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【書評】英文解釈の伝説的名著 『英文解釈教室』(伊藤和夫氏・著)

こんにちは!Noter と申します。

大学受験では、様々な参考書が世にあふれております。
例えば、英語を読むにあたっての英文解釈本は、必携品ではないのでしょうか。

今回は、著者が使用していたこともある名著、『英文解釈教室(新装版)』をご紹介させていただきます。

レベル感や特徴についても述べていくので、受験、さらには英語学習そのものに関してもご参考にしていただければ幸いです。本記事では、『英文解釈教室』を広めていくことができればと思います。



はじめに~ 本記事のおすすめの対象の方

  • 英文解釈の本のレビューを求めている方


英文解釈教室とは まさに伝説~



英文解釈の道しるべとなる著書として、「ポレポレ」や「英文解釈の透視図」などがメジャーですが、『英文解釈教室』は、駿台の伝説的講師と呼ばれていた(著者は面識がないのですが)伊藤和夫氏が執筆された300ページを超える参考書です。

ポレポレや英文解釈の透視図と比較して、シェア率は低いので、本書の存在をご存じでない方も多いと思われます。そのため、本書のレベル・クオリティの高さを全面的に綴ってまいります。

ぜひ読んでもらいたい、伝説の英文解釈書

かつての著者もこの本を知る方々のご意見から、本書の凄まじさを知った人間でしたが、端的に申し上げるとすれば

本書は紛うことなき 伝説的価値を誇る名著である

本書はぜひ受験生の方に読んでもらいたい一冊です。もちろん、合う合わないは存在しますし、ポレポレなどの一般的なメジャー本で十分なレベルは確保されていると思います。

しかし、そうした事情を抜きに絶対的基準で話すならば、本書は英文解釈という、受験生がぶつかる壁において至高の名著だと思われます。

本書は質・量ともに集中的であり、伊藤氏のノウハウがびっしり詰まっています。実際に著者は高2期に使用していましたが、「本来もっと広まって然るべき本だ!」と実感しておりました。
本書を使用されていた方からはご共感いただける、と自信をもって言うことができます。

詳しい特徴に入るとともに、まずは本書のレベル等を表していきます。

総合レビュー 英文解釈教室(研究社出版)

著者が影響を受けた本書ですが、星の数でこまかく可視化してまいります。
基準としては、★5つで最高評価、星が一個空いたら☆で表します。

英文解釈教室(新装版) 総合おすすめ度 ★★★★★

レベル         ★★★★★
分かりやすさ      ★★★★★
初学者へのおすすめ度  ★★★☆☆
通読のしやすさ     ★★★☆☆

『英分解釈教室(新装版)』研究社出版

以上がざっとした書評となります。
特に「レベル」と「分かりやすさ」は幻の6個目の★を追加しそうになるほど卓越していました。

本書のレベルとしては、「ポレポレ」や「透視図」を上回っていました。著者は本書が最高到達点であると考えております。

一方、圧倒的な量・密度が本書の特徴の一つでもあります。全15章あり、初学者がこれをいきなり読もうとするのはオーバーワークであると思われます。また、レイアウトも硬派な印象を受けることもあって、他の参考書よりも通読には時間がかかります。その点では、他の参考書でまずは固めることが得策であると思われます。

著者の経験から、解説を丁寧に読んで例題として載っている英文の音読も行うとすると、初見では1章あたり1時間~2時間ほどかかりました。

しかし、本書でなくとも歴史の教科書や用語集など、他の参考書も硬派で量が多いものを受験生は使います。

そのうえ、勉強は初めて行うと時間がかかるものです。
将来の勉強習慣への投資として、頑張って1章ずつクリアしていくことが
良い経験になると思います。

実際、大学で使う教科書・基本書はさらに量が多いです。しかし、基本的には1セクションごとに20~30ページごとと区切られています。

「このくらいは、大学の前段階としてやっておこう!」というマインドで行うと幾分かハードルが下がると思われます。また、実際に本書を終わらせたときは、非常に達成感がありました。

段階を踏まえた、丁寧な解説

本書のわかりやすさは、段階的で丁寧に一から解説していることに起因します。量が多くなるのも、この丁寧な解説によるものです。

本書の中で、この丁寧な解説を高いレベルの文章まで繰り返すことで、受験生は根気強く読み進めて知識をアップグレードできます。

「SVOC文型」、「比較級」や「不定詞」など各文法ごとに章分けされており、毎章 基本的な解釈からパターンを紹介し、章の後半には、より長くて複雑な例文をもとに解説してくれます。
大学の過去問を見ても、本書の最大レベルの文章は限られてくるのではないか、と思われます。

非常に秩序立てられた体系

以上のように、本書は硬派なレイアウトで解説が続きますが、その構成は至って秩序立てられていて、しっかり読み進めることができます。

英語の体系書として、講師の解説から情熱が伺えます。この境地にぜひ、足を踏み入れてほしいものと思います。


本書を読むのにおすすめな時期は、高1期・高2期~


本書を読むのに良いタイミングは、比較的、時間に余裕のある高1・高2の時期をおすすめいたします。

高3期以降でも読む価値が高いですが、量が多いので、それ以前に読まれることで、早くから読解力をあげることができます。

量の多さとレベルの高さから、特に高2の時期がベストでしょうか。
著者も高2期の夏頃、学校の図書館にこもって本書を勉強しておりました。
大変でしたが、良い経験になったと思います。

著者がこの本を勉強した経緯~

ここで、著者の経験も交えて、本書の感想をより明確にしてまいります。

著者が本書を使いだした理由としては、英語長文を読む力が欲しかったからです。それ以前は、単純に「速読英単語」などを使っていても大学の文章を読むのが難しく、本格的にこの分野を改善する必要があると考えました。

そこで最初は「ポレポレ」を使っていましたが、ポレポレは、難しい50の文章にページをめくって出逢っていくスタイルです。この本は自分も効果を実感していたのですが、根本的なパターンごとの対応力を身に着ける必要があった著者は、ポレポレは対処療法的であると考えていました。

ポレポレの真価を理解するためには、さらに根本的な「この場合はこう解く」を理解したいと考えていた著者は、合格者の方のブログで本書が絶賛されていることから使いだしました。

読後の効果は勿論絶大

読み終わるのに根気強さが求められる本書でしたが、一度読破したあと、英文解釈力を丁寧に鍛えられた結果、飛躍的に英語が読みやすくなったことを覚えています。その後実際の問題で練習することが重要ですが、明らかに読む前と比べて、難関大学の英文を前にして、「ここはどう対応したらよいのか」が分かるようになりました。


おわりに~ 

著者の英文解釈において、最も影響を与えた本書について執筆してまいりました。ほかの参考書とはスタイルが異なると思いますが、英文解釈力を根本から身に着けるのに最適の名著にあたります。

ぜひ、ご参考にしていただければ幸いです。

ご覧いただき、ありがとうございます。



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