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【読書】「君の悲しみが美しいから 僕は手紙を書いた」若松 英輔(著)
人間が、この世に残すことのできる、もっとも貴いものの一つはコトバである。
コトバは、言語の様式にとらわれない意味の塊を指す。コトバは生きている。喩えではない。大切な人が亡くなる。彼らはコトバとなって私たちの傍らに寄り添っている。
語られることだけがコトバなのではない。悲しむ者の横にあって、黙って寄り添う行為は、ときに励ましの言葉をかけるよりもずっと深く、また確実に相手のこころに呼びかける。沈黙の行いもコトバである。まなざしすらコトバになるだろう。
気鋭の思想家があなたに送る11 通の手紙。
購入してから約2年の月日が過ぎていた。その間に色々な経験を経たので、本への想いも十分に熟していたように思う。実は、この本は2日前に手に取ったばかり。その時はページのほとんどが未読のままだった。
読書は、読み手が持つ時期に左右されることも少なくない。今の自分がどんな本を選ぶかは、読み手の心理状態、経験、生活にも大きく影響を受ける。
悲しみは誰のこころにも宿る。
だがわたしたちにとって大切なこころの痛みに目を向けない人は案外多い。
悲しみをかなしみとして受け入れることができているだろうか。その場の甘い言葉に踊らされて、自分のこころに背を向けてはいないだろうか。
深くかなしむことのできる人こそが深く人を愛せるのだと、わたしたちは胸のどこかで知っている。
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