公民科教育における「他者論」
今年度は2年ぶりに倫理の授業を担当していますが、授業を組み立てるうえで参考にしている本の一つが戸谷洋志『Jポップで考える哲学』です。
この本の面白い点は、Jポップの歌詞分析という切り口もさることながら、「自分」「恋愛」「時間」「死」「人生」という5つのテーマを取り上げたうえで、第二章「恋愛」の最後で他者の他者性に言及している点です。
高校の倫理の教科書では、「私とは誰か」といった自己に関する問いや思想は様々なものが取り上げられていますが、「他者とは誰か」「他者を理解するとは