『何も知りたがらない君となんでも知りたがる僕』
『何も知りたがらない君となんでも知りたがる僕』【超短編小説 068】
僕は君と出会った当初から、君のことをたくさん質問したよね。今の君のこと、子供の頃の君のこと、君の家族のこと、君の友達のこと、君の好きなこと、嫌なこと、君が人生で1番悲しかったこと、嬉しかったこと、君の夢や目標のこと、僕との未来のこと、僕に望むこと。
全ての質問に君は、一生懸命答えて、僕に教えてくれたね。
でも君は僕にほとんど質問しないよね。
僕のことにあまり興味が無いのかなぁって、不安になってまた僕は君に質問したね。「どうして君は僕のことを知りたいと思わないの?」
すると君は「もし他の人に私のことを“どんな人?”って質問されたら何て答える?」って言うから、僕は、たくさん知っている君のいい所をいっぱい言ってなんだかまとまりが無い答えになっちゃったね。
上手く君のことを表現できなくて悔しくて、「じゃあ、君なら僕のことを、何て説明するのさ?」って聞いたら君は、
「私のことを1番よく知っている人だよ」って。
僕はなんだかその時、嬉しくて、心が暖かくなって、
今度は僕のことを君にもっと知って欲しくなったんだよ。
《最後まで読んで下さり有難うございます。》
僕の行動原理はネガティブなものが多く、だからアウトプットする物も暗いものが多いいです。それでも「いいね」やコメントを頂けるだけで幸せです。力になります。本当に有難うございます。