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【読書】「人生はゲームなのだろうか?」平尾 昌宏(著)

人生は苦しい。
日々さまざまな苦悩に追われ、その都度自分なりの答えを見つけなくてはならない。これはとても大変なことだ。

そんなふうに、自分の身に起こる難題への解決策を模索するなかで、誰かの語る人生論やハウツー本に何かしらのヒントを見つけようとする人もいるだろう。ひょっとすると哲学も、それらと同じような位置づけで見られているのかもしれない。

だが哲学は、人が楽に生きるための薬ではない。
人生の問題をどう解決するかではなく、「人生とはなにか」を根本から考えることが哲学の営みなのである。

「そんなことをして何になるのか」と思う人がいるかもしれない。が、そもそもこの世に「楽に生きられる知識」というものはない。そんな身も蓋もない出発点から「人生とは何か」と考えたい人にとっては、本書は大いに役立つだろう。

哲学は何もしてくれない。なぜなら、哲学は自らするものだから。

「死んだら無」かもしれないし、「実は来世がある」ということかもしれない。でも、はっきり言って、それは死んでみないと分からない。だから、「死んだら無だ」と信じることも、「実は来世がある」と信じることもできるけど、それはあくまで「根拠なしに信じる」だけなのです。だから、どちらかを前提として考えを組み立てることはできない、ということです。

本文より

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