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265.ハロー・キティちゃんはね、「著作権広報大使」なんだよ!

1.サンリオキテイちゃんが著作権侵害で訴えられた!

 

2008年5月15日のこと。当時の日本は『冬のソナタ』から始まり、韓国ドラマブームが続いていた。

当時、テレビドラマで大ヒットを飛ばしていた『宮廷女官チャングムの誓い』『チュモン』『ファン・ジニ』の版権を持つ韓国KBS、NBC(地上波放送局)と製作及びキャラクター事業代行3社が、ソウル中央地方検察庁へ、ハローキテイの韓国事業権社であるサンリオ・コリアとキャラクター代行・デカリオを相手に、商標権侵害と不正防止法、営業秘密保護に関する法律違反などの疑いで告訴した。

今、サンリオのデザインしたハローキテイは日本全国のご当地キャラクターとし各地の特色を活かしたキャラクターに変化している。

キャラクター自体は変わらないが、衣装であるとか、地消地産の名物を模ったりと演出効果によるご当地キャラクターとして愛されている。

最近では映画のイメージなどを取り入れた新しいキテイちゃんなども登場しはじめ、今大人気の韓国ドラマのキャラクターを販売し無断で使用しているとして損害訴訟を起こされた。

また、この訴訟で注目されていたのは損害賠償額の大きさでもあったが、なんと、2月の段階で億ウオン、検察捜査により収益規模が明らかになれば、追加損害賠償額が100億ウオンを超えるともいわれていた。

サンリオ・コリアとキャラクター事業代行のデカリオは、2004年からネット販売や全国免税店などを通して、人形やチャングム携帯ストラップ、ハンカチ、チュモン・ソソノボールペンなど種類の商品を許可なく販売していた。

サンリオ・コリアはそれを黙認していたとして告訴対象に含まれたという。

キテイちゃん商品は、現在世界数カ国で毎年約1500億円の収益を上げ韓国で年間億円から100億円の収益を上げている。

今やミッキーマウスとともに世界的なキャラクターとなった。

そもそもキャラクター本体は変えず、衣装や髪型、持ち物やイメージ利用によって何にでも変化させてしまうというのは、キューピーちゃん人形も同じ、最近ではケンタッキー・フライドチキンのカーネル人形やペコ・ポコちゃん人形なども衣装によって変身させている。

もともとの発祥は日本だが、年ぐらい前だろうか、漫画家長谷川町子さんのサザエさんと漫画家赤塚不二夫さんのバカボンパパを合体させた「サザエぼん」ドラえもんとバカボンパパを合体させた「ドラェぼん」などの合体キャラがその走りといえる。

しかし、それを作った関西の業者は最終的に著作権侵害で大量の返品と在庫を抱えて倒産してしまったという経過がある。

しかし、この場合は関西の業者の著作物ではなく他人の著作物との合体キャラクターだったため侵害行為となったが、キテイちゃんの場合はれっきとした著作権者であり、他人のものは衣装とか小物にすぎない、あとは他人のイメージ利用である。

韓国の裁判所はどう最終判断を下すのか注目が集まっていた。




2.韓国でハローキテイちゃんが勝訴した


2008年月4日。ソウル中央地方裁判所は訴えを起こした原告の敗訴の判決を下した。同裁判所の争点は、ハローキテイのキャラクターが人気ドラマの主人公を想像させる衣装を着ている点などが無断使用になるかどうかという点にあった。

同裁判所は「著作権を主張するには、その人物の個性がなければならない」とし、『冬のソナタ』の主人公が着ていたコートやマフラーだけでは、著作権は発生し得ない」と判決理由を述べた。
さらに、チャングムなどに関しては「実際の俳優の外見と、キャラクターが韓国の伝統衣装を着ているイメージでは、受け取られ方にあまりにも差がありすぎる」とし、「実質的な類似性は認められない」とし韓国経済新聞が伝えた。

つまり、著作物は比較対象して「混同を生じるかどうか」「似ているかどうか」「類似性があるかどうか」という点に於いてすべて該当しない、ということだ。

購入する人々はチュモン人形を買うのではなく、キテイちゃんを買う。
キテイちゃんがチュモンぽい、ヨン様ぽいから買っているのであってまったく異なる異質の著作物だということは誰にでもわかるということ。

おそらく韓国側はテレビドラマがヒットした便乗商法だと解釈したことと、売り上げが伸び続けるキテイちゃんに対しての不満などが積もっていたのだろう。



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