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なぜ献血ルームに24回吸い込まれたか?~友人の死を風化させない献血について~


2011年東日本大震災は、当時16歳の私にとっても
ショッキングな出来事だった。

何かのきっかけで献血を知り
千葉県津田沼の献血ルールに足を運んだ。

当時の看護師さんからすごく感謝されて
時間があれば献血に通い始め2023年現在、
24回分およそ8,600mlの血液を提供した。

思えば
「そろそろ献血解禁の時期だな」
と察して、献血カードを確認し献血ルームに
吸い込まれる不思議な感覚に陥っていった。

※献血実施後は、次回献血まで一定期間(数カ月程度)時期を空ける必要がある。

今回のnoteでは、無意識に献血ルームに
吸い込まれていった理由を3つの視点から
言語化し、紐解いていきたい。

今回のnoteで献血に関心を持つ人が増えたら嬉しい。

1.完全な自己満足

1つ目の理由は、純粋な自己満足だ。
献血をして、自分の血液によって誰かの役に立っていると感じる。

献血ルームで置いてある輸血した人の
感謝のメッセージを読み
自分の献血によって誰かの役に立っているのだと
実感することが出来る。 

ちなみに献血ルームでは下記のような輸血した人の
感謝の声が冊子として置いてある。

引用:ありがとうの声|東京都赤十字血液センター|
日本赤十字社 (jrc.or.jp)

いまこの瞬間で大勢の輸血を必要としている人が
いることを献血を通して鮮明に理解できた。

そして、どこかのタイミングで
私たちの身近な大切な人たちが
輸血を必要とする場面に遭遇するかもしれない。

血液を通じた助け合い・命のバトンを繋げる
その僅かな支えになることが出来る。

私は、善意より、自己肯定感の向上を目的に
献血しているように思う。

しかし、それが究極の三方良しの活動だと
最近感じるようになった。

三方良しとは、近江商人が大切にしている考え方で
買い手よし、売り手よし、世間よしのことで
経営・ビジネスの世界でよく使われる考え方だ。

献血も輸血者だけでなく献血者もそして社会全体
ハッピーになれるという意味で
三方良しの考え方に合致している。

2.無料で様々な恩恵を受けることができる

2つ目の理由として、無料で様々な恩恵を享受
出来るからだ。

まず、通常だと1万円程度かかる血液検査を
無料で献血の翌日には把握出来る。

また献血ルームによっては漫画読み放題や
飲み物、お菓子、アイスなどを無料提供いただける。

献血ルームは広くて非常に快適なので
私自身、献血後、数時間程度カフェ代わりとして
使っていたことがある。

献血へのメリットは下記記事で詳細を確認できる。

献血するメリット5選!意外と知られていない献血すると得られる健康効果が凄い!献血は立派な社会貢献です! (healthfitnessbeautydiet.com)

個人的には、「個人に対する善意への訴え」より
献血対象者に対しての「経済的なメリット」

積極的に訴求した方が献血する人数の増加に
つながるのではないかと思う。

理由として、善意の訴求は先ほどの
「三方良し」ではなく、二方良し(輸血者、社会)
のみとなる場合も考えられるからだ。

もちろん、私のように「自己満足」の域まで
達せられる場合なら三方良しになるが、
そうでない層も鑑みたら、献血することでの
「お得感」をよりPRして良いのではないか。

3.友人の死を風化させない

3つ目の理由は、自分の血液を見ることで
生きていることが当たり前ではないこと
友人の死を自分の記憶の中で風化しないためだ。

2017年10月7日高校時代の先生方、大切な友人たちと飲んでいた。
終電があるため、友人Mのみ先に帰っていった。
「また半年後に飲みに行こう!」と話した数時間後に
彼は車に跳ねられて、頭の打ち所が悪く、10日後に帰らぬ人となった。

今でも、彼が生きていたら思う存分人生を謳歌していたと思う。

友人の死から、いまこの瞬間生きていることは
到底当たり前のことではなく
奇跡の積み重ねと感じる。

しかし、現実は日々の生活に追われて
そのようなことをじっくり考える機会は少ない。

だからこそ、献血が当たり前でないことを考える最高の機会なんだ。

自分の血液を確認する。
400mlの血が輸血パックにためっている所を見る。
自分の心臓が動き、血が巡っていく
そして自分の血液が必要な人に命のバトンを
繋いでゆく。

私の血液を使っていただく「誰か」は
いまこの瞬間に必死に生きようとしている人たちである。

顔も名前もわからない「誰か」に想いを馳せつつ
顔も名前も声もわかる友人を思い出す機会になる。

親しい友人が亡くなった事実を風化させない
彼を知る友人として、彼について思いを募らせ
彼の分まで悔いなく、全力で生きよう
そう思うきっかけになる。

そのような過去の経緯もあり
気付けば10年以上献血ルームに吸い込まれていったようだ。

献血は、自己満足/自己肯定感の向上
献血者に対しても「お得な」活動であること
そして「当たり前な生活」を考える絶好の機会
あることを少しでも知っていただけたら嬉しい。


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