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#エッセイ 記事まとめ

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noteに投稿されたエッセイをまとめていきます。
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2021年1月の記事一覧

EXILEは人生のヒーローだった

13歳の頃、生きることをやめようと思ったことがある。 理由はクラスと部活動の同級生からのいじめ。約半年間続いたそれは学校という社会が生活のすべてだったわたしにとって、生きる理由をなくすに値するものだった。 内容は、どこにでもありふれてるなんてことのない、中学生の遊びだった。 誰かに話しかけても無視。 “ しのと口きいた人はハブ ”と書かれた回し手紙。 鈴木という名字のおかげで安易に付けられた“ 鈴菌 ”のあだ名。 学校からの帰り道に呼び止められ永遠と浴びせられる罵詈雑言

椅子に座ったままでも、やっぱりライブハウスには自由があった。

1年ぶりくらいにライブハウスへ行ったら、何もかもが変わっていた。 入り口には会話を控えることやソーシャルディスタンスを保つ注意書きがあり、バーカウンターは無人、フロアには椅子が並んでいた。 いつもの調子で開演の5分前に到着したら既にフロアは満席で、クワトロで初めて一段高くなっている後方のエリアに陣取った。 ステージはよく見えたが、なんだかパソコンの画面を眺めているような風景に感じた。 開演時間になってイースタンユースのメンバーがステージ上に現れる。 いつもなら会場の

KAZUYAを忘れない

忘れられない美容師がいる。その名をKAZUYAという。 あの頃の私は特定の美容室に通わず、ホットペッパービューティー初回クーポンを引っ提げ、気の向くままに美容室を渡り歩く野良客であった。社会人として働いてはいたが、薄給な上に如何せん酒を飲み過ぎるので年がら年中金欠に悩まされていたし、十数年間、数カ月おきに美容室のお世話になる中で、実際のところ誰に切ってもらおうと劇的な変化は望めないと思い至り、それならば初回クーポンの恩恵を存分に享受することで美容室代を節約するに越したことは

かわらない日常から消えた夜のひかり

 東京の夜がすきだった。ちっとも孤独を感じさせないひかり多き東京の夜。道知れず、ふらっと小道に入っても、灯りのついた拠り所がかならずある。あたたかい人たちの幸せをみて、あたたかい料理をたべた。  東京の人が冷たいなんてうそだ。赤ちょうちんの垂れた暖簾をくぐったそのとき、孤独からは程遠く、あたたかいを体現したような湯気にもくもくと包まれる。みな各々の居場所で、各々の料理を飲み下す。誰も急いていない。ぽつりぽつりと、静かに声が聞こえてくるのを待っている。見知らぬ人の煩悶をみて、

身の回りをリセットしたい、と思った

今年の私は信じられないくらい「捨て欲」がきている。 昨日書いたnoteでも、ふと「〇〇をやめてみよう」と決意ができて、時間が経過するごとに更に加速しているような気がしている。 あ〜〜今の私、いろんなものを手放したい。 * 大好きなテレビドラマ『カルテット』のなかで、高橋一生さん演じる家森さんが「人生やり直すスイッチがあったら、押す人間と、押さない人間。僕はもう押しません」と言うセリフがある。 何か手放そうとしたとき、私はどっちなんだろうと考えてしまう。 「人生リセ