっている。
先生は娘に「娘ちゃんの優しいところが好きだよ、小学校でもたくさん楽しく遊んでね」と穏やかに話しかけてくれている。
娘は、しがみつきながらも先生の目を見ない。
わかる。
先生の顔を見たら、泣いてしまうからだよね。
気丈に振る舞おうとする娘を見て、また私の方が泣けてきてしまう。
さようなら保育園。
さようなら先生。
愛してくれてありがとうございました。
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