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【読書】「三行で撃つ」近藤 康太郎(著)

書き手としての態度を作る一冊。
書くいとなみについて、深く考え抜いた人の文章である。

「読者は、あなたに興味がない」
これは冒頭で語られる著者の考えである。誠に辛辣であるが、優れた書き手への深化は、この冷厳な事実を受け止めることから始まる。でなければ、自分の腕は決して磨かれない。

では、そんな読者を振り向かせるにはどうすればよいか。文章の基本を知り、禁じ手を拒絶することである。そして、文章について、言葉について、自覚的になることだ。自覚的とは、心を開くことを意味する。つまり自分の感覚を叩き起こし、全身で言葉と向き合うことである。そのことを基底にして、書き手の態度は醸成されていく。

文書は、奥が深い。
だからこそ、死ぬまで続けていける。
書くとはすなわち、生きることにほかならない。

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