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高次脳機能障害について(神経心理ピラミッド)

昨日で、築山節先生の書籍に関してはご紹介を終えました。

今日からは、私が普段臨床で出会うことの多い「高次脳機能障害」について紹介をして、皆さんに少しでも知っていただけたらと思います。

◯ 神経心理ピラミッドとは

 New YorkのRusk研究所が作成した、認知機能(主に前頭葉機能)を階層性にしたものです。
 今ではほとんどの教科書に記載されており、作業療法士あるいは作業療法士を目指すが学生の皆さんはみた事があるのではと思います。
 リハビリの世界で良く目にする「神経心理ピラミッド」ですが、一般の方々も知っていて損はない情報だと思います。
 今日はピラミッドの全体像をご紹介して、明日から各階層について触れていきたいと思います。

◯ ピラミッドの全体像と階層性の意味

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 ピラミッドはこのようになっています。
 なぜ階層性なのか、書籍では以下のように書かれています。


「下位の欠損はそれぞれ上位の全ての欠損に影響を与える」という図式で、認知機能の働きが理解されているためである。

 つまり、注意力を鍛えたければ、自分の感情を抑える「抑制」や、その下の覚醒状態が整っていなければいけないし、記憶力を発揮したければ、注意力が整っている必要があります。

 自分の生活を振り返っても、神経疲労(一番したの階層)が溜まっていると、ちょっとした刺激にイライラするし、仕事の集中力は続かない。当然思考もまとまらないためアイディアもでない。
 と言った具合にピラミッドの階層性の意味がすごくわかりやすい。

◯ 実際の患者さんの様子

 私の勤務している回復期のリハビリテーション病院では、急性機での治療を終えて医学的に状態が落ち着いた人たちが転院してきます。
 そのような方達で最も多いのは、「ボーッとしている状態」です。
 なぜなのかというと、彼らは発病してせいぜい1ヶ月程度、まだまだ脳が発病のショックから立ち直っていない状態だからです。
 ピラミッドでいう覚醒が低い状態。
 そのような状態の時に、何かを伝えても覚えているわけがないですし、周囲に適切に注意が配れるわけがありません。

 大体1-2花月程度で覚醒状態も落ち着いてきて、表情も改善してきますが、そこからようやく高次脳機能が影響をもたらします。

ここから先はすごく長くなるのでまたの機会に・・・。苦笑

 神経疲労や抑制、発動性、注意力等各種能力に関しては明日以降ご紹介させていただきます。

 今日は「神経心理ピラミッド」の概要を知っていただければと思います。
 ご興味のある方は読んでいただけると嬉しいです。
それではまた明日。

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