見出し画像

ドコモの新プラン“ahamo”の戦略考察#311

本日2020年12月3日に発表されたドコモの新プラン“ahamo”についてのニュースはご覧になったでしょうか?

いくらなんでも安すぎる。怪しさすら感じる新プランですが、プレスリリースを細かく読んでいる中で、ahamoはかなり的を射たサービスであると感じました。

今日は、なぜドコモが、自暴自棄になったようなプランを打ち出したのか、解説していきたいと思います。


ドコモの新プラン“ahamo”とは?

簡単に言うと

ネット20GB、通話5分間かけ放題で2980円

で利用可能な新プランです。以上。(笑)

いかがでしょうか?

まず一番に感じるのは、簡潔明瞭でシンプルなプランであるということです。


筆者はこれまで、様々なキャリアの料金プランを、更新される度に覚え直してきたのですが、ここまでわかりやすいプランはなかなかありません。

よく多用されるのは、家族割(家族でセットにすると入る割引)や光セット割(固定ネット回線とセットにすると入る割引)です。

また、期間限定の割引や、条件を満たすことで付与される割引長期利用割引代理店ごとにある特別な割引など、利用者からすれば、どこで契約するとお得なのか判断に困ります。

最悪、販売員も伝え漏れなどするとクレームに繋がり兼ねません。それほど複雑なイメージが皆さんの中にもあるのではないでしょうか?


しかしドコモの新プランは、安いのが誰でも簡単にわかってしまうので、“わかる人ならすぐに乗り換えてしまう”でしょう

しかし、逆も真なり。

通信に疎い方にとっては、ahamoプランの良さは分かりません。いいえ違います。逆にわかられると困るし、通常通りわからないままで良いのです。

すべてのドコモユーザーが強制方にahamoプランに変更したとすれば、ドコモは潰れるかもしれません。

しかしその心配はない。

そこには、ドコモの恐るべき戦略が隠されていると筆者は考えます。


ドコモの戦略とは?

この新プランは一種の賭けのような、馬鹿げているほど安いプランなのですが、これまでの国民のスマホリテラシーから、鑑みれば全員がahamoに切り替える心配はないのです。

なぜなら、ahamoプランを適用するためには、自分のスマホで自分で操作し、自らの意志でプラン変更をかけなければいけないから。


ドコモショップでの受付はしないというふうに聞いております。コールセンターで受付してくれるかも不明ではありますが。

ともかく、自分でマイドコモからプラン変更ができる人のみ、恩恵を受けられると思ってください。

SNSを使いこなすような、スマホリテラシーの高い方は、普段友達と話をしたり、営業をしている時の肌感では、そう多くはいません。


故に、今回大々的にドコモahamoプランを、プレスリリースはしたとして、実際にプラン変更ができる層は、20〜30代に限られるでしょう。

しかも、ここ数年のドコモの料金が高いと言うことは、周知のことなので、大半はauやソフトバンク、その他格安SIMキャリアに若い人は乗り換えております。

つまり、このahamoプランの一番の目的は、多少大赤字をこいても、他社に乗り換えてしまった若者層を取り戻す為の施策なのです。

だから、ショップでも受付窓口はしない。コールセンターも受け付けない。

今の時代、ショップに行かずとも、オンラインで全て簡潔することは周知のこと。

まさに、私たちの為のプランということです。


その他の層は?

まず考えて欲しいのは、40代以上のスマホ操作に慣れていない方々にとって、20GBのデータ容量は不要です。

大体の方は、家にネットも引いているので1GB〜3GB程度あれば足りてしまうでしょう。

となれば、ドコモの既存ユーザーはわざわざ新プランに変えなくて、ギガライトで家族割をつけた現状維持で、充分安いのです。

そもそも、プラン変更自体簡単にできない方も多くいるのは先程話した通りです。


また、ご年配の層については、まだまだ3G電波のガラケーを使っている方も多いので、ショップにいる人材や営業力のある個人を使って、スマホに移行させていきます。

全国的に訪問販売も始まってますしね。


つまり、
❶20〜30代の若者層は、他社からドコモに返ってきてもらいシェアを増やす狙い
❷ミドルレンジユーザーは現状維持。
❸ご年配層にはショップ利用や訪問販売等、大きな営業力を費やして転出を防ぐ狙いがある

と、筆者は踏んでおります。


ahamoプランのエグいところ7選

格安SIMと肩を並べるほどに安い
→au・ソフトバンクはもちろん。格安SIMキャリアだとしても、大容量希望のユーザーほぼ太刀打ちできないでしょう。

❷ドコモ回線なので速度が速い
→格安キャリアは速度を速くする為にドコモにお金を払っています。ahamoはドコモの回線に変わりはないので、プラン変更で速度が遅くなることは無いのです。

❸通信可能エリアが広い
→ソフトバンクは山や海では繋がらない!!という不満を沢山聞きいてきました。しかしドコモは元々、山でも海でも災害時でも繋がるということが、唯一とって過言でないほど、セールスポイントでした。

❸契約時の事務手数料や、辞める際の番号移行手数料、解約金等一切の手数料がかからない。
事務手数料3300円は、機種変更時必ずかかるもの。という認識があり、これはダイレクトでドコモの利益になります。それを全て無くしたのは、大博打と思ってしまうほど驚きです。

❹5分間かけ放題が組み込まれている
→通常、20GBで2980円。それに加えて700円のオプションで5分カケホが使えるというのが、業界の常識です。

ご年配の方はともかく、若者層は、LINEでネット通話するのが主流です。しかし、お店の予約など、ちょこっと電話することもあるでしょう。その辺の微妙なニーズを上手く掴んでいるのも、ahamoプランでは、よく考えられてなぁいると思います。

SNSを使って大々的にアピール
→スマホリテラシーの弱い方はTwitterのようなSMSを使わない方がほとんどです。なので、情報を上手く受け取れるのも、我々のような若者層ばかり。ネットで騒がれるのがドコモとして、一番旨いのです。

❻店舗では対応しない
どこまでやらないのかは、わかりませんが、仮にショップでも、コールセンターでも対応しないと割り切っているのであれば、ショップの方の手間はかかりません。

システムさえ作れば終わるので、手間をかけずに、他社ユーザーを取り戻す。ここが一番エグい部分だと感じました。

オプションなんて要らない
→ドコモ・au・ソフトバンクをはじめ、契約時に不要なオプションをばこばこつけられた経験がある方も多いのではないでしょうか?

せいぜい必要なのは、保険くらいであとはほとんど不要と感じる方がほとんどです。
ahamoは、キャリアのネガティブな付帯オプションのイメージすら払拭することでしょう。

以上、ドコモ新プランのエグい部分の考察でした。


終わりに

ドコモのこれまでの料金プラン変更の変遷を見ても、ここまで大きな変化は考えられません。

毎度、ソフトバンクやauの後を追うような、地味な変更ばかりでした。


しかし、今回ドコモはNTTに取り込まれ、社長が変わったことも影響しているのかは不明ですが、ここまで大博打に出るようなプランを作った方は、相当頭がいいか、相当頭が悪いかのどちらかです。(笑)

なぜなら、ドコモユーザー全員の携帯料金が1000円下がるだけで、年間6000円億円の損失ですからねw

それゆえに、リテラシーの高い若者層を狙ったこの施策は、とても良いものだと感じました。


逆にソフトバンクやauの動向が気になるところですね✨

予算の少ない格安SIM会社は、、、。


しかし、私はこのドコモの施策に、とてもワクワクを感じております。

通信業界に新しい風を起こし、ドコモを倒す新たなキャリアの登場があると。


それでは、今回も最後までお読み頂きありがとうございました。

また明日‪🍀

いつもnoteを読んで頂きありがとうございます✨ サポートをして頂けましたら、創作活動の勉強費用に当てて、ゆくゆく必ず社会に還元させて頂きます‪🍀