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踊る!キャリコン面接試験。

キャリアコンサルタント試験は
2日間にわたり、学科・論述・面接の
3つの試験を受けます。

面接試験では試験官2人の前で、
相談者役の方から15分間相談を受けます。

実際のキャリアコンサルティング
(相談者の望む働き方や生き方を考える
 個別面談のこと)は約60分なので、
最初の15分という設定で行います。

わたしはめちゃくちゃ緊張に弱く、
どんな些細なことにも緊張します。

一般の人がMAXで「10」緊張出来るとしたら、
わたしは「100」は緊張出来ると思います。
(ちっとも自慢にならない)

キャリコン試験での緊張のピークが
面接試験でした。

険しい表情の試験官の方々の前で、
傾聴につとめ、相談者に寄り添いながら
問題点を把握していくためのやりとりを
進めていきます。

もしも頭が真っ白になったら。
失言で怒らせてしまったら。
相談者さんが黙ってしまったら。

想像はどんどん膨らみ、試験前日は
ちっとも寝つけないし、当日は食欲が
落ちてごはんを食べるのも精いっぱい。

おそらく面接試験の直前は人生でも
ベスト10に入るほど緊張していました。

もう無理ぃいイイイイイイイイ!!!
と泣きたくなった頃、入室の声がかかりました。

席につき、相談者役の方の第一声に対して
上手な要約が出来ず、あわあわしていました。

でも「ひとり練習」を重ねてきたおかげで
(詳しくはこちら➡キャリコン試験勉強①落語家になろう
意外と会話はスムーズに進んでいきます。

目の端には試験官の姿もチラリと映り、
時折頷いたり、ピタッと動かない時間もあり、
(今の発言、間違ってた?)
(この質問は良かったのかな?)
(あかんあかん!集中せな!!)
と、振り払おうとした頭の中にふと、

(わたし、このまま15分やり切れるかな)

と、不安が浮かんでしまったのです。

そこからたぶん、時計の針としては数秒位
だったと思うのですが、わたしは相談者の
言葉がからだに入って来ていない自分に
慌てました。

(集中、集中、集中)
思えば思うほど、焦りは増すばかり。
どうしよう・・・もう、無理かも

諦めかけた瞬間、わたしの心の中に
眠っていた思いがむくむくと膨らんで来ました。

キャリコンの勉強を始めてから今日まで、
毎日毎日この日を想像して来ました。

どんな相談者役の人と当たるんだろう。
どんな相談内容なんだろう。

ずっと思い描いてきた「本番の日」が
今、この瞬間なのです。

このたった15分やそこらの為に、
わたしはめげてもめげても練習と勉強を
続け、ここまでやって来たのです。

緊張の海におぼれそうになるわたしに
手を差し伸べてくれたのは、
これまで必死で勉強を続けてきた自分でした。

弱気になってどうすんねん!がんばれ!

そして、こう続けました。

あの受験料もう1回払って、
 もう1回この緊張を味わいたいかっ!

(1回で受かりたいですっ!!!)


すると、さっきまで見えなかった目の前の
相談者さんの様子がクリアに見えて来ました。

膝の上に置かれた両手の指先一本一本にまで
力が入っています。
喉が渇くのか、時折、ぐっと唾を飲み込むのが
分かります。
視線は右の足のつま先辺りに注がれ、表情は
硬いままです。

ああ、この人もわたしと一緒で緊張している

そう気づけた途端、肩の力がすっと抜けました。

キャリアコンサルティングは共同作業だと
習ったのを思い出しました。

わたしはこの相談者さんとともに、今、
ここにしかない世界でたったひとつの
キャリアコンサルティングを紡いでいるのです。

ふたりで作り上げたキャリアコンサルティング」を
あの観客の方々に見て頂くのが使命なのです。

15分間で相手役の方の好演を引き出しつつ、
わたしも最高のキャリアコンサルタントとして
この舞台を全力でやり切らなければ、
「観客」にも「相手役」にも失礼ではないか。

わたしはいつの間にやら舞台俳優の気持ち
なっていました。

腹がくくれてからはあっという間に時間は
過ぎていきました。

スーツで15分間懸命に踊り続けたわたしは、
お辞儀をし、舞台をあとにして帰りました。

落語家や漫才師になったつもりで勉強を
続けてきたわたしが、本番になり切ったのが
まさか「舞台俳優」とは。自分でも驚きでした。

合格発表の日までは、「落ちたかも」
「いや、もしかして」「でもあの時ミスしたぞ」
と不安と持ち直しで大忙しの毎日でしたが、
今週無事に合格通知が届きました。

初舞台の点数は満足のいく点とは程遠い結果
でしたが、

ここからが本番やぞ!

と背中を叩かれた気がしています。

自己研鑽の日々の始まりですね。がんばろう。


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