第六話 秋に見つけたおとしもの
ひらり、ひらりと、枯葉が舞う季節のことでした。
その日は、10月31日、ハロウィンの日でした。
三人は、小さなお菓子屋さんでお菓子を作っていました。
今週のお菓子は、「ハロウィンクッキー」。
かぼちゃを生地に練り込み、ハロウィンらしいモチーフをかたどって作ります。
ジャック・オー・ランタン、コウモリにおばけ、魔女のぼうし。小さなお菓子屋さんは、ハロウィンらしい空気で満ちています。
そして三人も、楽しく仮装をしていました。
パフェは猫、いちごは悪魔、スピカは魔女です。
まあスピカは、家にあるものを着ているだけなので、仮装とは言えないかもしれませんけどね・・・
「トリックオアトリート~!」
そんな屋台に、お客さんがやって来ました。
毎週必ずやってくる、小さな常連さんの男の子です。今日は、オバケの仮装をして、三人を驚かせました。
「トリックオアトリート―!今週のお菓子は、ハロウィンクッキーだよ!」
いちごが大きな声で言いました。
「おいしそう・・・!」
男の子は棚をながめて、声を上げました。
「じゃあそれ、20枚ちょうだい!!」
「えっ!?」
スピカは動揺して言いました。そんなに多くの枚数を頼まれたのは初めてだったのです。
「・・・・・まあいいや、代金は1000円です!」
「ありがとう!!」
男の子は代金を支払い、クッキーを袋にいれると、すたこらさっさと帰って行きました。
***********
男の子が帰ったあとに、パフェは、何かが落ちてることに気づきました。
「・・・あれ、何か落ちてる・・・」
パフェのその言葉に気づき、いちごとスピカもいっしょに、屋台の外へ出ていきました。
「これ、手紙だ・・・!」
パフェはそれを持って言いました。小さな封筒に入った、小さな手紙です。
「も、もしかして、これ、何か重要な手紙なんじゃない!?たとえば、大事な人への・・・何かとか・・・他にももしかしたら・・・!!?」
スピカは色々なことを想像し、青ざめた表情で言いました。
「そ、それなら大変だ!!早く、あの子のところへ行かないと!!」
いちごは焦りながら言いました。
「あの子は、この道をまっすぐ行って帰ってたはず・・・そこをいけば、もしかしたら見つかるかもしれないよ!!」
パフェは二人に向かって、早口で言いました。
「そうと決まれば、急いで向かおう!!」
三人は走り出しました。
続く!!!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?