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どうしてもやりたかった連載撮影。

ちょっと前回の投稿から時間が空いてしまいました...

ようやく感染拡大が日本では収まりつつあります。
そんな僕も先日約2ヶ月ぶりの撮影の仕事があり、車で往復7時間弱かけて都外で撮影してきました。もちろん人物の撮影ではなく、建築系の撮影です。
このような状況の中でも仕事をいただけることに感謝しつつ撮影してきましたが、久々のロングドライブは鈍ったカラダにはちょっと厳しかったようで、復活に時間かかりました(苦笑)

さて、今回は2008年の大ちゃんの怪我から復活の道のりを「Sportiva」で連載をするらしいとの情報を得た2009年のお話しです。


2009年3月のフィギュアスケートの世界選手権はロサンゼルスでの開催だった。会場の外に出れば半袖でもいいくらいの街でフィギュアの大会を撮影するとは思ってもいなかった。

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今でこそ田中さん田口さんらフリーランスの先輩方と、海外への移動を同じ飛行機にしたり、アパートをシェアしたりという関係になっているが、この時はまだ基本一人行動だった。

普段の食事や何気ない会話が、思い出や色んな記憶には重要なんでしょう。他のフォトグラファーとも会場で会えば挨拶を交わすことはあっても、一緒に食事という間柄にはまだなってなかったんですね。

インパクトが強かった前年のスウェーデンでの世界選手権と比べても、あまり記憶に残っていることが多くない。
そして、本来なら出場していたであろう大ちゃんが、怪我で出れなかった大会だったことも、僕には影響していたかもしれない。

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世界選手権が終わり、夏に向けて開催される各アイスショー・強化合宿などを撮影することが自分の中では普通になりつつあった。
そんななか、大ちゃんの五輪への復活の道のりを月刊誌だった「Sportiva」で連載を始めるかもという情報を得た。

正直この仕事は他の人には渡したくないと思った。
ライフワークとして撮り続けたいと思えたフィギュアスケート。
そして、シャッターを無意識に押してしまうスケーターに月1ペースで密着して撮影できるという。
これはどうしても自分がやりたいと思った。

事務所をシェアしてるデザイナーにお願いして、これまで撮影した大ちゃんの写真をまとめてもらいました。このファイルを集英社の担当編集に勝手に送り、「どうしてもこの連載を僕にやらせてください。交通費も入りませんので!!」とお願いをしました。(当時仙台在住だったので、交通費が都内在住の方よりもかかると思ったので)


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熱意が通じたのか、この連載の仕事のお話をいただけた。
(もちろん交通費も支給いただいてです)

この競技復帰に向けての密着をさせてもらえたことは、色んな意味で大きい経験だった。対アスリートへのリスペクト・距離感などを学んだ。

特に印象深いのは復帰戦だったフィンランディアとバンクーバー五輪FS翌日に撮影したポートレート。
残念ながら1冊の本にまとまることはなかったが、貴重な経験だった。
改めて人を撮る、追いかけることの楽しさを体感した。

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フリーになって初めて仕事をとるためのアピールをしたのが、この大ちゃんの連載の話だった思います。
復帰に向けての陸上練習から、バンクーバー五輪を経て優勝したトリノでの世界選手権まで連載は続きました。

ところが、月刊誌だった「Sportiva」が2010年4月をもって休刊になります。これがきっかけで一旦集英社からのお仕事が終わり、赤字額が減少傾向だったフィギュアスケート撮影も振り出しに戻ることになります。

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