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「車輪の下」ヘルマン・ヘッセ著 を読んで

子どもの心を押しつぶす教育の「車輪」から逃れようとして、人生の苦難の渦に巻きこまれていく少年ハンス。

ひたむきな自然児ハンスは、周囲の期待に応えようと勉強にうちこみ、超難関とされる神学校の入学試験に2番の好成績で通る。だが、そこで始まった全寮制の生活は、どれも規則ずくめで、徐々にハンスの心を蝕んでいった。

子どもの心と生活とを自らの文学へと昇華させたヘルマン・ヘッセの代表的自伝小説。

わたしにもかつて、周囲の期待を生きた日々があった。それはつまり、期待を超えることでしか周りとの関係をうまく築けなかったということだろう。そのなかでも、両親からの期待が最も重いこともしばしばある。

もう少年でないからこそこの作品の味わいがよくわかる、ような気がしている。年を重ねることは、決して悪いことばかりではない。

これは以前から目論んでいることだが、いつかドイツへ行って、ヘッセ縁の地を旅したい。でも、ドイツ語は苦手だから、困った時は「アイラブヘッセ」でなんとか乗り切るつもり。

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