『ゼロイチ』
『ゼロイチ』 【超短編小説 059】
夜、子供達も寝静まった頃、僕はリビングの机でノートパソコンをいつものように開いた。
すると妻がやって来て、「また、小説?詩?絵?たまには早く寝たら」と乱暴な言い草で話しかけてきた。
気にせず、ブログにアップする短編を創作している僕に対して、「なんでそんなに頑張るのよ?仕事でもないのに」とスマホを見ながら、さらに問いかけてきた。
僕は創作の必要性を伝えようと「君はゼロから何かを生み出したことはあるのかい?」と質問を質問で返そうと思った瞬間に、妻の問いへの答えが頭に浮かんだので、スマホを見ている妻に話始める。
「いいかい男はいつだって頑張っているんだよ、何に頑張っているかというと、君たち女性に追いつくために頑張っているんだよ。
女性は命を産める、つまりゼロからイチを作り出すことができるんだ。
でも男は出来ない、狩を頑張って獲物を沢山捕獲しても、土を耕して畑や田んぼを作って沢山収穫しても、人々をまとめて国を作っても、産業に革命を起こしても、テクノロジーを進化させても、所詮、既存物の応用で進化でしかないんだ。
進化しなくても人類は滅びない。でも命を産むことが出来なければ人類は滅びる。
男性は女性をリスペクトしていると同時に少しでも追いつくために頑張っているんだ。」
何も言わずに妻はキッチンに行き、数分後、温かいミルクティーを持ってきてくれた。
女神から小さな詩人への心配りを一口すすって、
僕は創作を続けた。
《最後まで読んで下さり有難うございます。》
僕の行動原理はネガティブなものが多く、だからアウトプットする物も暗いものが多いいです。それでも「いいね」やコメントを頂けるだけで幸せです。力になります。本当に有難うございます。