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歩いた道を確かめる

昨日、大学の頃の友達とzoomで話した。
海を越えて会いにいきたくなった。
自分のことは信じられないのに、
自分を信じてくれる友達は信じられる。
恋愛には同じように適用されないのはなぜでしょう。

とにかく、少し人間に戻った時間でした。



来た道を消すほうき犬


「不思議の国のアリス」で、アリスが森に迷い込んだ時、
来た道も行く道も消してしまうほうき犬に戦慄した。
顔がほうきで体が犬。ほうき髭を揺らして歩く。
あんなに可愛いのに!
アリスは道を消されて進めないし、戻れなくなってしまう。

大学の友達と話をすると、最近は必ず「何年経った?」
という振り返る時間を持ちたくなる。
私たちは大学を卒業してもう十年以上経っている。
何だか遠いところまで来てしまった寂しさと、
遠いところまで自分たちの足で歩いてこられた安堵がある。
みんなの顔を見ると「悪いこともしないでちゃんと稼いで生きてて、偉いしすごい!私たち頑張ってる!」と全肯定したくなる。不思議な女子会パワー。
実際は全然集まれないけれど、今でも繋がりがあるのが嬉しい。

彼女たちと別れてからの社会人として歩いてきた道を振り返ると、私は何を成し遂げてきたのか、ふとわからなくなる。
何ができて、どんな力が身についているのだろう。
自分が無力に感じる。ほうき犬に今までの道を消されてしまった気分。
ずっと一緒に歩むことがない、人それぞれの道。
誰に聞いてもわからない。
私も友達の道はわからない。

教員って、成果が見えずらい。授業は正解がないし、日々の業務に追われて
自分が何に貢献したわからなくなる。
生徒の反応はそれぞれだし、彼らの人生をずっと追うことはできない。
何かで生徒が賞を取っても、それって生徒の力じゃない?って疑心暗鬼。
そして何より、毎日の小さなことは、自分で記録しておかないとほうき犬が全部記憶を消してしまう。

日記をつけておけばよかったし、作ったプリント捨てなければよかった。
自分の足跡を覚えていてあげないといけないのは、自分だ。

自分のスキルはどうやって測るのだろう。そもそもスキルって、
やり続けないと自分の手から離れていくもの。
霞のように姿のない自分のスキルが恐ろしい。春の夜の夢。

全てが不安で歩けそうにない夜。アルバムを開こうか。
どんなに私という存在が私にとって不確かで危うくても、
卒業していった子達が大切で、幸せになってほしい気持ちは確実に存在するから、
そこから来た道を辿ろう。
歩いてきた道が満点じゃなくても、認められたらいいのに。



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