ワクサカソウヘイ

文筆業/どこで書いていいかわからないものはここに書きます/https://linktr.ee/wakusaka wakusakasohei@gmail.com

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新刊「出セイカツ記」が刊行されました

私、ワクサカソウヘイの新刊「出セイカツ記」が2022年10月26日に河出書房新社より出版されました。全国書店やAmazonなどでご購入いただけます。 ●『出セイカツ記 衣食住という不安からの逃避行』(河出書房新社) 「いつか路頭に迷うのではないか」 「仕事を失うのではないか」 「一文無しになるのではないか」 そんな生活不安から逃れる術を探す冒険の記録です。 拾った石を売って、自宅をジャングル化して、磯で暮らして、「サザエさん」における中島的に服を着て。その他諸々。 「暮ら

    • 2021年‐2022年記

      2021年と2022年にやったことの記録です。 2021年1月 ●寒かったので、ずっと布団の中にいた。 2月 ●ムック『チューハイマニア』(エイ出版社)に、エッセイ『酎ハイの虹を越えた先で会いましょう』を寄稿した。 ●男性ブランコのコントライブ『栗鼠のセンチメンタル』上演。紀伊國屋サザンシアターにて。構成と制作で参加した。 3月‐5月 ●重度のぎっくり腰になり、またしても布団の中で過ごした。まるで「仮死」のような日々。その顛末は、2022年秋に上梓した『出セイカツ記』

      • 『磯マーケットフェス』完全レポート

        遠い昔、アレクサンダー大王が、ガラスでつくられた大樽の中に入り、深海を探検したという伝説が残されている。その時の海中の様子を描いた絵の中には、巨大な魚や奇々怪々な海獣たち、それに深海森林や海底人、挙句の果てにはなぜかカンガルーらしき生き物までもが登場している。海の底を飛び跳ねる有袋類、なかなかに幻惑的な光景である。 このように、人類は大昔から、深い海の世界に夢想と興味を抱いてきた。レオナルド・ダ・ヴィンチはスケッチの中に、現在のスキューバダイビングに連なるようなアイディア

        • 干支が言えない

          暇だったので、なんの気なしに「干支 言えない」でグーグル検索をした。 予想以上に多くの人が 「オレ、干支って全然言えないんだよねー」 「巳以降にどんな動物が控えているのか、いまだにわかりません」 などと告白しあっていた。 最近の子どもは十二支を全て言えない傾向にある、というネットニュースも出てきた。 その様子を眺めて、複雑な想いになる。 窓の外を眺めると、一月の雲ひとつない青空が広がっている。 鼻の奥がツンとなるような冬の澄んだ空模様を見ていると、小学三年生の頃の苦い思

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          歴使用感

          歴史に疎い。 安政の大獄と言われても「怪談のタイトルみたいだな」という感想しか抱けず、武家諸法度と言われてもその「ぶけしょはっと」という可愛い響きからサンリオのキャラ的なイメージしか連想できず、新撰組がどういった者たちだったのか説明しろと言われても「なんか、ワーっとした時代の流れの中でギャーって男たちが声を上げてドドドーってなって」と擬音の含有率の高さでお茶を濁すことしかできない。 すべては歴史の教科書が悪いのだと思う。歴史用語をただ羅列しただけの教科書は開くだけで学生時代の

          都営ラジオ『鳥など』

          鳥のことについてばかり喋っているラジオです 他の回はこちらのサイトにて販売しております。聴いてくれよな。 https://isozine.base.shop/

          都営ラジオ『鳥など』

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          あなたへの手紙

          拝啓。 いかがお過ごしでしょうか。 ここで一度、確認しておきたいことがあります。私は、T.M.Revolutionです。そして、あなたもT.M.Revolutionです。 なにを言っているのか、とあなたは驚くかもしれません。しかし、これは紛れもない事実なのです。 まだ私が子どもだった頃、テレビで西川貴教がこんなことを言っていました。 「T.M.Revolutionとは、僕と浅倉大介と、そしてみんながメンバーのプロジェクトなんです」 そこで語られていた「みんな」とは、つまりこの

          あなたへの手紙

          ブタゴリラ、下から見るか?横から見るか?

          『キテレツ大百科』のことを、ふと思い出した。 私と同じ世代であれば、必ず一度や二度は触れたことのある、藤子・F・不二雄の作品である。若い世代であっても、タイトル名くらいは聞いたことがあるだろう。 漫画作品である『キテレツ大百科』だが、私にとって馴染み深いのはアニメシリーズのほう。夕方、学校から帰ってきてテレビを点けると、なんとなーく放映されていて、それをなんとなーく観ていた、みたいな記憶がある。最終回を迎えることを知った時は軽く慌てたが、日常から『キテレツ大百科』が無くなっ

          ブタゴリラ、下から見るか?横から見るか?

          Tポイントカードの末路

          レジの店員が尋ねる。 「Tポイントカードはお持ちですか?」 すると私たちは、決まってこう答える。 「いえ、持っていません」 本当は持っている。Tポイントカードを持っている。しかし私たちは、レジ店員の目をだまし、Tポイントカードを必死で匿いながら、ここまでやってきた。親にバレないように納屋でこっそり捨て猫を飼う、みたいな感じでTポイントカードの存在を隠してきた。 しかし、店員だってバカではない。 「本当は持っているんじゃないか……?」 欺かれ続けてきたことに、店員がそろそろ

          Tポイントカードの末路

          『渋谷いきもの会議』あとがきレポート

          2018年6月13日(水)、第一回『渋谷いきもの会議』なるものを渋谷のロフト9で開催しました。ご来場いただいた全ての皆さまに感謝いたします。満員&大盛況、御礼! 感想ツイートなどはこちらにまとめてみました→第一回『渋谷いきもの会議』感想まとめ 当日の様子をちょっとだけあとがきしますね。 開催にあたって 前々から思っていたのだが、「生き物の世界」には打ち上げというものが存在していない。長距離を大移動したり(ヌー)、豪華なドレスを着飾り求愛ダンスをしたり(ゴクラクチョウ)、樹

          『渋谷いきもの会議』あとがきレポート

          『サザエさん』のマトリックス化

          それはもう、何年も前のこと。日曜日の夕方、私は何気なしに『サザエさん』の放映を眺めていた。 いつもと変わらぬ、磯野家のゆるやかな日常がそこにはあった。卓袱台を囲み、誰もが笑っていた。 しかし、突然に空気は一変する。カツオがこんな不穏発言を切り出したからだ。 「父さん、なんでボク、こんな変な名前なの?」 カツオはその日、学校で級友たちから「お前の名前って、魚類な」的なことを言われて、ショックを受けたのだという。 「ねえ、なんで『カツオ』なんて名前にしたのさ?」 詰め寄るカツオ

          『サザエさん』のマトリックス化

          「テクノコント」という演芸を発表する

          2018年5月25日(金)~26日(土)、渋谷のユーロライブという会場で「テクノコント」という演芸を発表する。私は作家として(あと珍しくちょっとだけ演者として)呼んでいただき、チームに参加している。 このライブの発案者は、開発ユニット・AR三兄弟の川田十夢氏。彼が「テクノコントをやりたい」と口にしているのを初めて聞いたのは、たしか一年も前のことだった。その時は「テクノコント…?ユーロビートの曲に乗せて、コントを上演するのか…?なぜ…?」と頭に疑問符が咲き乱れるだけだったが、

          「テクノコント」という演芸を発表する