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書字にちょっと困難のある息子の話

発達障害がテーマのテレビドラマ「僕の大好きな妻」を私も視聴している。放送開始前は、ADHD優勢の若いサザエさんみたいな女性が主人公のドタバタコメディだったりしたら、などという様な声もネットで見かけたけれど、ADHDだけでなくASDらしさも表現されていて、今のところ安心して見ていられる。先日の第2話では知花さんがクリニックで障害特性の説明を受けているシーンがあり、「あなたには軽度のLDもあるのでは」的なことを医師に言われる様子を見て、ああ、このくらいでも学習障害があるって言っていいんだ、支援を求めていいんだと、はっと思った。

中学生になる私の息子は保育園で児童精神科の受診を勧められてASD&ADHDの診断が出ている。その後成長するにつれて、字がお世辞にも上手とは言えなかったり、ノートを書くと怪文書になっていたりで、書字が苦手なのはずっと気づいていた。でもLDの診断は出ていなかったし、ディスレクシアへの支援というのは教科書の文字が意味の無い線の毛糸玉のように見えるとか、鏡文字を書くといったような、はっきりした特性が出ているケースを想定していると勝手に思っていた。

今にして思えば、発達障害の診断が出た頃は国語や算数の授業もなかったし、仮にディスレクシアだったとしても本人が困る様な場面は無かった。 園で文字を書く時はあったけど、4、5歳児の字がメタメタでもそんなに問題視されないし。 工作も苦手だから単なる不器用というか微細運動の困難と考えていた。

小学校では支援級スタートだったから、学習面の困難はやはり大目に見られていたし、家でもそうしていた。 支援級で字をもう少し丁寧に書けるようにとある程度は指導してくれてたけど、書字障害かもと指摘されたことは無かった。もちろん交流級でも。

療育や放デイ、児童精神科にもずっとお世話になっていたけど、やはりどこからも何も言われた記憶がない。書字やノート取り、板書の困難についてはずっと面談等で言ってきたつもりなのですが。 WISCとKABCも受けて書字に遅れが出ているという結果が出たけれど、その時も同様。他の特性からの困り感の方が大きかったということか。

ある程度読み書きが出来ていると軽度の学習障害は見つけにくいみたいなのですが、ヒントやサインはたくさん出ていたのに、もっと早いうちに何とかしてあげられなかったのかと、今とても後悔している。これまでは学校という環境に馴染む、最低限の学習をする、人間関係で大きな失敗体験を避けるといったことにフォーカスしてきたから、これはこれで仕方なかったのかもですが、それにしても何か少しでもできることがあったはずと。

中学校を支援級にするか一般級にするか悩み、グレー児への対応が期待できないというのが大きな理由で一般級+通級を選択した。高校以降の進路も、全日制の昼間の公立にこだわらなければ多様な選択肢があると分かって、少なくとも親は安心している。 中学校では成績は振るわないかも知れないけど、小学校と同様、それでもいい。

3年間、自己肯定感を大きく損なうことなく学校へ行ってくれたらもう十分。もし学校が無理になったらフリースクールやホームスクールもありと思ってる。本音は経済的にも労力的にも負担が軽いので公立中学に通ってもらいたいけれど。 中学時代の3年間をどう過ごすかいろいろ考えてましたが、本人の自己理解と障害受容は自立に向けたひとつのテーマかも。

主治医と相談して、小学校卒業前に息子に告知をしている。手帳を持っていることも。いまのところ本人からネガティブな反応は見られない感じ。 もし本当に軽度のディスレクシアだったとしたら、息子と一緒に支援の方法を調べたり、合理的配慮の求め方を考えたり、息子本人がどうしたいかを考える機会にできたら。

私自身もこれまでは、息子の障害受容や支援先探し、自身の発達障害診断や鬱、休職や転職などでずっと目一杯だった気がする。 息子のことでいくらか見通しがついて、自分のこともまあまあ落ち着いたこのタイミングで向かい合うことができて、これで良かったのかも知れない。

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