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難破船が辿った2つの結末からわかる3つの力
僕がここで伝えたいのは、
私心なきリーダーシップと教え合うことで得られる平等の心、ただ助ける
この3つが困難な状況を打破するためのチームづくりに必要だということです。
1 2つの難破船が辿る興味深い結末
今回登場するのは、インヴァーコールド号とグラフトン号という難破船だ。両方とも同じ地域で同じ時期に遭難しているのに、出会わなかったそうだ。
前者は、難破から19人逃れ、最終的に3人生き残った。後者は5人逃れ、5人が生き残った。大きな差が出たのはなぜだろう。単に前者が母数が多すぎたらかでしょうか。
インヴァーコールド号の場合
こちらの船では、船長が利己的であったことが19人生き残ることにつながらない原因だと考えられている。というのもこちらのグループは怪我をしたり、遅れてしまうと見殺しにされてしまう。また、分裂を繰り返し、大きな団結力が養われなかったそうだ。なんとも厳しい環境だ。
もし、そんなチームにいたらどうだろうか。心は余裕がなくなり、ギスギスした雰囲気が流れるでしょう。とてもその場にはいられませんね。
また、一説には難破前にいい食事をしていたことが原因で、利己的になりがちになったのではというものもいる。
結果、3人が生き残り、船長は重度の精神障害を負ってしまった。なんとも悲しいことだ。
グラフトン号の場合
こちらは、だれもが平等で、尊重しあっていた。
何よりも決定的なのは
仲間を見捨てないことだ。
彼らの中には初めから足に病を抱えている者がいた。しかし、負担をいとわず当たり前のように助けたそうだ。前者のグループとは初めの時点全く違う考えを持っていたのだ。
そして、最終的には5人全員が生き残った。それに加えて、彼らの一部は難破船がまだあることを知って、自ら危険を冒して助けに行ったそうだ。
ここからはグラフトン号がどうして尊重や平等が作り出せたのかを話していこう。
2グラフトン号のグループの強さ
彼らの強さの原因は主に3つだ。
平等
尊重
助け合い
そもそも、彼らは始めから仲間を助ける意識があった。これはグループ内に安心感を与えたことだろう。怪我をした仲間を気遣ってやれるほど心に余裕があるだろうか。私はできるとは言えない。
だが、それだけが彼らの強さではない。
彼らは全員違う国の人だったそうだ。フランス、ノルウェーなど。それが功を奏したのかもしれない。
彼らは生還を果たしたのちに、こんなことを言っている。
私たちは代わる代わる教師になったり生徒になったりした。こうした新たな関係のおかげで結束は一層強まった。交互に他人の上になったり下になったりすることで、私たちは実際に対等な地位にとどまり、完全な平等が生み出された。
外国語や自分の専門知識を教えあうことで、価値を高め合い、同時に平等を手に入れたのだ。
そして、リーダーの決定だ。これが尊重に当たる。
彼らは民主主義的にリーダーを決めた。しかし、どうだろう。前者の船には船長がいて、利己的な行いをした例がある。リーダーはグループを崩壊させる諸刃の剣に思うかもしれない。
しかし、彼らはリーダーにあることを課した。
穏やかに、毅然とし、秩序を維持する。というもの。
つまり、彼らはリーダーをチームの上司や社長のような立場でなく、もっと身近な仕切り役として任命したのだ。
これは、会社のようなものより、学校の委員会の長に似ているように感じる。委員長も所詮は同年代。威張ったりはしないで、仕切ってくれる。
そして、彼らはそれができる人を任命した。
これが尊重だ。
彼らは他社の能力を認め合うことができていた。だから、教え合い、リーダーを決めることができ、見捨てるべきじゃないと仲間を思い助けることができたのだ。
3あなたが活かせるところ
ここまで、グラフトン号の良さについて話したけれど本質は何だろうか。
つまり、私たちでも生かせることは何だろうか。
私は全部生かせると思っている。
会社でもし自分が上司なら、後輩に違う視点からの意見を求めたり、最近の
若者の価値観を聞いたりする。これをすれば、自然と平等が生まれ上司である自分が助けるように、後輩も慕ってくれるだろう。
自分がリーダーとして働くときも、自分のためじゃなく秩序を乱さず、淡々とこなすことを意識すれば、効率もあがり、尊敬もされるだろう。
この難破船の話の本質は
コミュニティは助け合いから始まる平等と尊重が重要な要素であるということだ。
こんなことはわかっているとも思うだろう。しかし、意識しなければ忘れてしまう。後輩にそれくらい自分でやれと思ってしまったり、無意識的に自分のほうがあらゆる面で上だと思ってしまうこともあるだろう。
けれど、自分が助けることから始まる助け合いや尊重はあなたをより人として成熟させるだろう。そして、どんどん知識や仲間が増えて、強くなっていく。
そうなれば、あなたも船が難破しても仲間がいれば助かるかもしれない。
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