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#エッセイ 記事まとめ

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noteに投稿されたエッセイをまとめていきます。
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2018年6月の記事一覧

新しい「機屋」を作る。

こんにちは、小島日和です。 noteはじめてみます! 私はterihaeruというテキスタイルブランドを愛知県一宮市を拠点に運営しています。詳しく仕事を分けるとテキスタイルデザイン、織布作業(まだまだですが!)、営業、その他諸々を行っています。 最近は「NINOW」という全国の繊維会社に所属しているテキスタイルデザイナー/企画担当の方を集めた展示会を企画運営したり、私の拠点である愛知県一宮市で織機(しょっき)の動かし方を研究するションヘル織機研究部というものも発足しまし

その傷のブルースを見せてくれ。(撮影被写体募集しています)

(2018/06/09、現在、新しいホームページの更新をしています。そのモデル募集の項目だけ、こちらでも公開します)。 撮影被写体募集について、ながらく更新をしてきていませんでした。 もう募集はやめようと思っていたけれど、やっぱり、と思ったので、 あらためて、今の思いのうえに、更新します。 長いので、5分くらい、時間をください。 べつにぜんぶをぜんぶ読まなくても、ちょっと下にある 「写真の被写体になってくれる方を募集しています」を読むだけでもおっけいです。 2018

チョモランマ級の自意識と、ひらがなが言えるようになった話

「子どもができると自由になるよ」。たまに聞く話だけど、正直「はあ?」と思っていた。いやいやどう考えても不自由になるでしょ、と。飲み歩けなくなるじゃんか、と。 ところがどっこい、本当だった。感動して何度かツイッターにも書いたような気がするけれど、間違いなく、圧倒的に自由になった。 どう自由になったか。 「ひらがなが言えるようになった」のだ。 どういうことかというと、子どものころから29歳までわたしはチョモランマ級の自意識を持て余していて、「う○ち」「おっ○い」といったひら

冷蔵庫に潜んでいたノスタルジーとしょうゆ差し

冷蔵庫は懐が深すぎるんだと思うのですよ。 「冷やしておけば、しばし保つだろう」という理屈の元で、あらゆるものがぽいぽいと放り込まれる。もちろん冷蔵庫自体の容量の差はあるけれど、「あの人(冷蔵庫)なら受け止めてくれるはず」と思わせてしまう、あの器のデカさは良く考えてみるとすごい。 しかし、その懐のデカさゆえに、色々と飲み込みすぎるんだろうなー。冷蔵庫が受け入れてくれたことすら忘れてしまったものとかが、たまに奥底から発掘される。 大きいサイズの冷蔵庫に買い替えた時、そういっ

感情を自分の言葉で語れない人

友人が亡くなって、そのあとのSNSグループでのコメント欄に、コピペしたかのように同じような言葉が延々と並んでいるのを見て、僕はゾッとする。その理由が少しだけ分かってきたから、この文章を書いている。 「最近の社会は・・・」という物言いは注意深く行うべきだけど、僕は最近僕も含めた人々の感情が劣化していると思っている。ここでいう感情劣化とは、何らかの出来事がやってきたときに、それを表現する言葉が乏しくなること、という意味で使っている。言い換えると、自分の感情を表現する手段として、

『サザエさん』のマトリックス化

それはもう、何年も前のこと。日曜日の夕方、私は何気なしに『サザエさん』の放映を眺めていた。 いつもと変わらぬ、磯野家のゆるやかな日常がそこにはあった。卓袱台を囲み、誰もが笑っていた。 しかし、突然に空気は一変する。カツオがこんな不穏発言を切り出したからだ。 「父さん、なんでボク、こんな変な名前なの?」 カツオはその日、学校で級友たちから「お前の名前って、魚類な」的なことを言われて、ショックを受けたのだという。 「ねえ、なんで『カツオ』なんて名前にしたのさ?」 詰め寄るカツオ

家族をつれてくる(永田泰大)

生活のたのしみ展には、家族をつれてくる人が多い。生活のたのしみ展に限らず、そもそもほぼ日のイベントは、家族といっしょにやって来る人が多いような気がするけど、やっぱりこの生活のたのしみ展というイベントがいちばん家族といっしょにやってくる率が高いと思う。 同僚が、仕事先の人が、旧友が、後輩が、前職の上司が、家族をつれてやってくる。ぼくはそれがとても好きである。 その人とその人の家族が別々のたのしみや動機を持っていて、結果的にいっしょにやってくる場合もあるし、一方が一方を誘って