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サブスクをはじめる・続けるなら何を考えるべき? クリエイターユニット「ダイハードテイルズ」が5年間続けてきたコツを紹介

noteでは、無料記事の投稿だけではなく、「定期購読マガジン」「サークル」など、サブスクリプションの展開ができます。その機能を活用し、創作を続けているクリエイターの方も多数いらっしゃいます。

そこで、これから定期購読マガジンをはじめたい方、すでにはじめているけれどお悩みをお持ちの方に向けて、4月26日(月)に、具体的な運用方法をお伝えするイベント『note勉強会 ─ noteでサブスクを続けるコツ』を開催しました。

講師にお招きしたのは、『ニンジャスレイヤー』などの小説でSNSを中心に人気のクリエイターユニット・ダイハードテイルズさん。noteでは2016年から定期購読マガジンをはじめ、多数の読者を獲得しています。

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今回は、定期購読マガジンをはじめる前に確認すべきこと、継続するにはどうすればいいか、 などを中心にお話しいただきました。この記事では、当日お話しいただいた内容を、ポイントをまとめてお伝えします!

1番大事なことは、裏技やハッキング方はないということ

現在のフォロワー規模はどのくらいか?

定期購読マガジンをはじめる前に、まず現状を具体的に分析しましょう。SNSアカウントを複数持っている方は、それぞれのフォロワー数をリストアップしてみてください。自分の作品にいま「熱心なファン」が何人いて、どのくらいの読者数が見込めるかを推測します。

読者数の目星をつける手段の1つとして、「まずnoteで単品有料記事を販売してみる」のがおすすめです。定期購読マガジンは、読者にとって少し敷居が高いもの。また、クリエイター側も数ヶ月分のコンテンツを用意しなければなりません。でも単品有料記事であれば、定期購読マガジンをはじめるよりも、気軽に販売することができます。

予想以上に買ってもらえた場合と、思った以上に買ってもらえなかった場合

実際に単品有料記事を販売してみて、思ったほど買ってもらえなかった場合は、定期購読マガジンをはじめても採算がとれないかもしれません。オンライン上で十分な認知度があるか、コンテンツのクオリティはあるかなどを見直してみましょう。

コンテンツのクオリティはあるか?

「コンテンツのクオリティ」とは、作品そのものの質だけではなく、アカウントの純度を高めることも大切です。

たとえば、小説を発表しているアカウントで作者の日々のつぶやきなども書いてしまうと、小説を楽しみたい読者がアクセスしづらくなってしまい、純度が下がってしまいます。そうなると、読者の期待値が下がってしまう可能性があります。

読者にとっての読みやすさ、アクセスのしやすさをまず第一に考えましょう。

無理なく継続できそうか?

次に、「どれだけ続けられるのか」を考えてみてください。どのくらいの頻度で、どのくらいの期間続けられるのか。もし月1更新をするとしたら、それを何年くらい継続できるのか、といったことを具体的に考えてみましょう。

1. S.M.A.R.T.フレームワークをあてはめてみる

S.M.A.R.T.フレームワーク


ダイハードテイルズさんは、『S.M.A.R.T』というフレームワークを使って考えたそうです。

『S.M.A.R.T』とは、ビジネスの長期プランのつくり方で、「Specific(そのプロジェクトは具体的か?)」「Measurable(数値で可視化可能か?)」「Achivable(達成可能か?)」「Realistic(タイミングや場は現実的か?)」「Time-bound(期限は決めたか?)」の頭文字をとったものです。

これを自分のコンテンツにあてはめて考えてみるのも1つの手。ダイハードテイルズさんは、SMARTフレームワークを用いることで、客観的に数字で検証することができたそうです。

2. プライシングはどうするか

目標金額を具体的に逆算してみよう

定期購読マガジンは値段の変更ができないため、プライシング(料金設定)がとても重要になります。まずは、目標金額(月にいくらの収益を定期購読マガジンで上げたいのか、いくらぐらいあれば活動を続けられるか)を決めましょう。

次に、定期購読マガジンの月額と購読が見込めるファンの数から、目標金額を逆算します。

ここで気をつけるべき点は、扱っているジャンルによって規模感が大きく異なってくるということ。たとえば、ファンの数が少なかったとしても、希少なジャンルであれば高めの値段設定でも十分成り立つ場合もあります。

どうにか続けられるが苦しい金額よりも、無理なく成長発展させられる金額のほうが大事

値段設定をする上で頭に置いておきたいのは、「最初に頭に浮かぶマガジン月額は、たいていの場合安すぎる」ということ。安いほうが多くのひとが読んでくれるのでは? と思いがちですが、最初から無理をして安くすると、続けていくことが難しくなり、結局短期で終わってしまうということにもなりかねません。

クオリティがあれば読者は読んでくれるので、読者を信じて、コンテンツの価値に見合った適切なプライシングをするのがおすすめです。

3. 一緒に運営する仲間をつくろう

定期購読マガジンを長期的に続けていくため、ダイハードテイルズさんのおすすめは、「一緒に運営する仲間をつくる」こと。

ダイハードテイルズさん自身も、1人ではなく2人だったからこれまで続けることができた、と言います。行き詰まったときに相談に乗ってくれたり、アイデアを聞いてくれる相手がいれば、自分の考えを整理することができます。

また、自分が忙しくなったり体調を崩すことがあっても、仲間がいれば定期購読マガジンの更新がストップしてしまうこともありません。何かあったときにカバーし合える相手がいるのは心強いもの。SNSやnote上で、一緒にマガジンやコンテンツを運営する仲間を探してみるのもいいでしょう。

定期購読マガジン以外の選択肢は?

専業化までの試行錯誤

定期購読マガジンをはじめる前に、それ以外の選択肢を試して比較することも大事です。

ダイハードテイルズさんも、専業化しようとした際、アフィリエイトやDIY出版など、さまざまな方法を試したそうです。

実際にやってみて、自分たちの活動には合っていないと気づき、noteに辿り着いたとのこと。このように、ほかの方法も試してみることで、自分のやりたいことが明確になります。

なぜnoteを選んだのか

ダイハードテイルズさんの場合は、「これからはサブスクの時代」と考えていたことや、ファンが直接クリエイターを応援するというnoteの仕組みに魅力を感じ、noteを選んだそうです。

成功するための「裏ワザ」はない

コンテンツができて値段も決まり、続ける見通しが立ったら、あとは定期購読マガジンをはじめるだけです。いったんはじめたら、マラソンを完走するような気持ちで、コツコツ続けていきましょう。

定期購読マガジンを成功させるための「裏ワザ」は、ありません。とにかく地道に、年単位で続けること。そのコンテンツを最低10年は続けるという自信を持って取り組んでください。

やりはじめたばかりのときは、「だれも読んでくれない」「だれも気づいてくれない」という時期が必ず訪れます。ダイハードテイルズさんは、これを「虚無の暗黒」と呼んでいます。この「虚無の暗黒」に呑み込まれ、反応がないことに疲れてやめてしまうひとはとても多いのです。

大事なのは、「反応がなくても続ける」こと。続けてさえいれば、少しずつ読者が増えていき、うまく収益化できるかもしれません。収益化できれば、さらに多くのクオリティの高いコンテンツを生み出して読者に提供できるようになり、お互いにハッピーになれるはずです。

続けていてもなかなかうまくいかないという方は、この記事でお伝えしたポイントをもう一度おさらいしてみましょう。

自ら創作した作品が多くのひとに読まれ、たのしんでもらえることは、クリエイターにとって大きな喜び。定期購読マガジンを検討している方は、この記事を参考にぜひはじめてみてください!

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