統一教会の学生サークルに勧誘された話
今回は統一教会の学生サークルに勧誘された体験談を書いていく。
大学入ったばかりの頃、大学の近くをテキトーにプラプラ歩いていると若い二人組の男女に声をかけられた。
「家を訪ねて回って、リサイクルの為にペットボトルのキャップを集めたりしてる、ボランティアサークルでーす！」
みたいなことを言っていた。
で、大学のサークルの新歓って言ったら普通タダメシを食えるというわけだ。
「今から新歓のサークル説明だけでも受けないか」
って言われて「まぁタダメシ食うだけならいっか〜」と思い行ってみることにした。
場所はサイゼリヤ。そのサークル説明会ってのが参加者俺1人だけで、先輩2人と俺1人っていう感じだった。カルボナーラを食わせてもらった後、ノーパソでパワポを使ったプレゼンを受けた。内容は一番最初に俺に声を掛けてきた時と同じような感じで「ボランティアやります、社会貢献について議論をやったり、たまにサッカーやったり」みたいな内容だった。
さらに、
「サークルの説明会を4日間に渡ってやります。来ませんか？」
って言われて「4日…？何か長くない？」っと一瞬思った。しかしその頃の自分は経験の浅い未熟な若者であった。
「でもまぁメシ食えるし、まだその説明会段階なら行っても良いかな」
と思ってしまい、その説明会に行った。結論から言うと「3日目までは」行った。なぜなら、3日目で衝撃のワードが出て来たから。
その説明会を「サークルボックス」とかいう場所でやると言っていて、行ってみたら普通の民家だった。参加者は俺1人のみ。
1日目、2日目は社会貢献系、意識高い系サークルによくありそうな内容で「人生で幸せになるとはどういうことか」「良い人生とは何か」「人の役に立つにはどうするのか」みたいなテーマについて、対話型の講義を先輩から受けていた。
そして、3日目。いきなり「霊界」というワードが出て来た。
YouTubeにアップされてる「奇跡体験！アンビリ◯ボー」の"医学研究者が臨死体験して霊界の存在を確信するに至った"みたいなヤツを見せられた。
俺はいきなりこんなモノを見せられて、こんな話が社会貢献サークルと何の関係があんの？と困惑しつつ、動画を見ている最中に先輩がその霊界の話に「うんうん、ふ〜ん」って興味深そうに頷きながら聞いてた。ここでようやく「あ、そっち系かな」と疑い始めてた。この段階になって初めて。
動画が終わった後に聞かされた講義内容は
「死んだ後、自分の好きな人達と、ずっと一緒に過ごせたら、幸せじゃない？」
みたいな霊界トークで「魂が霊界に行く」という説明を受けた。おいおい完全にそっち系じゃねえかよ…と思い「その霊界がどうのこうの言ってるヤツはまず誰なんすか」と問い詰めたら「ぶんせんめい」っていう韓国の人だと言っていた。
家に帰って「ぶんせんめい 霊界」で検索したら「文鮮明」っていうのが統一教会の創始者の名前だった。マジもんの宗教サークルなんだなとその日ようやく気づいた。
ろくでもない怪しい宗教サークルっていうのは、最初は宗教的要素を絶対に隠す。統一教会のサークルですなどと最初に言ったら大半のまともな人間達は拒否反応を示すから、正体を隠して接近してくる。別の活動をするサークルを装った説明をして警戒心を持たせずに関わるきっかけを掴んで、勧誘される人と打ち解けたら心理的ハードルを解消できてるから、宗教の教義を少しずつ出して洗脳していく、という手口だ。
霊界の話が出てくる前に
「この4日間の説明の後、2日間の合宿があります、来ませんか」
と言われていた。入会届とかを出してなくて正規の会員になったわけでもないのに「2日間の合宿来ない？」と言ってきたのだ。
正式に入ってもないのに合宿来ないか？ってなんか不自然な気がする、という若干引っかかるものを感じていて、そこに「霊界」というパワーワードを出して来たから違和感が確信に変わった。しかも、
「ゴールデンウィークを利用した1週間の合宿があります」
とまで言って来やがったし、ネットで調べてみると夏休みを利用した一ヶ月間の合宿までやるらしい。
こうやって、2日→1週間→1ヶ月という感じで段々と拘束時間を長くしていって、共同生活で頭をおかしくさせていって、宗教の教義に頭を慣れさせ、洗脳していくつもりなのだろう。
いやもう完全に宗教サークルだし、合宿行ったら洗脳してくることは間違いないから、説明会の3日目でそれ以上行くのやめて「もう行かない、連絡してこないでくれ」ってラインで伝えた。
でもそのサークルの人達は良い人そうな人達で、もう連絡しないで来ないでくれって言ったらしつこく連絡して説得してくるみたいなことは一切無かった。自分がどこに住んでるかも知られていたから正直怖かった。
説明会3日目にもう1人説明を受ける参加者の男の子が来ていたが、その人と一緒に聞くんかと思ったらその人は別室に連れて行かれた。
やっぱり洗脳前の参加者って"孤立させなきゃいけない"のだろう。参加者に仲間を作らせず、会話させず、孤独に考えさせるっていうのが洗脳に有効なんじゃないか。そして疑いを共有させないためだと思う。
俺は創価学会の家庭に生まれた創価3世だが、創価の信仰活動に嫌気がさして辞めた人間だ。宗教の存在意義をめちゃくちゃ疑う俺みたいな奴が混ざってる可能性があるから、そいつの考えを広めさせないためだろう。
その男の子が結局洗脳されてサークルに入ったかどうかは知らなくて、未だにどうなってしまったんだろうなと思う。
そして普通のサークルにはあり得ないルールを一個言っていた。それが"サークル内の恋愛禁止"である。詳しくは忘れたが宗教とは関係のない理由を言っていた。サークルの雰囲気が乱れる的な。
その恋愛禁止って言われたのが確か説明会の1日目だったが、もうその時点で違和感を抱いてもっと疑うべきだった…。世間知らず過ぎて「まぁそういうサークルもあるもんかな」と思ってしまって、自然に受け入れていた。
望まない信仰を強制されてきた統一教会の2世達が恋愛禁止の環境で育ったことを最近暴露しているが、そのルールに関係しているんだろう。まだ洗脳合宿の前の説明会1日目だから「統一教会のルールで恋愛禁止なんですよね」なんてまだ言える段階ではなかったってことだ。こうやって、とにかく最初は宗教的性格がバレないようにする。
そのサークルの名前、言っとこう。
「カープ」
大学の新入生はこの「カープ」とかいうサークルに注意して欲しい。社会貢献サークルじゃない！統一教会の学生支部組織だから。英語にすると「CARP」なんだけど、
「Collegiate Association for the Research of Principles」
の略。意味は「原理研究会」。カープって名前を聞くだけだと宗教系って分からないのが隠す気満々で本当にタチ悪い。最初は原理研究会と言ってはいけないという勧誘マニュアルがあるんだろう。
で、そもそも統一教会って何なの？て思う人の為に説明しておくと、2015年に統一教会から「世界平和統一家庭連合」に名称変更してるみたいで、公式YouTubeチャンネルの説明文（2024年2月3日時点）から引用すると、
世界平和統一家庭連合は、神と人間の理想である「地上天国」を実現するために、
神からそのみ旨を託された創始者・文鮮明先生によって、1954年5月1日韓国・ソウルで創立されました。
世界平和統一家庭連合では、文鮮明先生と令夫人である韓鶴子女史を人類の“真の父母”として、その教えに従って活動しています。
今では世界194か国にまでその教えが拡がり、世界各地で教会員が活動しています。
日本家庭連合は、1959年10月2日に創立され、1964年7月15日に宗教法人として認証されました。
2019年には創立60周年を迎えます。
家庭連合は「神様の真の愛を相続しよう」をテーマに、「ために生きる」人格の育成と祝福結婚による理想家庭の実現に取り組んでいます。
また、そのような理想家庭を世界中に拡げることを通して、人種・民族・文化・国家の壁を超えた人類一家族世界を目指しています。
だそうです。
俺の親父が言ってた話だが、統一教会の信者として長年活動して来たけど辞めたっていう人が親戚にいるらしい。その人が辞めた理由は、
「韓国にお金を送り続けるのが変だと気づいたから」
らしい！洗脳が解けて良かったホントに！なにが「神様の愛を相続しよう」だの「人格の育成」だの言ってやがんだよ。神の愛だの地上天国だの言っておきながら結局信者から金を集めて不労所得を稼ぐという「組織幹部の地上天国」を作りてぇだけじゃねえのか。「組織にお布施を貢がせるための」人格育成じゃねえのか？
有名な話だが霊感商法の被害者が多いみたいで「全国霊感商法対策弁護士連絡会」ってのが統一教会による被害の根絶と被害者救済を目的として結成されてる。それのウェブサイトで、2021年の9月に安倍晋三氏宛に公開抗議文を掲載している。その抗議文の一部分を紹介すると（2024年2月3日時点）、
「家庭連合は、統一教会と名乗っていた頃から、信者の人権を抑圧し、霊感商法による金銭的搾取と家庭の破壊等の深刻な被害をもたらしてきた反社会的な団体であり、家庭連合に名前を変えてからもその体質は変わっていません。」
「安倍先生が、日本国内で多くの市民に深刻な被害をもたらし、家庭崩壊、人生破壊を生じさせてきた統一教会の現教祖である韓鶴子総裁（文鮮明前教祖の未亡人）を始めとしてＵＰＦつまり統一教会の幹部・関係者に対し、「敬意を表します」と述べたことが、今後日本社会に深刻な悪影響をもたらすことを是非ご認識いただきたいと存じます。」
だそうだ。弁護士の人達がここまで言うくらい統一教会は死ぬほど有害な組織であり、最近出てきた宗教2世達の訴えには信憑性もあり、そしてようやく文科省によって解散命令の請求がなされた。
あまりにも遅すぎた。どれだけの人生が破壊されてきたのだろうか。
これから大学に入学する人達に伝えたいことがある。
宗教系の偽装サークルの人達っていうのは、警戒感を抱かせないために"最初は正体を隠して接近してくる"。最近の流行りを取り入れて「気候変動やSDGsを考えるサークル」という紹介をしてくるかもしれない。そして"心の距離が縮まってから"いきなり「実はこんな宗教の素晴らしい教義があって」「幸せになるための方法がコレなんだよね」みたいな事を言って勧誘してくる。「俺たちもう友達だろ」「私たち仲良いよね」そうやって情に訴えて入信を迫ってくるかもしれない。そんな奴は関わっても百害あって一利なしだ。一度入った環境から抜け出すのが大変に感じるかもしれないが、育ててきてくれた親や仲の良い友達にどう思われるかを冷静に考えて欲しい。
洗脳されてしまったら最後、教団に搾取される人生が待っている。教団と絶縁するのか、親や友達を失望させる人生を選ぶのか。大切な大学生活、ひいては人生を宗教カルトによって破壊されないよう、十分に気をつけて欲しい。
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