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「病は気から」と思わせたい話 #未来のためにできること

父が亡くなってすぐ、母がパーキンソン病と診断された。
なんだかいつもと違う感じ、心身の不調などを家族がそれぞれ気づきはじめたものの、なかなか病院に行ってくれない母。
まずは内科(心療も含めた)に行ってみようよ、となんとか説得して出向いてもらい、脳外科、更に神経内科へ紹介されたところで、パーキンソン病と判明。
一家全員、寝耳に水の病名だった。
よくよく調べてみると、あれもこれもとあてはまる症状ばかり。
”あんなに調べてなぜここに誰もたどり着かなかったのか…”
”もっと早く気づけていれば…”
この両方の気持ちだった。

母は、色々思い悩み、気にするタイプなため、とにかく前へ進んでくれないところがある。
ただでさえ父の死で落ち込んでいた矢先。
病名が分かってからも、口ではしょうがないと言いつつも、現実を受け入れるのになかなか時間がかかっていた。
父がグイグイと母の人生を引っ張っていたと思われるので、余計に自分で何でもやっていくことに自信のない時期でもあったと思う。
この病気は、早期発見することで薬の効果があり、かなり進行を遅らせることができる。
母には、”ここで分かってラッキーだったんだ”、と少しでも楽観的に思ってもらいたかった。

私は3姉弟。弟と妹がいる。
弟夫婦は、母の近くに住んでおり、日頃何かと支えてもらっているのであえて何もお願いすることはしない。
妹はというと、母と同じ性格で、話を聞いても「母の悩みにただ共感」することをモットーとしており、とてもご意見できる感じではない。

そこで、ここからは私の出番だ。
病名が分かったからには対策できる!と、本を読み、サイトを数々読み漁り、あらゆる情報をお届け作戦。
消極的なモチベーションを上げるべく、おおいに励まし、おおいに意見し、叱咤激励した。
「首が痛くて回らないと悩むくらいなら運動すべし」とヨガポールを送り付け体操方法を伝授、病院で普通に生活していいと言われたと聞けば「どんどん仕事をしたほうがいい」と農作業を勧め、できないかもしれないと言えば「まずやってみる!」と励ました。

こうやって、母の残りの人生をふさぎこむことなく再スタートさせることに一応成功した。
母は、病気が発覚した当初よりもずっと元気になり、おせっかいに一押しした甲斐はあったと思っている。
遠くに住んでいる私にできることはほんの少しだけかもしれないが、これからも無駄に励まし続けていこうと思っている。

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