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きっちゃんのつぶやき「ほめることは、親の価値観を伝える行為です」

 今日3月3日は、ひな祭りです。ひな祭りとは、平安時代の京都の風習だった子どもの無病息災を願う上巳の節句(じょうみのせっく)と、ままごとの遊びが江戸時代初期に融合し、女の子のお祭りになったと言われています。ひな祭りという呼び名は、小さな人形で「ままごと遊び」することを「ひいな遊び」と呼んでいたのが語源だそうです。また、ひな祭りのことを別名で『モモの節句』と言いますが、それは当時の旧暦の3月3日は、現在の4月上旬にあたり、ちょうどモモの花も開く頃だったからだそうです。

 さて、東京大学名誉教授の柳沢幸雄氏は、ほめることは親の価値観を伝えることだと言われています。「ほめる」ことと、「課題を与える」ことの繰り返しが、子どもを伸ばすポイントだそうです。子育ては、自分が受けてきた子育てを、そのまま子どもに行えばよいと考える人もいるかもしれません。

 しかし、子どもたちが社会で働くようになるころには、グローバル化がもっと進んでいるでしょう。ニューヨーク州立大学大学院 キャシー・デビッドソン教授は、「2011年度にアメリカの小学校に入学した子どもたちの65%は、大学卒業時に今は存在していない職業に就くだろう」と予測しています。オックスフォード大学 マイケル・A・オズボーン准教授は、「今後10~20年で約47%の仕事が自動化される」と予測しています。

 柳沢氏は、アメリカの子どもたちを見て、一番驚いたことは、どの子どもも“自信満々”に“積極的”に発言することだったそうです。なぜ、アメリカの子どもたちは、積極的に発言できるのか。柳沢氏の答えは、「ほめられて育っている」からだと言います。ただし、ほめることと甘やかすこととは違うとはっきり断言したうえで、ほめられるから自信を持つ。自信を持つから発言できると著書「ほめ力」の中で述べられています。

 確かに、小学校低学年の頃は、「この問題がわかる人」と先生に言われると、ほとんどの子が、「ハイ!ハイ!」と手を挙げますが、中学生くらいになると、あまり積極的に手を挙げません。この傾向は、大人になるほど強くなります。これから子どもたちが飛び出す社会では、「あうんの呼吸」は通用しません。子どもたちを「発言できる子ども」にしていかなければなりません。

 子どもが何かを話そうとした時、いつも「言っている意味がわからない」「今忙しいから後にして」と言わず、「おもしろいね!」「上手に言えたね」などと、ほめることが大切ではないでしょうか。ほめてもらうと子どもは気分がよくなるので、もっともっと聞いてほしい、もっともっと話をしたいと思うはずです。

 柳沢氏の言われるように、ほめるという行為は、親の価値観や子どもにこうあってほしいという思いを伝える行為です。子どもが赤ちゃんの頃を思い出してください。ハイハイできるようになったり、つかまり立ちしたりすると、「うまいうまい」「上手よ」「その調子」と、自然とほめる行為をされたと思います。

 這えば立て、立てば歩めというのは、最終的に子育ての目的である“子どもの自立”につながります。


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