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「細川ガラシャ夫人(上) 三浦綾子」を読んで

明智光秀の三女として何不自由なく育てられた玉子。
十六になった時、織田信長の命令で細川忠興のもとに嫁ぐことになった。女性が政略の道具として使われていた時代に、玉子は真の人間らしい生き方を求めていく。その清らかにして悲劇の生涯を浮き彫りにした著者初の歴史小説。

気高く聡明で、戦国時代随一の美女と謳われた玉子。
元々利発な子であったようだが、それ以上に父母の成熟した人間性が目に留まる。地位が上がろうとも決して驕らず、目下の者にも気遣いを忘れない光秀と夫を支える妻煕子。これぞ夫婦の理想形と呼んでもよいのではなかろうか。

登場人物の言葉遣いがあまりにきれいなので、うっとりしてしまった。さて、下巻に進みます。

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