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「振り返り」をする時のポイントは?

近年、「振り返り(リフレクション)」の重要性があちこちで言われています。経済産業省の「人生100年時代の社会人基礎力」でも、「振り返り」が重要なものとして位置付けられています。

「振り返り」によって過去の自分の思考や判断、行動を客観的に捉え、気づきや学びを未来に活かすことができれば、これまで以上に生産性を高めることができるでしょう。「振り返り」は私たちの成長を促す、近年のトレンドキーワードです。

ですが、実はその言葉に込められた意図を十分に理解しないまま、似たようなことをして「振り返り、完璧!」と思っている人も、少なくないのではないでしょうか。(かく言う私も、以前まで十分に理解できていませんでした。汗)

そこで、この「振り返り」が具体的にどのようなことを指しているのか理解を深めるために、「振り返り」に似て、間違えやすい意味を持っている「反省」「回想」とを比較して考えてみました。

比較表_振り返りと反省の違い.001

表を作りながら整理する中で気がついた、最も大きな違いが「目的」です。

振り返りの目的「未来」にあるのに対し、反省・回想の目的「過去」に留まっています。振り返りでは、過去の出来事を未来に活かすための「手段」として捉え、「気づき・学び」を得ることを目的としておこないますが、反省・回想では、過去の出来事に想いを馳せること自体が目的であり、未来に活用するような視点がありません。

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未来(=目的)のために、過去の出来事を振り返る(=手段)

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過去に想いを馳せることが目的で、未来のことは関係ない?

これらの違いを、講義やワークショップの最後に実施する「振り返りシート」の記入内容を例に、比較してみます。

反省
「本日のグループワークでは、リーダーの問いかけにも意見を返せず、終始受け身の姿勢だった。次回はこのようなことが無いよう、積極的な態度でワークに臨み、発言したいと思う。」

回想
「本日のグループワークでは、テーマに対する意見をグループごと発表することが求められた。しかしテーマに対する意見がメンバーから十分に集まらず、満足のいく発表ができなかった。」

振り返り
「本日のグループワークでは、受け身の姿勢のメンバーが目立ち、意見交換も不十分だった。最初の関係づくりに原因があったと思うので、次回はワークの前に自己紹介の時間を取り、しっかりとコミュニケーションをとってからグループワークに挑もうと思う。」

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未来につながるのは「振り返り」だけ!?

このように比較して考えてみると、「振り返り」と「反省・回想」の違いが少し明確になった気がしますね。次回「振り返り」をおこなう際は、考えていることが「未来につながっているかどうか」を意識してみると良いかもしれません。

最後まで、ありがとうございました。

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