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”元に戻りますか?”という質問に思う事

クリニックでよく聞かれること

年を取ると、体の機能が落ちていくことは避けられません。これは、筋肉量や筋力の減少、骨密度の低下、関節の柔軟性の減少などが原因です。これにより、日常生活で感じる身体的な負担が増え、ちょっとした動きでも痛みを感じるようになります。でも、クリニックでは働いているとよく聞かれます。「この痛みのは、”完治”ってするんでしょうか?元に戻りますか?」と。

過去には戻れない。

まず、がっかりせず聞いてください。人は、日々老いていくことが定められている”生き物”です。つまり、明日は昨日よりも確実に老いています。ですので、元に戻る(痛くなる前または、昨日にタイムトラベル)ことはできないのです。

筋骨格系の痛みでは「完治」ではなく「調整」

これらのことから筋骨格系(関節や筋肉)の問題に対して「完治」という概念はほとんど存在しないと思います。
筋骨格系の痛みの原因は、継続的な身体的負担(歩く、走る、荷物を持つなど)が蓄積として出現してくることが多いです。完全に筋骨格系の痛みをなくすには、何も動かないということになります(でも、動かないのもストレスなのですが、、)。

”じゃ痛みから解放されないのか?”


そんなことはありません!重要なのは、症状を和らげ、管理し、日常生活に支障を来さないようにすることです。元に戻ることはできませんが、元の生活を送ることはできます。リハビリではそれを目指します。

痛みを出す前兆とは?

皆さんもご経験があるかと思いますが、年を取ると同じことをすると、次の日にひどい筋肉痛や関節痛に悩まされることになります。また、若い方でもいきなりフルマラソン走れと言われると次の日にどれだけの筋肉痛で悩まされるか想像できますよね(笑)いずれの状況でも、体に耐えられないような身体的負担をかけると体は悲鳴を上げます。「もう限界だよ」とサインを痛みとして送っている状態です。こりや疲労、痛みは、体が限界に達していることを示す重要なサインです。これらを無視して無理を続けると、さらに大きな怪我や病気につながる可能性があります。

具体的な対策は?

答えはシンプルです。日々のケアと予防が重要です。適度な運動やストレッチ、正しい姿勢を保つことなどが、体にかかる負担を軽減・分散し痛みやこりを和らげるのに役立ちます(詳しくは別の機会に)。体が”硬くなり、弱くなる”こと自体は、生き物である以上避けることはできません。

しかし、いつまでも自分がしたい事をするために、会いたい人に会うためには体のケアを怠らないことで、達成できます!

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