見出し画像

本を出版するメリットを考える

そもそもの本の強みとは

みなさんこんにちは。
東京の出版社・編集プロダクション(株)ジー・ビーの瀬戸と申します。

以前は、このnoteで所属していた東京JCに関する情報を発信していましたが、今回から、著者(になりたい人を含む)と出版元との情報ギャップを埋め、お互いにメリットのある出版環境を作りたいと思い、本業である出版にまつわる情報発信をしていこうと思っています。
これから出版を考えている方に有益な情報を提供できれば幸いです。

ということでさっそく本題ですが、そもそもなぜ、著者(個人・団体)は本を出版するのでしょうか。

多くはPRのため、という答えを考えると思いますが、事によっては数百万から一千万ほどの投資をすることになるものなので、もう少し粒度を細かく考えていきたいと思います。

士業の方だと、本を出版する事で信用を得るため、という答えが多いという印象です。
それ以外の職業だと、研究者の方も、信用を作るため+ご自身の研究成果の発表の場の確保、というものも多いです。

しかし、信用を得るため、ということであれば、他にも方法があります。
研究者であれば論文発表や特許、士業の方であれば具体的な実績、経営者も社名を挙げての事例、そして究極的には上場というのも、実績作りとしては大きい効果があります。

それでもなぜ多くの人が本を出そうとするのか。
結論としては、かかる時間とコストを考えると、上記のいずれよりも、出版という方法が最もコストパフォーマンスが高いから、と言えます。

他の信用付与の手段と出版を比べてみる

では、具体的に他の手段と出版を比較してみたいと思います。
下記にて、主な媒体における信用度とノウハウの相関を考えました。

論文よりも書籍の信用度を高くしたのは、書店に並び社会に認知される量とリスクを考慮しました

今回検討している書籍は、主に商業出版を指していますので、お金をもらってコンテンツを売っている以上、内容に対して大きな責任を伴います(内容を撤回する=回収となりますので、容易には撤回できません)。
しかし、それだけに世間に与える信用の度合いは高いと言えます。
しかも、特許と取得するには独自かつ高度な技術・ノウハウが必要ですが、書籍化自体(特に一般書の場合)にはそれほどの水準は必要ありません。

また、上図には書いていませんでしたが、コスト面に関しても、上場する場合は何億と費用がかかりますが、出版は最大でもその1/10以下で済みます。
特許よりは費用はかかりますが、費やす時間や必要なハードルを考えると、やはりはるかに費用対効果が高い信用付与手段と言えると思います。

各信用付与手段と費用・難易度の比較

出版におけるハードル

相対的には費用対効果が高いと思われる書籍の出版ですが、その実現には高いハードルがあるのも事実です。
具体的には、

  • 原稿を完成させる

  • 獲得する信用度の定量化

  • プロモーションのノウハウ不足

が挙げられます。
最も多いハードルは、原稿を完成させることで、たとえライターにヒアリングしてもらい原稿を書いてもらったとしても、最初に本の構成を考えなければならないため、費用のかかるライターを雇うまでにも、心理的なハードルは高いと考えます。

次に、本を出すことによるメリットをどう数値化するかというのも、多く見受けられるハードルです。
それなりに費用のかかるプロジェクトなので、おおざっぱにPR・信用獲得のため、と言っても、それが具体的にどのようなメリットにつながるのかを数値化できなければ、なかなか踏み切れないものだと思います。

また、上記のハードルをクリアしたとしても、自費出版で出版した場合、それをどのように広めるのかも、高いハードルです。
商業出版の場合は、出版社がリスクを負うため、積極的に広報活動をする場合が多いと思いますが、自費出版で出した場合は、そのようなサポートはありません。
自分のできる範囲以上の広報活動をしたいがために出版を考える人も多いと思われますので、どのように情報発信ルートを作っていくかも、重要な課題です。

さいごに

これまで、本を出版する意味合いと、出版するハードルについて考えてきましたが、これらのハードルを解決するのが、出版社(と編集者)のサービス・機能だと、私は思っています。

きちんとしたクオリティの出版を考えた場合、なかなか敷居が高いと思われている出版ですが、誰でも気軽に、高品質の本を出版できるような環境・プラットフォームづくりを実現していきたいと思っていますので、これからも発信を続けていきたいと思います。

こういうことを書いてほしい、というリスクエストがありましたら、お気軽にお寄せください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?