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アソビシステムの新しいチャレンジ。プロダクションがnoteに本腰を入れる理由とは

きゃりーぱみゅぱみゅや中田ヤスタカなど、世界で活躍するアーティスト、クリエイター、そして若者に絶大な人気を誇るモデルなどが所属するアソビシステム。そのアソビシステムがnoteと業務提携し、noteが開発中の新機能を使って自社メディアを開設しました。

一見、意外な組み合わせに見えるアソビシステムとnote。社長の中川悠介さんは、noteのどこに可能性を感じ、自社メディアを作ることにしたのでしょうか。noteのCEO、加藤貞顕との対談で明らかにしていきます。

新しい表現の場所として、noteに出会った

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中川悠介(以下、中川) noteは、最近すごく注目されているサービスだと認識していました。興味をもっていた一方で、長い文章を載せなきゃいけないのかなとか、僕たちのようなエンターテインメントを主軸とする人にとっては入りづらいサービスなのかな、と少しハードルを感じていたんです。でも、知り合いを介して加藤さんにお会いして聞いてみたら、僕らでも活用できることがいろいろありそうだぞ、と。そこからどんどん話が進んでいきました。

加藤貞顕(以下、加藤) 初めてお会いしたときには、まだ実装していなかった機能についても、いろいろお話させていただきました。今年の2月にリリースしたサークル機能、そして今回先行して使っていただく「メディア機能(note media)」などについても、です。

メディア機能では、それぞれのユーザーのアカウントを束ねて一つのメディアをつくることができます。一人ひとりのタレントさんが記事を更新することもできるし、メディアとして全体でプロモーションや企画をマネジメントすることもできる。トップページにアソビシステムとして、所属タレントのアカウントを並べたり、ピックアップしたい記事やニュースを表示したりもできます。

さらにアソビシステムのタレントやコンテンツについてnoteユーザーが書いた記事を、メディア内にまとめることもできる。タレントとファンの間に濃い関係性をつくれるんです。こういうことって、タレントをマネジメントしているプロダクションがやる意味がすごくあると思います。

中川 noteって、SNSとは違う発信力の強さがあるんですよね。これからの時代は、個の発信力が重要になる。noteはその力をすごく発揮しやすい場所だ、と思いました。

個人の時代であるならば、タレントはプロダクションに所属しなくてもいいという考え方もあります。そんな中で僕らの役割は、個に対して価値をプラスし、何倍にも広げていくこと。だから、アソビシステムは常に所属するタレントたちが輝ける場所を、創業時から今も変わらず探し続けています。

今までは、テレビやウェブ、ラジオ、雑誌などのメディアがあって、ネットでいえば個人ホームページやブログ、SNSなどいろいろあった。そして今回、新しい表現の場所として、noteと出会ったんです。

お互い、クリエイティブとデザインを重視している

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加藤 新しいメディアに挑戦してもらうにあたって、今回アソビシステムのマネージャーさんたちには、最初にnoteの使い方のレクチャーなどをさせていただいたんですよね。ちょっといろいろご負担をかけてしまっているかもしれませんが……(笑)。

中川 マネージャーからしたら、更新しなきゃいけないメディアが一つ増えちゃった、という感覚かもしれません(笑)。でも、僕はみんなに、担当のタレントがTikTokやInstagram、YouTubeなどでバズってたとしても、noteはやったほうがいいよ、と伝えました。新しい価値や出会いが絶対あるから、と。

これらのSNSって互いにつながってないんですよね。それぞれにユーザーがいて、伝えたい情報や思いも違う。昔はホームページやブログだけ更新してればよかったかもしれないけれど、今はそれだと伝えたい人に気持ちが届かないんです。いろいろなチャンネルが必要なのだと思います。

加藤 じつは、noteにはTwitterやInstagram、YouTubeなどの投稿を埋め込めるんです。だから、noteのメディアを窓口にして各種SNSの投稿を見てもらうこともできます。

noteはストックできる場所を目指しているんです。それはコンテンツのストックもそうですし、長期的にはファンとの関係もそうです。クリエイターにとっての資産がストックされていく場所でありたい、と考えています。

中川 正直に言うと、これまでIT系のプラットフォームとの距離感って難しいなと思ってたんです。こちらのやりたいことと、プラットフォーム側の要望が完全に合うわけではないし。

でも今回は加藤さんと僕で、お互いクリエイターとして話ができたので、進行が早かったですね。どういうメディアを作るかという、クリエイティブの部分にフォーカスできたのがよかったです。

加藤 アソビシステムとnoteって、実は近しいところがあるんですよね。会社としてクリエイティブとデザインを重視しているところとか。僕と中川さんの考え方には、けっこう共通点があるんじゃないかと思っています。

中川 そんな気がします。今までのメディアの価値判断って、アクセス数にあったと思うんです。でも、僕らの考えるメディアはそうじゃないんですよね。自分たちと接点のある、熱量の高い人達が集まる場所がメディア。

大事なのは、いいものをいいと言ってくれる人たちです。だから、もともとそういった人たちが集まっているnoteと一緒にやれたら強いですよね。

また、アソビシステムがnoteを始めることで、僕らのタレントのファンたちがnoteユーザーになってくれたらうれしい。いろいろな広がりが期待できるな、とワクワクしています。


noteクリエイターとタレントとのコラボレーションの可能性も

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加藤 僕は今後、noteのクリエイターがアソビシステムに所属することも、あり得るんじゃないかと思っているんです。

中川 それはあり得ると思います。

加藤 noteにはいろいろなクリエイターが集まっていて、アソビシステムもそのなかのひとつ。アソビシステムのタレントさんが、noteのクリエイターとコラボレーションすることもあるのかなと、勝手に期待しています。

中川 今後はD2C(※)がくると言われていますが、本物のD2Cって少ないと思っていて。作りたいもののイメージや思いを強く持っている人が、noteでそれを実現できるクリエイターに出会って、一緒に商品を作って販売する。それができたら、本物のD2Cになりますよね。

※Direct to Consumerの略。メーカー・クリエイターが、企画・製造した商品を、小売業者などを介さずにECサイトなどで直接販売するビジネス形態。

加藤 noteには自分がアカウントをもっているECサイトの商品を、一覧表示できる「ストア機能」があるんですよ。noteでフォローしてくれている人たちに向けて、自分が作った商品を紹介できるんです。リンク先に飛べば、購入もすぐできます。つまり、ファンに対してお店を開くことができます。

中川 ほら、「こんなことできないかな」と言うと、すぐに「こういう機能があります」とか「こういう機能を製作中です」と返してくださるんです(笑)。

ガッツリ一緒にやろうと思った理由のひとつが、サービス自体の使いやすさとこのスピード感。しかもnote自体が、いろいろなサービスや企業とつながって、オープンで広がっていますよね。そこが一番ワクワクするポイントでした。

加藤 そういえば、社風がオープンなところもアソビシステムと共通しているかもしれませんね。オープンでクリエイティブなことが一緒にできたら、ものすごくおもしろいと思います。

と、noteではいろいろなことができるんですけど、中川さんはアソビシステムのどんなタレントさんがnoteに合うと思いますか?

中川 自分をしっかり持っている、クリエイター気質の人は、noteからいろいろなことが始まりそうですよね。仕事の幅が広がったり、本当にやりたいことができるようになったりすると思います。

タレントにもいろいろなタイプがいて、テレビに出てお茶の間の有名人になりたい人もいれば、好きなことや得意なことを発信してファンと一緒に共感することが幸せな人もいます。後者のタレントさんにはnoteがすごく合うんじゃないでしょうか。

加藤 今は、好きなことや自分の思いを発信したい人が、ネットのおかげで活動の幅を広げ、それが仕事として成り立つようになってきましたよね。そして、アソビシステムにはそういった、主体的でクリエイティブなタレントさんがたくさんいる。だから、noteと相乗効果が生まれるだろうな、と思っています。

アソビシステムを迎え、noteという街がさらに発展する

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中川 そうそう、うちはお茶の間で有名なタレントって実は少なくて、ファッション系の媒体に特化している人もいれば、アイドルとしてライブ活動に力を入れている人もいる。露出しているメディアが細分化されていて、それでもしっかりとしたファンが付いている、変わったプロダクションなんです。

加藤 メディアが多様性をもって、クリエイターも昔よりもいろいろな発信ができるようになりましたよね。noteという場所も、そういった多様性のひとつです。

noteを昔から使ってくださっているユーザーさんからしたら、タレントを扱うプロダクションという華やかでメジャーなところが参入して、今までと雰囲気が変わってしまうことを危惧してしまうかもしれません。

でもnote自体、多様性をすごく重視していて、そもそも多様性こそがクリエイティブの源泉であると考えています。たとえば価値観が違う人同士が出会うと、最初は戸惑いがあるかもしれません。でも、そういう人たちが一緒に何かを作ると、これまでと違うまったく新しいものが生まれる可能性がありますよね。

同じように、アソビシステムの参加によって、noteがさらにクリエイティブな場になっていくと捉えています。それは他のクリエイターにとっても、きっと良い変化をもたらしてくれるでしょう。

中川 僕らも「エンタメのプロダクションがnoteに参入するぞ!」なんて大上段に構えているわけではなくて。あくまで、アソビシステムはnoteの1ユーザーとしてがんばりたい、というのが素直な気持ちです。僕はこの業界のチャレンジャーとして、未来をつくっていくことが大事だと考えています。その新しいチャレンジのひとつがnoteなんです。

加藤 僕はnoteに対し、街の中にいくつものエリアがあるイメージを持っているんです。原宿みたいなエンターテイメントのエリアにはアソビシステムがあって、ファッションや流行に敏感な若者が集まっている。かたや、経済コラムをたくさん書く人が集まる大手町みたいなエリアもある。

ユーザーはみんなそれぞれ楽しんでいて、テーマによっては、接点があったり、コラボレーションが生まれたりするかもしれない。アソビシステムが入ってきたことで、新しくておもしろいクリエイターが街にやってきたよ、という感じですね。

オープンマインドを身につけた日本人が、世界に進出していく

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中川 昔はこういうサイトを作るの、大変だったんですよ。noteのメディア機能を見ると、時代は変わったなと思います。プラットフォームのサービスを使って、自社メディアが簡単に作れるなんて。しかも更新も手軽。タレント自身が記事を投稿できますからね。

加藤 たしかにそうかもしれませんね。特にアソビシステムだったら、タレントごとにデザイン性の高い公式サイトをつくるイメージがあります。

中川 少し前であれば、そうしていたと思います。でも、中身が大事なのだったら、外側にはこだわらなくてもいいと思うようになってきたんです。あくまで主役は、アソビシステムに所属するタレント。彼らの思いやコンテンツがファンにしっかり届けば、サイトの外側は自前でなくてもいいですよね。

加藤 すばらしいアーティストは、レコードだろうがサブスクリプションサービスだろうが関係なく、人を感動させられますもんね。

中川 あと、ウェブメディアの変遷を見てきて、noteに個人が本名で文章を書いてバズる、といったことに時代の変化を感じます。

少し前だとありえなかったと思うんです。10年前は、一般の人はネットに実名も顔も出したがらなかったでしょう。日本人はだんだんオープンマインドになってきているんじゃないかと思うんですよ。

加藤 あ、確かにそうかもしれませんね。

中川 海外で人気を博す日本のものって、これまでは自動車や家電、漫画、アニメとかだったんですよね。あと、実は日本の美容師も人気なんです。つまり、細部までこだわったものづくりや高い技術、クリエイティビティがすごいと思われている。

さらに、そこにオープンマインドが加われば、世界進出がもっと加速するんじゃないかと考えています。世界レベルのハウツー動画YouTuberとか出てくるんじゃないでしょうか。日本人のハウツー動画ってやっぱりすごく丁寧で、再現性が高いんですよ。

加藤 日本の強みである繊細さとクリエイティビティという特性に、オープンマインドが加わったら、世界で勝負できますよね。

中川 だから僕たちは今、自分たちのエンターテインメントを世界に広げようとしているんです。

加藤 今後、僕たちはnoteの海外展開も考えているので、アソビシステムのnoteの記事が海外で読まれるようになる、なんてこともあるかもしれません。アソビシステムの海外進出にnoteが一役買えたら、本当にうれしいです。

取材・執筆:崎谷 実穂
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