【読書】「インデペンデント・マインド」を読んで

1、自分の努力不足を痛感
珍しいことに、この本を読んで最も心を動かされたパートは、あとがき、です。それはおそらく、著者がターゲットとして想定している読者層(おそらく小学校高学年~中学生)から私が外れてしまっているからかもしれません。そして、著者の実体験の方が、私にはよりリアルに感じられたのだと思います。
この著者の方は、イェール大学 → マッキンゼー → ハーバード・ビジネススクール、と誰もが眩しく感じるような経歴の方。その方が「自分と、同級生との間の圧倒的な差(遅れ)を取り戻すために、空いている時間は自分の思考の幅を広げるために様々な本を読んだ」と書いてありました。私が彼を追い越して、有能な人間になりたいわけではありませんが、さて、私と彼の間にある差と、彼と世界のトップ層との間にある差、これは定量的には計測できませんが、歴然とした差があることは間違いありません。彼のような人ですらしている努力を私がしなかったら・・・自分の努力が圧倒的に足りないことが良く分かりました。自分のスキルや経験を、世の中をよくするために活用したいと思うのであれば、まだまだ努力が足りていないのです。
特に、今の会社で働くようになってから、目の前のことや会社のことばかりに気を取られて、幅広い視野でのインプットが全く足りていません。BGC日本の元社長の堀さんの本では、ジャンルは「軍事、歴史、生物、哲学」割合は、4:3:3=ビジネス:小説:その他、とありました。これをもとに自分の見識を広げられるようにしたいと思います。

2、Critical thinkingの強化するには
日本語で批判的思考といいますが、なんでも鵜呑みにせず、本当にそうなのかと立ち止まって考えることが非常に重要なのは、誰でも賛成すると思います。ただ常にそうできているかという問い対しては、回答に窮してしまいます。
今の仕事になってから、この思考力をさら強化する必要性を日々感じています。上の人がそういったら、そう思ってしまったり、誰かが自信をもって話したら、それをそのまま捉えてしまいがちです。さらに、一瞬で「いや、おかしいな」という違和感を持てるかどうか。この二つが私にとって大きなチャレンジだと思います。
では、どうすれば強化できるのか?まずは、毎日、新聞の記事から考えることから始めてみたいと思います。本当にそうと言えるのか?反対意見を述べるとしたら、どういった論点か?どういった想定があるのか?この意見をサポートするには、どういった情報が必要か?等を5分間で論じてみる。この3週間の休みで挑戦したいと思います。

3、人として、どうありたいか
私が受け取ったこの本での重要な問いかけは「結局、あなたはどんな人になりたいですか?」という質問だと思います。私自身、過去の様々な経験や特にMBAを通じて、「こういう人でありたい」という意思が強くなりました。果たして、そういった人に近づけているのか?日々の行動は、私の“なりたい人像”に近づいているのか。できている日もあれば、ボロボロにダメな日もあります。そんな弱いところも律しつつ、できているときの方が多くなれるような日々を過ごしたいと思いました。

ちなみに、本編の内容としては、個人的な感想ですが、しっくりきませんでした・・・(ネタバレ注意)理由としては
A、 ストーリーが不自然
文学作品ではなく、Critical thinkingやPyramid Principleの紹介をするのが主目的なので仕方ないとは思いますが、例えば、両親や親友が亡くなってしまったことに対して、あっさり。魚界ではそれが普通なのかもしれませんが、食べられてしまったことがあまりにあっさりすぎて、そのあとの展開についていけませんでした。
B、 対象者の小学校高学年~中学生だとすると、設定とイラストが稚拙すぎる
内容からして、上記がメインのターゲット層かと思いますが、中学生の教科書では「走れメロス」を読んでいるような彼らが、魚の登場人物と可愛いイラストにどれだけ興味を示し共感するのかな・・・私は小学校高学年の時には、ドラマを見て友達と話してたくらいですから、「これは子供向け」と思われてしまうのではないかと。もう少し大人な設定の方が、対象者を大人と対等に扱っている作品となり、もっと読まれるのではないかと思いました。

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