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料亭

私は小さな料亭で働いている

料亭では毎晩おじさんが
料理やお酒を食べ飲み散らかす

何が面白いのか
がははと大きな口で笑い、喋り、
座卓は常におじさんの唾が飛び散っている

社会ではえらいであろう人たちが集まる
そんなお店だ

ある日お客さんをよく観察してみた

すると

「お前はげてんじゃねえよ」と笑いながら
部下の頭を叩く上司

「ミルク風呂❗️なんてのはどうですかねぇ。
お姉ちゃんなんかお風呂に入れちゃったりして」と
鼻の下を伸ばしながらあつかんを嗜むおじさん

「お支払いこちらでお願いしまーす」と
払う気なんて、さらさらないのに
アメックスのブラックカードを見せびらかすおじさん

こんな人たちばかりだった

「あのー、、
お姉さんのマスク購入できないでしょうか」

こんなことを言ってくるやつもたまにいる

その日は8人の席で
1人が言い出したせいで
堰を切ったように
他の7人も「お姉さんのマスク買いたーい❗️」と
言ってきた

料亭ってこんなもんだよなとため息

毎日仕事で疲れてるもんね

部下に裏で老害扱いされて
そりゃストレスも溜まるよね 
(マスクの件は丁重にお断りした)

みんな癒しを求めて生きてるんだなと

みんな見栄を張って生きているんだなと

毎日実感する

おじさんも心が満たされていれば
若いお姉ちゃんとミルク風呂に入りたいとは
思わないだろうし、(ミルク風呂ってなんだよ)

接待してるお客さんを喜ばせるために
言ったのかもしれない

マスクだっていらないのに
欲しいと言って周りに合わせないといけない
空気感があったから一応言ったのかもしれない

私が毎日見ている光景は
お金と地位を得た人間の末路だ

そんな毎日の中で、気づいたことがある

どんな日も料理は美味しいのだ

それって当たり前だけどすごいこと

料理が美味しくないと
お客さんはここまで盛り上がれない

満足感も得られないし、話も広がらないのだ

今日もありがとう‼️と
接待を終えて、
嬉しそうに帰るサラリーマンたちの背中が私は好きだ

なかなか悪くない
うん、なかなか良い

やはり私は美味しいご飯を作る人になりたい
小料理屋を開くために今日もこつこつ貯金をする

明日から1枚3000円でマスク配ろうかな

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