田舎の地域情報サイトを作っていて感じる情報のあり方
先日、noteでもご報告させていただきましたが、今現在、地元である熊本県人吉市のポータルサイト(地域情報サイト)を作っています。
ウェブサイトはこちら↓
サイトを立ち上げて3週間ほど。
少しずつではありますが、アクセス数も徐々に増えてきており、Xのアカウントのインプレッション数も1000~2000を確保できる投稿も安定してきておりで、将来性を感じています。
![](https://assets.st-note.com/img/1721817611576-9dsZixtkJ3.png)
余談ですが…インプレッション1,000~2,000がどのくらいかというと、フォロワーが5.4万人いる「【熊本県公式】気になる!くまもと」という公式アカウントの平均インプレッションが1,000~2,000程度です。アルゴリズムが変わってから、「フォロワーを増やすこと」よりも「インパクトを残すこと」が重要になってきており、企業や公式の運用の難易度は上がっているなと感じるこのごろです
さて、そんなポータルサイトやXを運営しているなかで、地域情報の現状とあり方について思うところが出てきたので、ぽつぽつと感想を書いていこうかなと思います。
地域情報をオンラインにしっかり残しておく重要性が伝わらない方も多い
前の記事でも、わたしがポータルサイトを作るに至った経緯を書いてきましたが、まず一番の問題点は「情報量が少ないうえに、それらが統合されていないこと」です。
たとえば、観光客がAという寿司屋さんに興味を持ったときに、Aの店舗名や住所はGoogle mapで調べられるのに、営業時間は食べログにしか掲載されていない、もしくはどこにも載っていないなど。
こんなとき、「ほかの寿司屋に行きたいわけではない!Aに行きたいんだ!」という強い熱意のある方なら構いません。なんとしてでも、そのお店のことを調べてくれますし、最悪情報がなくても来店してくれるでしょう。
でも、たいていの人はAに行くこと自体をあきらめてしまいますし、もっと情報量があって「一見でも安心して来店できるお店」を探します。
もちろん中には、「旅先での失敗もいい思い出」と言える旅行強者の方もいらっしゃるでしょうが、大半の方は「一生に一度しか行かないような観光地で素敵な想い出を残したい」のがほとんどのはず。
この観光客の心情がなかなか地元の人に理解してもらえないことを感じています。
・Google mapの情報なんてなくても地元の人は来てくれるから
・お店の前を通れば、どんなお店かは分かるから
・一度行ってみれば、どんなお店かは分かるから
気持ちは分かります。地元の人なら間違いないですし、グルメ巡りが好きな私にとっても同じ気持ちです。
でも、観光客にとっての"1回の食事"と地元民にとっての"1回の食事"の価値の重さの違いを分かってほしいなとも思います。
観光客のニーズを理解した情報の発信を
これに関連してですが、だからと言ってお店に関する情報であればなんでも発信すればいいわけではありません。
たとえば、いま私は人吉市内のいろいろな観光地や公的なパンフレットを集めています。
![](https://assets.st-note.com/img/1721819904444-SqWIkkWN1r.jpg?width=1200)
こういったパンフレットのひとつに、人吉市内の温泉地の情報が書いてありました。
人吉は古くから温泉地として有名で、日帰り温泉ができる場所だけでも20か所以上あります。それぞれ泉質が違ったり、雰囲気も違うので、湯めぐり好きの方にはたまらないでしょう。
さて、この温泉地の情報がパンフレットにはどう書かれていたかというと…
温泉名|住所|電話番号
※詳細は各温泉にお尋ねください
こんな感じ。もちろん、パンフレットの紙面には限界があります。情報量を増やせという話ではありません。
ここでのポイントはニーズに合わせた情報発信の仕方があるのではないか?というお話。
20か所以上もの温泉がある温泉地で、1つ1つの温泉に電話をかけるのは効率的とは言えません。面倒さのほうが勝つ方も多いでしょう。
なにより、地元民以外は住所を見たところで、それがどこにあるのかまったく想像がつきません。そうであれば、地図内にピンでも指した絵を描いたほうがよほど観光客の方に役立つかもしれません。
住所そのものはGooglemapや車のナビなどのマップを使える若者にとっては不要ですし、高齢者にとっても地名だけでは位置が分からないといった形で、個人的には「観光客にとって重要な情報ではない割に、スペースをとる」情報だと考えています。
こうして住所ぶんの空いたスペースに温泉の泉質や、旅館タイプか公衆浴場タイプかなどの雰囲気を書いたほうがよほど「その温泉に行ってみたい」気持ちにさせるのではないでしょうか?
温泉名|泉質|雰囲気|電話番号
実際、わたしの上記の記事では、最初にGoogleマイマップで各温泉地の住所をプロットし、温泉の情報欄では温泉好きの方のために泉質や雰囲気を書くようにしています
![](https://assets.st-note.com/img/1721820849210-mF3N23p4vs.png)
![](https://assets.st-note.com/img/1721820817584-9LX1k1dqj5.png)
※結構気合を入れて書いた記事なので、よかったら読んでやってください
ニーズに合わせた情報発信の仕方は団体・企業によって変わる
さて、改めて話を戻しますと、「観光地のマップや案内を作るときにお客様のニーズを本当に考えたものになっているか?」と考えたとき、少なくとも地方ではそうなっていないものも多いのではないかと考えています。
「どんな情報が重要か」「どんな情報を掲載するべきか」はターゲットとしているお客様の層やニーズによって異なります。
たとえば、有名観光地の近くの温泉だけを、料金やタオルの販売などまで込みで正確に情報量を多く書いて、その他の温泉地はあえて省くのが正解な場合もあります。
これは、その観光地をクローズアップしたパンフレットやウェブサイトを作りたい場合には一つの手段です。
公的なパンフレットなどでは平等にとりあげないといけないため、この手段は難しいかもしれませんが、自社サービスを観光地としてとり上げたい企業のパンフレットなどには向いています。
このように、お客様の層やニーズによって情報を発信する側は情報を整理して発信しなければいけないのですが、それができている団体は非常に少ないのではないかと感じているところです。
…ただ、今のところ、こういったお話しを身の回りに話しても大きなお世話だと言われそうなので、とりあえず粛々と自分のウェブサイトに反映させて、より"良質な情報"をお届けしていきたいと思います。
地方で情報を発信する側にいること
さて、改めて今回のお話しのポイントは2点。
・営業時間や住所など、地域や地域のお店情報をオンラインに残しておくことの重要性が伝わらないことも多い
・観光客のニーズを理解して発信している媒体が少ないのではないかと感じる
これだけ書くと、ちょっと愚痴っぽく感じるかもしれませんが、決して愚痴ではありません。
愚痴というよりは、こうした状況だからこそ、私の作るサイトに価値があるのではないか、もっとわが地元人吉に人を呼べる余地があるのではないかと感じています。
結論としては弱いかもしれませんが、今回の記事はあくまで「地方のポータルサイトを作っていて私が感じたこと」なので、つらつらと思うところを書いてきました。
オチとしての弱さはご容赦ください…
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名古屋市千種区でコーヒーセミナー運営、コーヒー豆・器具の卸売り、直営カフェを運営するnote合同会社の公式コラムです。