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私は宗教2世として生まれた。


親に暴言を吐いた事のない人間が羨ましい。


幼い頃に一度、知恵袋で質問した事がある。
親に暴言を吐いてしまう自分をなんとかしたい
と。

すると、回答欄は逆に私への暴言で溢れ返った。

お前が死ぬべきだろ

親の有り難みが分かってない馬鹿ガキ

ありえない。自立してないからそうなる

当時の私は耐えきれず直ぐに質問を削除した。
今思うと、
まあそんな質問すりゃそうなりますわ。

確かに自立して親に当たる事も無くなったが、
自立したからかと言われるとまた違う気もする。

私は親に対して
この人達はこういう人間なのだ
と、諦める事が出来てから落ち着いたのだと思う。



私は生まれた時から新興宗教に入信させられていた。

私の意思は関係なく入れられていた。

何故なら両親は出会う前からそれぞれ別の過程で同じ宗教に入っており、
そこのお見合いで結婚したからだ。

私の名前は教祖のおばさんに決められたらしい。


小さい頃から謎の御守りを持たされ、
毎日朝晩6:00
神棚に向かって 特定の文言を唱え、お祈りする様に教えられてきた。

両家の祖父母、母方の従兄弟も全員入信済み。
母と父はその宗教施設で働いていた。


ご存知だと思いますが、宗教一家が裕福になる事は一生ないです。

何故ならそこで働いても宗教への奉納金として、給料の半分以上が吸い取られるからだ。


例えば、母は毎週5日 朝の9時から夕方18時まで
その宗教施設でアルバイトをしていたが、
月の給料は4万だと言っていた。

後にそれを聞いた私は絶句したが、本人は1ミリも不満そうでなかった。

他にも 神棚、神棚交換代、車や家を買えばお祓い代、年会費、先払いの墓地費用など
到底理解出来ない出費が沢山あったようだ。



父が働いてる間 母も週のほとんど働きに出たり
宗教の勉強会へ行ったりして家を空けていたので、
幼い私は寂しくて玄関で大泣きして 隣のおばちゃんが心配して飛んできてくれたりした事が結構あった。(おばちゃんありがとう)

私も週に1回その施設へ連れて行かれ
数時間、宗教の教えを聞かされていた。

母が読み聞かせてくれたのも全てその宗教に関する本であった。

私はなんの違和感も持たず、熱心に宗教の教えを学んでいた。


小学校6年生のある日、私が両親に不信感を持ち始める決定的な出来事があった。


当時私は学校でいじめられていた。
まあ小学生の頃なんて正直いじめられた経験のない子の方が少ないと思う。
しかしまだ精神的に未熟な子供とって、かなりのストレスである。

男子に頭を殴られたり、飛び蹴りされたり、給食をぐちゃぐちゃにされたりした。

毎日 いじめられなくなりますように、明日は幸せに生きられますように
と神棚の前に座りお祈りした。
今日は変わってるはず、明日は変わってるはずと登校しても何も変わる事はなかった。


何度お祈りしても変わらない毎日に苦しくなり、同性である母親に相談した。
ただ暴力を振るわれている事だけは、親が悲しむと思ったので話さなかった。

「お母さん、私いじめられてるの。明日学校に行きたくない...」


母は口を開きこう言った。


「え?そのくらいで何言ってるの?言い返しなよ!」

お〜、え〜?そうきたか〜...
頭がクラクラした。
親だから心配してくれるなんて考えは甘すぎた。

後に分かったのだが、母も私もASD(アスペルガー)を持っていたらしい。
特に母は本当にデリカシーがない。
何も考えずに思った事をそのまま発言するので、それが原因で幾度となく喧嘩をしてきた。


私があまりにも学校へ行きたがらないので、
当時宗教の仕事で単身赴任中だった父と母が
電話で話していた。

「◯◯、パパが電話代わってだって!」

父だったらもしかしたら良いアドバイスをくれるかもしれないと思い、母から受話器を受け取る。

「もしもし?◯◯、いじめられてるんだって?ちゃんと神様にお願いしたのか?」

してるよ、でもしても変わらないんだって...

「お願いし続ければ絶対に良くなるから!お祈りが足りないんじゃないか?」

...


あれ?私って誰に頼ればいいんだっけ?

急に、自分の味方が誰もいなくなった様な気持ちになり涙が止まらない。
両親はわたしが何で泣いているのか分からないようで困惑していた。

「パパ◯◯に何か言ったの!?」

「いや別に変な事は言ってないんだけど...」

それから両親に相談する事は一切なくなった。
というか、人に相談すること自体が無駄だと感じて、頼ったりする事も苦手になった。


省略しますが色々とありまして、
中学一年生から引きこもりになりました。

中学一年生
引きこもりになり、親のパソコンを使い始めたある日
インターネットでふと、その宗教の名前を検索してみた。

すると

◯◯宗教 被害者の会
という2ちゃんねるのスレッドが出てきた。


そこで、今まで自分が信じてきた物が新興宗教だったと知る。
教祖が信者からあらゆる手段を使い、
金を搾取する詐欺紛いな物だという事も理解した。

そして、信者の中で最も搾取されるのはそこで勤めている人間、すなわち両親だった。

上司から酷い暴言を吐かれたと、父はよく愚痴を溢していた。

退職金は貰えない、安い月給、どれだけ酷い扱いを受けようと、信仰心が強い為辞めることはない。
一番都合の良い人材なのである。

それを知った私は急いで両親に必死になって説明した。

「お母さんとお父さんが入ってるのは新興宗教って言って、お金をひたすら取られるだけの詐欺みたいな物なんだよ!」

「見てよこの記事!ここの神様は創始者のせん妄から生まれた物で、神様なんか存在しないんだよ!早く抜けようよ!」

父と母は驚いたような、呆れた顔をした。


「はぁ...なんでこんな子になっちゃったのかね〜...」


「ママ、◯◯と1回病院 行ってみたら?」



何で分かってくれないんだと何度も泣いた。
私がおかしいのかも知れないと一瞬考えたりもした。
父と母が信じているのは神でもなんでもない、
愚かで貪欲なただの人間だ。



そこから母への暴言が増えた気がする。
父は怒ると怖いので母に対してだけ。


喧嘩した時に、この人達には何を言っても無駄だと思うと
言語化出来ない、どうしようもないやるせなさが押し寄せてきて暴言を吐いてしまっていた。


両親には沢山迷惑をかけたし、裕福ではないのに私に好きな事をやらせてくれたり、物も不自由がないよう一般家庭くらいには買い与えてくれた。
大好きだし、感謝している。
だからこそ、宗教を抜けさせたいという思いが強くて どうすれば良いのか分からなかった。



宗教を信仰している者は、無神論者とくらべ幸福度が高い。

そういった記事を見た。
今は両親がそれで幸せならいいと思っている。

父と母の人間性は大人になって大分理解出来たし、
彼らなりに私の事を思ってくれていると考える事にした。

もう施設に行ったり、お祈りをする事はないけど、両親が悲しむなら看取った後に脱退するのもありかなと思っている。
というか未だに抜け方が分からん。

あまり人に話せる事ではないので、ここで吐けてスッキリしました

自分の境遇と向き合う事って凄く難しいですね。
正解が分かりませんが、私なりの答えを出して生きていこうと思います...

読んで頂きありがとうございました。


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