託された父の思い

遅ればせながら、今日からnoteを始めます。
理由は、寄付月間で1年の終わりに、寄付について考えてみませんか?「#寄付してよかったこと」でエピソードを募集とあったので、それがきっかけで作りました。

さて、本題に入りますが、私と同じ40代以上の方ならハッキリと覚えていらっしゃると思いますが、1993年7月に北海道南西沖地震が起き、北海道の奥尻島が津波で被害にあい、多くの方が犠牲になり、住処を失いました。
連日のように新聞やテレビ等で報道され、同じ国内に住みながらもとても胸を痛む思いでいました。
その当時、私は小学校6年生で学校の児童会では奥尻島への募金活動をしていましたが、そのある朝、父が「これを持っていけ」と差し出したのが、蓋が付いたお菓子か何かが入っていた牛乳缶でした。中身はいつか家族で北海道旅行に行くためにコツコツと貯めたはずのお金でした。
最初、私は父に「(持っていくのは)嫌だ!」と言いました。
理由はせっかく貯めたものを見ず知らずの人にあげるのは勿体ないと思ったからでした。しかし父は「昔、父さんが子どもの頃に伊勢湾台風で被害にあった時、たくさんの人に助けてもらったから、そのお返しだ。そのお金で北海道に行ったつもりになればいいじゃないか」と。
その時は、北海道に旅行に行けなかったことの歯がゆさと、そのお金が本当に奥尻島の人たちのために使われるのか不安だったことを私は感じていましたが、その後、1995年の阪神淡路大震災、2011年の東日本大震災でもそうでしたが、多くのボランティアや寄付がなくては復興へは結び付かないこと、そして私もボランティア活動やファンドレイジングに携わるようになり、恥ずかしながらようやく当時、父が言っていたことが理解できるようになりました。
寄付ってお金を単に届けるだけではありません、その人の気持ちを届けることでもあるのだと、今思うと感じています。

寄付してよかったことは、30年後の私という人間をつくるための、父からの教えだったのかもしれません。

#寄付してよかったこと #寄付月間 #12月は寄付月間

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