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後ろ髪ひかれる思いでブータンからインドへ陸路国境越え【ブータン・プンツォリン⇒インド・ジャイゴン】

2016/11/13投稿

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早くもブータン旅行最終日。涼しくて過ごしやすかった、ブータンのティンプーから一気に南へ移動して、インドとの国境の町・プンツォリンに行くお話。 [2016/08/01]

この日は月曜日。朝、登校するべく、ゴに着替えた子供たちを見送ってから私たちも出発です。 そう、ブータンでは伝統衣装のゴとキラが制服になっているんですよね。正装もそうみたいで、例えばゾンの中に入る場合、ブータンの人はきちんとゴやキラを着なければならないそうです。ゾンの中で働いている人は毎日着ているということになりますね。

でも学生時代に毎日着ているから大人になっても着方は忘れなくていいですよね。我々でいうところの、高校の制服でネクタイの結び方を覚えるみたいな。そういういうところで伝統がしっかり守られていくんだなと感じます。


この日の朝ごはんには、Mさん特製のサラダをつけてくれました。旅に出てから生野菜を口いっぱい頬張るということがなかったので、こういう心遣いは本当に嬉しかったです。

2日間のお邪魔したSさんのお宅。本当に居心地がよかったです。何よりリビングの窓から見える景色が素晴らしい!目の前にドーンと山が見えるのです。

ブータンの山々で印象的だったのは、雲が山を登っていく様子。この窓からは白くてもくもくとした塊が、ゆっくりゆっくりと山を乗っていく様子を楽しめるのです。突然現れては登山を始める雲たち。この景色、ずーっと、ぼーっと眺めていられます。…いや、ずーっと、ぼーっと眺めていたい!!!これ、極上のリラックスだと思う。Mさんなんかは、リラックスしすぎて隠居生活のようだなんて言っていましたが。…羨ましすぎる。


が、ビザの期限が迫っているのでいかなくてはなりません。Mさん、そしてお母さんとの別れを惜しみつつ、Sさんと一緒に車へ乗り込みます。

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(手前はブータンの役所)

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(山の中をドライブして向かいます。)

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(珍しいサルもいました。)


ちなみにこのブータン旅行、数週間前になってインド側の利用空港が変わっただけではなく、実は、出国の方も心配事がありました。直前の大雨の影響で、ブータン国境のプンツォリンへ向かう道の一部が土砂崩れになり通行止めとなってしまったのです。


数年前にも同じことがあったそうですが、その時はブータンの人たちものほほほんとしていて、復旧までにかなりの日数をようしたとのこと。…そんなんで大丈夫なのか?と他国民ながら心配になります。

現在はその時よりも、生活物資の輸入に関してインドへの依存度が高くなっているという現状があるそうで、ティンプーとプンツォリン(ジャイゴン)を結ぶ唯一の道であるから早めに復旧するんじゃないか…という話でした。ただ、これはあくまで憶測。予定を変更して連泊することも考えたし(が、公定料金が私の財布に重くのしかかる)、飛行機で出国する可能性も考えていました。



が、ラッキーは続いていました!出発前夜に皆でテレビを見ていると、その土砂崩れが起きた場所に橋が掛けられ開通したよ!というニュースが流れたのです!これまでたくさんのチベット仏教のお寺にお参りしてきたことをグル様が見ていてくれたのかもしれません。…なんてね。でも実は、ちょっとだけブータンに長く残れるかもと期待していた部分もあったので、心裏腹残念に思う気持ちも。

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(これが噂の橋)


この旅では移動中眠くなることが多いのですが、この日もいつの間にか寝ちゃってました。
で、起きた時には…暑い、暑い、暑い!!即行で着ていたカーディガンを脱ぎましたからね。ああ、過ごしやすかった愛しのブータンはいずこへ…。いや、ここもれっきとしたブータンなのだけど。 随分と南へ山を降りてきたことがわかります。

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(気温はまさかの40℃!「これ、本当ですかね?」なんて言いながらSさんとケータイで写真をパシャパシャ)


そんなこんなでプンツォリンに到着しました!


プンツォリンの町は、暑さのせいかブータンには見えない…。気温と湿度のフィルターって不思議。そして、インド系の顔の人もたくさんいらっしゃいます。

というのも、ブータンのプンツォリンとインドのジャイゴンは、この2国の人に限って行き来が自由。国境に沿って柵はあるし、一応監視の役人もいるのだけど、ほとんどチェックしていない状態っぽいです。
お酒を入手する選択肢が少ないインド人が、お酒だけ飲みにブータン側にやってくることもしばしばなんだとか。で、飲んだ後はちゃんとインド側に帰るんだって。そこらへんはしっかりしてるんだな、インド人。
…陸続きの国境ってこんなこともできるのかと、島国出身の私には驚きでした。

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(ブータンのチェックポイント)


ブータンの出国手続きを済ませ、インド側に向かいます。

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(ゲートの向こうはインド。でもこのゲートは車専用で人は別の場所から行き来します。)


ちなみにインドの出入国管理事務所は、国境付近にはなくジャイゴンの町中にあります。国境をこえると、やはりそこはインドで!汚い五月蠅いの嵐!久々のインドに心も引き締まり…いや、ビビりまくりほとんど写真も撮れませんでした。

でもSさん曰く、ジャイゴンの人たちは、ブータン人にはしつこい客引きはしないんだって。なぜなら、ブータンではかつてナイフを携帯する文化があり、彼らはブータン人のカバンのなかにナイフが入ってるって知ってるから、とのこと。本当か?

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(5分ほど歩いて到着)


てっきりSさんとは国境でバイバイになるかと思っていたのですが、インドの入国審査まで着いてきてくれたのです。しかも、出入国事務所にはライフルを持った警備員こそいるものの、管理官や管理自体は適当で、お昼食べてるからちょっと待ってねーとか、入国手続きの部屋に普通にSさんが入ってこれたりとか、私の審査中にSさんと管理官と私、3人で雑談したりとか…。本当にこんなんで大丈夫なのかと心配になるくらい適当だった。…というかそもそも国境に事務所がない時点でゆるすぎだよね。

そして、Sさんは宿探しまで手伝ってくれました!さらに、翌日にハシマラという駅からダージリンを目指すことになっていたのだけど、ハシマラまで向かうタクシーまで見つけてくれて…もうブータン旅行は終わっているはずなのに!本当にスーパーガイドさんだ!!


ブータン、出会った人たち、そして国自体の雰囲気、すべてが良過ぎて、Sさんとお別れしたあと若干タクシーで泣いたよね。インドに放り出されるのが嫌すぎて鼻すすったよね。
この5日間、楽しかったし本当に幸せな気分になれたことが多かったなぁ。ブータンにはまた戻ってきたいと本当に思った!…そう、"来たい"じゃなくて、"戻ってきたい"って言っちゃうぐらいブータンの虜になりました。

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