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土鍋で鯛めし

ニューヨークのど真ん中マンハッタンにWegmansができた。東海岸で人気のスーパーマーケットで、新鮮な野菜や鮮魚はもちろんのことプライベートブランドも充実している。大人気にも関わらず、マンハッタンにはなかったのが驚きだ。

これだけでもニューヨーカーは大喜びなのだが、なんと、豊洲直送の鮮魚コーナーまでできた。sushiが大好きなニューヨーカーだ、豊洲直送と聞けばブランド価値もわかるだろう。切り身も売っているが、透明な目をした艶々な魚がそのまま丸ごと手に入るのはとてもいい。自分で捌くもよし、その場にいるプロに捌くのを頼むことだってできる。

せっかく来たんだから!と思って、小さな鯛を一尾、3枚下ろしにしてもらい今夜は鯛めしにすることにした。お米3合と白だし、鯛の身とアラも骨も入れて、土鍋で炊く。日本が大好きな相棒は、土鍋を3つも持ってるアメリカ人。土鍋ご飯が食べたくなった時は、この相棒の家に行く。

少し焦げついたにおいがしてきたら、ご飯が炊き上がった合図。炊きたてのお米のにおいと丸みのある魚のにおい。蓋を開いたと同時に鯛と目があった。土鍋とお米と、一尾の鯛。なんて訴求力のあるビジュアルだろう。

蓋を開けた印象とは裏腹に、魚の出汁がやわらかくご飯に染みて、なんともやさしい味。おこげのところは甘味が増してよりおいしい。さらに小骨を気にしなくていいのは、相棒には高ポイントだった様子。大成功だ。

お祝いでもないのに鯛めしだなんて、なんて豪華な平日だろう。大満足である。

しかし、鮮魚コーナーにイナダがいたのを忘れてはいない。ということは、冬が深まればニューヨークで丸々と大きな鰤を見ることも叶うのかもしれない。そのときは一尾迷わず買うのか、切り身を買うのか、見て見ぬ振りをするのか、どうしたらいいのだろう。今から考えておかないといけない。


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