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中日ドラゴンズ 記事まとめ

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2021年11月の記事一覧

落合博満という監督の本質

あらかじめ書いておくとこの本は ある程度、野球のことを知っている人でないと 本当の良さは理解出来ない本かもしれないということ。 それでも中日の監督であった落合監督を知っている人が 読んだら唸らずにはいられない。 著者はスポーツ雑誌として一目置かれるNumberの編集部を経て 今はフリーとして活躍している“読ませる”方です。 この文章すごい良かったなと思うと鈴木さんねみたいなことです。 何人かの選手との関わりの中で落合監督を 浮き上がせる内容になっています。

「嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか」著者・鈴木忠平氏の「人間成長物語」

ありきたりの感想から始めます。「とても面白かった」です。読了した今、若き青春時代に感じた「爽快感」に満たされています。 本書は落合博満の物語ではありません。著者・鈴木忠平さんの「人間成長物語」なのです。 ページをめくるごとに、鈴木氏がもがき苦しみながら、記者として「上へ上へ」と目指す姿に胸が熱くなってくるのです。鈴木氏を「応援したく」なるのです。 本書がスマッシュヒットしている要因は、まさに鈴木氏の生き様が映画のスクリーンのように映し出されるからでしょう。 サクセスス

野球好き校閲記者によるプロ野球記事の話

とうとう今シーズンのプロ野球も終わってしまいました。 白熱の日本シリーズ、最後の最後まで目が離せませんでした。 中日新聞といえば中日ドラゴンズ、と思われる方も少なくないのでは? そのとおり、本紙の運動面には、ドラゴンズに関する記事が毎日多く並んでいます。 そんなドラゴンズの記事を校閲するときに欠かせないのが、スコアシート。 記事中に出てくる試合経過の記述が正しいかどうか、スコアを使って校閲しています。 今回は、プロ野球速報などが充実した現在でもスコアで確認をする理由や、実

【読書録14】プロフェショナルとしての個の確立~鈴木忠平「嫌われた監督」を読んで~

 生来の「ひねくれ者」である。 人と同じものを素直に好きと言えない。周囲は、巨人ファンが多かった。家族もしかり。そんな中、巨人は好きになれなかった。 大学は、皆が東京を目指す中、東北地方に行くことにした。そして、会社に入っても先輩との折り合いが合わず、反抗し続けた。  この本を読んでそんな自分の性向を思い出した。  そんな私が、子供の頃、夢中になった野球選手が中日時代の落合博満である。新聞を切り抜きスクラップしてその活躍を追いかけた。  孤高の人でありながらもその圧倒的

オレ流監督を知るにはこの本

落合博満氏は他チームでのコーチ・監督経験なし(ただし臨時コーチの経験はあった)でドラゴンズの監督になり、しかも1年目からリーグ優勝、その後もドラゴンズは常にAクラスにいて常勝チームであり続けた。 落合氏の考え方、チーム運営、リーダーシップ、プロフェッショナリズムに興味がある人はぜひ読むべき本である。 落合氏自身による著書は多数ある。バッティング技術の専門書に始まり、コーチング論、リーダーシップ論に至るまでこれだけ幅広く本を書いている野球関係者は、落合氏の他は野村克也氏くらい

2人の新監督

 先行きの分からなかったコロナ禍もワクチン接種が進んだからか、巷で囁かれている変異ウイルス自滅説からかは分からないが、収束の方向に向かっている。そんな中で中日、日ハムの2球団は人気復興の切り札と言われていた立浪和義、新庄剛志新監督を来季から登用するようだ。この2人が球界にどのように影響を与えるかを考えよう。 名手、必ずしも名将にあらず  星飛雄馬が破滅的引退を遂げ、番場蛮は心臓発作でマウンドにて夭折し更にミスタージャイアンツの引退と共に川上野球が完結した昭和50年の巨人軍