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クリストファー・ノーランのバットマンが好き!

クリストファー・ノーラン版のバットマンを1から続けて見ている。


2とか3だけはよく見たけど、通して真剣に見たのは初めてだ。

すると、バットマンたるブルース・ウェインを鍛え3の悪役であるベインも鍛えたラーズアルグールがなんなのか、影の同盟の意志を引き継ぐとはなんなのか、よくわかる。

1で執拗にゴッサムを滅ぼそうとしていたのと3でベインがやっていたことがよく繋がる。

そして、1でブルースの父親が言っていた、そして何度も出てきた「人はなんの為に穴に落ちる?這い上がるためだ。」が3の縦穴の牢獄から出るのと重ねられているのもなんとなくわかる。

1から3まで続けて見ると、2が独立していることが更によくわかる。
悪い意味ではない。もちろん2で起きたことは3にも影響している。レイチェルのこととかハービーのこととか。
でも、2は2だけで見ても面白く見れるくらい独立している。


あと、これは本筋的なことではないけど、2からクリストファー・ノーラン味がしっかりしている。映像のソリッド感もそうだし、BGMもノーラン作品でよく聞くアレになっている。

というか、1のバットマン:ビギンズがCGをたくさん使っていてノーランっぽくないだけかも。
街並みの俯瞰とか、モノレールとかが結構あの時代のよくあるヒーロー映画みたい。
その時代にそれだけ見たらなんらおかしいことは無い傑作だけど、後の時代からクリストファー・ノーラン監督の作品だと思って見ると、映像や音楽にらしさが少なくて新鮮。
ちゃんと面白いけどね!しっかりね!作品としてもバットマンとしてもヒーローものとしてもね!




今までバットマンの良さとか意味不明だったんだけど、クリストファー・ノーラン版のを見続けることによって分かってきた。


まず犯罪と貧困にまみれた街があるんですよ。ゴッサム。
そこに大金持ちの子供がいるんですわな。ブルース・ウェイン。

彼はなんやかんやで両親を貧しい強盗に殺された。あと井戸に落ちてコウモリがトラウマになったりした。
それで大きくなって、犯罪を撲滅するために身をやつしていろんな犯罪組織の末端をやった。犯罪心理を学ぶためにね。

そんなこんなをしている内に、ラーズ・アル・グールっていう人が率いる影の同盟ってのに来ないかい?ってスカウトされた。
そこで戦闘のプロたる忍者集団にあらゆる戦闘方法、心の持ち方とかを教わった。


忍者って煙幕とか小さい爆薬使うじゃん?あれは、敵に「こいつヤバい!見たこともないことやってくる!得体が知れねえ!逃げなきゃ!」っていう不可思議の恐怖を植え付ける演出なんだよって、そういうこともブルースは教えられた。

そんで、いよいよ影の同盟の訓練卒業&入団試験だよって時に、罪人を殺してみせろとかゴッサムを滅ぼすのに協力しろとか言われた。
だからそれを拒否して本拠地を爆破しゴッサムに戻った。


ゴッサムに蔓延る犯罪と戦うに当たって、自分は反犯罪のアイコンになりたいって思った。
で、格闘術と恐怖を植え付ける演出について学んだでしょ?ブルースは。
ブルースにとっての恐怖の象徴って、先述の通りコウモリなのさ。
反犯罪のアイコンはコウモリ。恐怖の象徴のコウモリ。
現代の街でコウモリの仮装してるやつなんて何してくるかわかんない怖い狂人に決まってるじゃん。忍者の煙幕と同じ、演出ですわ。


これがクリストファー・ノーラン版の仮装自警団誕生の理由なの!
伊達や酔狂でコウモリになってるんじゃないの!コウモリを背負う意図と覚悟があるんです!

そしてそこから、アメコミシティ特有の仮装悪党が生まれる理由もあんのちゃんと!


警察が武力で街を守るために銃を持ち始めたら、悪党も銃を持つ。
警官が防弾チョッキを着始めたら、悪党はより火力の高い銃を使い始める。
では派手な演出で犯罪者の恐怖を煽る自警団が現れたら?
当然同じ演出型の犯罪者も出てくる。

バットマンがまず狂ってるんだけど、そういう存在がいるからこそより狂ったヴィランも出てきちゃうんだよって。
そういう理屈付けなんです。



でねぇ…。まだバットマンの話で申し訳ないんだけど、スーツが変わる理由も良いんだよね…。

アイアンマンだったら単純に技術が進化したからって理由でスーツも変わるわけじゃん。
バットマンだったら、こう…

普段は握力増強ハンドとか銃にも耐える装甲とか、整えてるんです。装備を。ちょっと心が強いだけの生身の人間だからね。

でもそれじゃ素早く動けないとか、状況によって不利が生まれる。
重装備すぎて首が後ろを向けないとか。だから軽くて強い素材の装備を発注するんだけど、これじゃ闘犬をけしかけられたら負けちゃうとか。

言ったら、エヴァの装備みたいなものなんです。この装備じゃ水中泳げないよ!みたいな。でも水中でなんとかなる装備で普段使徒とは戦えない、みたいな。


こういう、単純な上位互換スーツが無い所が、良い!
犯罪と戦う為にはどんな状況にも耐えられるようにしなきゃいけないけど、そんなうまい装備は無いから、何かを捨てて何かに特化させる…っていう。そういうスーツチェンジなんですよ。

この都合の良い話がないシビアな中で戦って姿を変えているのが…たまらないよ!!

つって、これはノーラン版のバットマンの話だからコミックではどうなっているのか、何が良くてみんな読んでるのかわからないけど。


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