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中国に来るペーペー日本人を迎える側になって

私の場合、中国に来て1ヶ月経たないうちにコロナが始まり、気づけば既に3年が経ちました。やべーな。
自由に移動できず、中国語もろくすっぽできないままで、その時間が経った感覚が正直あまり無いです。やべーわ。
そして先日、コロナ緩和で日本からも中国に入りやすくなったことで、日本人のお客さんがいらっしゃいました。その時初めて、その過ぎた時間を実感することになり。


仕事上の気づき

自分のできなさを痛感

私は会社で日本人が他にいない環境。普段は仕事が甘い中国人と接していて、そこよりも上だという慢心があった。自分より上となる人がいなくて下ばかりで、上に追いつけ精神が無いに等しい(≠やりたくない)。現実的にその環境が難しい。社長も結局中国人なので、中国でのビジネスはできる方だろうけど総合的に見て日本人新卒の方が優秀だとよく思う。なので、日本人がいると差があらわになり、ああ、ここもっとこうしないとダメだなあ…。というのが出てくる。お客さんも言いはしないけど、そう不出来さをわかっていたと思う。

ビジネス日本語が使えなくなっている

社内で同僚に日本語で話すけど、社内と客先で言葉遣いは違うもの。私は直接のやりとりが普段無いので、客先に使う咄嗟の言葉遣いが荒い。「〜なもの」を、「〜なやつ」とか。いい歳こいて恥ずかしい…。
ちなみに営業の中国人同僚らは、社内用丁寧語と客先用丁寧語の使い分けができない。「(客先にはできてるわけだし教えて混乱させるのもなあ)」と、そんなに私にうやうやしくしなくていいのになと思いながら日々尊敬語を浴びている。

知識の土台が共通なので、一歩突っ込んだ言い方ができる

これはいい部分。日本で生活したことがないとわからない知識、ニュアンスとかジョークとか、私は普段は使えないので諦めている。基本的にウィットな冗談は通じないと思った方がいい。真面目に真っ直ぐ受け取られてしまうので。
当たり前だけど、日本人とはやはり会話がスムーズ。中国人同僚相手だと、同じことを3回~5回言ってやっと内容が伝わることが多い。一度ですぐ伝わるのは快適。同時に、お客さんがその調子で弊社の中国人に話して、理解されず繰り返し説明するシーンもたくさん見た。

日本語の日本語通訳

海外で働く日本人がみんな経験するやつ。お客さんが日本人相手に使うような言い方や言葉を、噛み砕いてやさしい日本語に翻訳する。お客さんは、「自分の日本語が下手で通訳させてしまって…。」みたいに言ってたけど、ネイティブ級にならないと無理だから仕方ない。この翻訳も色々コツがあるので、機会があれば改めてトピックとして書くかもしれない。

中国人のゴリ押し積極性

我の強さで、こっちがヒくぐらいグイグイいく。日本人からすると、正直品が無いとも言えるレベルで…。よくやるなとお客さんと見てた。
展示会で、ブースの人が「サンプルは渡せない」と言っていたけど、うちの上司は粘り強く話しかけて交渉して、3度目くらいで貰っていた。
私「よく貰えましたね、向こうは何度も断っているようでしたけど。日本人だったら一回でやめますよ」
上司「えー、それじゃあ本気じゃないみたいです。本気を見せるために何度もやります。」

はえ〜 根本的な考え方が違うんだな。日本人は、相手に迷惑かけちゃいけないと思ってやめる。中国人は商売上手っていうけど、こういうとこは見習わないといけないのかも。

四声の間違いが許せない

中国語は、アクセントが変わると単語の意味が変わったりする。いうても私も四声ちゃんと言えてないのがほとんどだけど、お客さんが「ナーリー(nàlī)って言うんでしょ?(笑)」と言ってた。気持ちわる!!! 言わない!!
多分「どこ(哪里 nǎlǐ)」を言ってたんだろうけど、それでもないし、「あっち(那里 nàlǐ)」でもない。
二声で一声になれちゃうことを 気持ち悪いと思ううちに 少しのズレも許せない せこい人間になってたよ


文化上の気づき

お客さんは中国にそんな馴染みがあるわけではない方々。なので、3年前の私のよう。

高鉄は新幹線ではなくて飛行機です

多分、日本の新幹線のように駅行ってパッと乗れるものだと思っている雰囲気だったので、希望の日時に乗りたかったら、2週間前に予約すべきなことを伝えた方がいいと上司に言った。基本全席指定で、荷物検査もあるから飛び込みで乗れないし、飛行機の感覚の方が近い。

「中国のお茶って甘いんですか?」

はい来た。いらっしゃいませ。あの道はいつか来た道。買ったペットボトルのお茶が甘かったようで。何も知らないとヘブアッ!てなるよね。一応無糖の茶のも知っているんだけど、私はブランド名で覚えていないし、言えても相手の日本人が理解できないと思うので「サントリーのは大丈夫です」と言うに留めておいた。でも、サントリーでも甘いものはある。

「ボク、女子ぐらいしか食べへんのやけど」

ドカ飯の量の多さを見た方の一言。わかる。中国、全ての飯量多いよね…。残すことが日本人は罪悪感あるけど、中国は当たり前に残すから食べ切れなくても大丈夫です、とは伝えた。でも、残る量が一人前以上になるくらい多いよねえ…。もっと少なくていいと思う。

電動バイクの安さ

日本でも今流行っているらしいですね。え、15万円もすんの。中国だと、私も詳しくはないけど3万円くらいのはず。それを聞いたお客さんはえええ!!!と叫んでた。追い討ちをかけるように電動シェアチャリの話をする私。大体15分で40円くらいです、と言うとまた叫んでいた。
一応私がわかってる範囲内で説明すると、電動バイクは25km/h以上出てヘルメットいるもので、免許無くてもいけんのかな、電動チャリのは25km/hより下でヘルメットも免許も不要。
鍵かけてても盗まれやすいこと、帰国の時に持っていけないことなどから、私は普段シェアチャリの方を使っています。

ランチタイム守って!!

日本だと自分の好きな時間に昼休憩取ったりするけど、中国だと12時からと決まっていたりだし、習慣としても日頃から12-13時をしっかり守りがち。
仕事をキリいいところまで終わらせてから、と日本側は思ってるんだろうけど、ランチ後に昼寝する習慣も相まってか、わかりやすくみんなの集中力が落ちてきます。日本の良くないところの一つ、「始まる時間は守るのに、終わる時間を守らない」のパターン。
弊社は定時後の残業も『ちゃんと食べないとちゃんと仕事できない』という考えのもと、20時ー20時半は晩飯時間扱いで残業がつきません。日本だったら「ごはん食べてる暇があったら早くやらなきゃ!!」だよね。
大抵みんなその前に定時で即帰るけど。なので、定時からダラダラ伸びるのもダメ…。やめて…。残業代ついたとしても、定時で即帰りたいのが中国人。


総括

もう自分は、日本の感覚だけじゃないんだなという気づきを今回認識した。持っていたものに初めて気付いたという感覚。
どっちの考えもわかるようになって、ちょっとハイブリッドになったかな…。
こっちに合わせろや!という方法だけでなく、双方の「なぜそうするのか」の背景(これ大事よ)を理解できるようになったので、そこを汲める折衷案を提案できる立場になっているんですよね、いつの間にか。これはちゃんと出して使わないといけないスキルだなと。
ところ変われば文化も変わるので完全な正解は無いと思うけど、もういつの間にか非ペーペーだと今回認識できたのは大きい。いい塩梅でコーディネートしていければいっすね。皆さんの参考にもなれば。

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