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長谷川熟成豚

日本でも有数の豪雪地である、青森県鰺ヶ沢。岩木山を望む高台に長谷川自然牧場があります。着いた早々、笑顔で迎えてくれた長谷川社長。
大柄で麦わら帽子が似合う、すこぶる明るくて、優しい人柄。
鶏は広い牧場で放し飼い、豚舎もきれいなので、匂いも全然しないです。

長谷川熟成豚の特徴は、「生きたまま熟成」。
通常、豚は6か月の肥育期間を経て出荷されますが、ここでは10か月まで伸ばすことで、極上の霜降り豚肉が出来、霜降りなのに、脂っぽさはなく、甘みとコクのある豚肉に仕上がる。
その秘密は、餌。抗生物質等は一切使用せず、牧草、地元農家から出る規格外のにんじんを茹で、ジャガイモは蒸して、そこに地元のパン屋さんから出る廃棄パン、正月の役目を終えた門松を焼いて竹炭にし、もみ殻と米ぬか、トウモロコシを粉末にして混ぜた独自の自然由来の餌を食べさせる。
地域の食材を無駄にしないSDGsによる安心・安全の餌。

長谷川さん曰く、"人間の口にするものは、健康でなければいけない。誰もが安心して食べられるように、餌にはこだわっている"
最後に、生姜焼きを食べさせてもらいました。なんと白飯付き。バラ肉でしたが、肉の旨味を感じ、本当に脂っぽくなく、口どけがよく、スーっと切れがいい良質な豚肉でした。

"もっと食べていけよー!お腹いっぱいにして東京帰るんだぞ!"

と、豪快に笑う長谷川社長を横目に、優しいお母さんが帰りの時間を心配してくれる。実家に帰って来たようなおもてなしに、思わず皆笑顔になった夕暮れ時でした。

フランスのワインには"テロワール"という言葉があり、地理、地勢、気候による特徴を指す言葉ですが、そこに"生産者の人柄"という項目を追加してほしい。

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