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今井信子様(Va)+伊藤恵様(Pf)公演@東京文化会館小ホール

会社のOGでヴィオラを弾く先輩と、私の娘と私の3人で行く予定だったこの公演、娘が体調を崩して急遽行けなくなりました。
(幸いコロナもインフルも陰性でしたが、ただの風邪ではなかったことがわかり、それが気がかりです💧)

代わりに行っていただけそうな知人・友人に声をかけたのですが、私の記事を読んでくださる方を含め、昨夜の今日、というか、今日の今日に話を聞いて、急に行ける人がいるわけもなく…。

余ったチケット1枚は、受付でタダでも引き取っていただけることもなく、チケット完売・満員御礼の中、贅沢にも私と先輩の荷物置き場にさせていただきました🙇。

相変わらず前置きが長い。


重鎮ここにあり

さて、私にとって初めての今井信子様の生演奏。
これまでCD等でしか聴けなかった今井信子様のリサイタルの演奏曲目をネットで見たときから、

・かの今井信子様とピアノに伊藤恵様という素晴らしい組み合わせのリサイタルである
・私がハマっている作曲家、レベッカ・クラークの「ヴィオラとピアノのためのソナタ」が曲目に入っている

というわけで、こんな素晴らしい機会を逃すわけにはいかない!と勇んで発売初日にチケットを買ったのでした。

(去年買った弓の代金を払うため、席のグレードは我慢して、最後部(から一列前でした)の一番端っこ。

それでも!

主役のお二人が登場して、ヴィオラの音が鳴った瞬間、掴まれました。

なんという豊潤な音、そしてフレージング。

あなた、弦楽器はこういう音楽を歌うように奏でるためのものなのよ。

と、昨日のレッスンでもっと歌えるようにと言われたばかりの私の胸にズバリと矢が刺さったかのようでした。

素晴らしいのはヴィオラだけではありません。

伊藤恵様の、ああ、なんと形容できるのでしょう。
歌うピアノ、その表現力。

もう、お二人の紡ぐ音楽は、二重にも三重にも相乗効果を生み出して、会場を包みます。

こんな体験ができて良かった。

時計を進めて、武満徹「鳥が道に落ちてきた」から、いよいよ本編の締めくくり、クライマックスとなる、レベッカ・クラークの「ヴィオラとピアノのためのソナタ」です。

この曲が楽しみだっただけに、一番最初の、まるで短いファンファーレのようなヴィオラのフレーズからやられました。

今井様、凄いです。
なんだろう。
若手で素晴らしいヴィオリストもいらっしゃるけれど、やはりこの深みは、勉強を重ねて音楽を深め、年輪を重ね、人生を第一線の音楽家とともに長い間過ごしてきた方だからこそ奏でられる音楽。

そして、伊藤恵様、素晴らしいです。
先日の上野通明さんの公演でも素晴らしいピアノを聴かせていただきましたが、今日はもっとしびれました。

止まぬ拍手に、アンコールは一曲だけ。

フォーレの「夢のあとに」。

この公演の最後に相応しい曲で締めくくっていただきました。

一緒に観たヴィオラ弾きの先輩曰く、
「ヴィオラの先生が、かつて今井さんと一緒に演奏したことがあって、今井さんの演奏にとても感動したって。今日は勉強してきてくださいって言われてきました(笑)」

東京文化会館小ホールは、音響がよく、席が後ろで端っこでも、とてもいい音で聴くことができました。

先輩との別れ側、
「お互い80歳までは頑張って少しずつ上手くなりましょう。譜面を買ったレベッカ・クラークのヴィオラとチェロのデュエットの曲、早く2人でできるようにしましょうね」

と、またまたやる気が出てきたのでした。

*ヘッダーの画像は、東京都と東京文化会館主催の本日の公演のパンフレットから引用しました。

*ご存知の方も多いかと思いますが、
レベッカ・クラークは20世紀のイギリスの女性ヴィオリスト兼作曲家で、ヴィオラ、チェロ、室内楽の曲が多いのですが、当時の時世柄、不遇にも女性というだけで注目されずにいた方で、近年再評価されています。

*最後に、今日の曲目を(同公演チラシより)

ではまた。


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