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【気になる生態】 #9 なぜ空中で眠れるのか「ハリオアマツバメ」

眠りながら泳ぐのはイルカ。

眠りながら飛ぶのがアマツバメです。

アマツバメは私たちが夏頃によく見かけるあのツバメとは似て非なるもので、別の分類がされています。ただ渡り鳥で夏頃に日本にやってくるというのは同じ点です。

以前ハヤブサを取り上げた回でも登場したアマツバメに今回はフォーカスしていきたいと思います。

水平での速度が時速170kmという速さを持つハリオアマツバメですが、驚くべき能力が睡眠しながらの飛行ができるということです。

繁殖期以外はほとんど飛び続けていると言われ、餌を捕まえる時も、水を飲む時でさえ空中で過ごします。なんと交尾をする時も空中で行います。

人間に例えるなら、常に走りながら生活しているようなものでしょうか。1日ぐらいならできないことはないかもしれませんね。

同じアマツバメ目のヨーロッパアマツバメはなんと10ヶ月飛び続けたという記録があったそうです。

普通に飛びすぎだろ!!が率直な感想です。

なぜ彼らは飛び続けるのでしょうか。

アマツバメは、生存率が他の鳥類より高いことでも知られています。生涯の大半を空中で暮らす彼らは、陸上や木の上で暮らす仲間と違い、敵の標的になることが少ないだけでなく、寄生虫に感染する確率も少ないそうです。

またアマツバメの足は小さく退化しているので、木の枝や地面に着地することが難しく、爪を引っ掛けてとまることしか出来ないようです。

いつからかアマツバメは空を飛び続けることを決めたのです。

ではどのようにして寝ているのか。

飛び続ける渡り鳥において、睡眠方法はイルカのように脳を交互に休ませていく半休睡眠が唱えられていましたが、近年その考察が変わってきたようです。

アマツバメにもこの自動飛行モードが搭載されているのではないでしょうか。

(滑空中に数秒寝ているという説もあるみたいです)

人間にもできないことを小さな体でできてしまうのは不思議ですよね。

そのおかげで敵に捕食される確率が低くなるため、野生下では20年以上生きる個体もいるということです。

20年もほとんど空で生活し続ける…楽しいのか辛いのか。

最近の研究結果では、渡りの際北海道とオーストラリアを8の字を描くように移動していることが分かったそうです。しかもその距離は地球一周分。驚愕です。

そしてこの小さな装置でよくそこまでのことが分かったなと研究チームの努力にも感心します。いずれはここに小さなカメラなどもつけてどのような目線でアマツバメたちが渡りをするのか等も研究成果として世に出てくるのでしょうか。

めちゃくちゃ見てみたい!

このように戦闘機のような羽で自由自在に滑空しています。

本当に飛ぶことに特化した鳥なんだだということがわかりますね。

飛んでいる際の翼が鎌の形に見えることから鎌燕と呼んでいる地域もあるそうです。

そしてこのようにたくさんのアマツバメを日本で確認できるのは自然豊かな四季があるからなんだと改めて感じます。

渡り鳥が心地よく住むための環境を守り続けたいですね。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました!






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