UXの 正体見たり 最上川

先日から色々とHCDやUXやデザイン思考とかの話を聞かせていただいて色々と自分なりに考えたので整理のためまとめ。

前提:わたしはソフトウェアの品質に関して色々思うことがあるソフトウェアエンジニアです

さっそくですがUXとは何か?

UXとはサービスの品質の結果としての満足度

です。

UXとはサービスの持つ品質の結果から得られた経験であり満足度のことです。品質とはISOの品質特性などで語られるものです。

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話は変わって「品質は直接測定することはできない」と言う定説があります。

直接測定が出来ないので別の指標を使って間接的に測定します。例えばタスク達成時間や達成率、バグの数、正確性、UIの快美性…などです。

UXという大きな概念そのもので考えてしまうとそれは単に結果であって評価が出来ないのですが、間接的な指標を使うことで間接的には測定可能です。

ついでに言うと「品質が高い」と言うのはユーザーが何を大事にしているか、どういう場面で言ってるか、そういったことに基づく完全に主観的な指標なので何となくヒアリングすることは出来ても実際のところはわからないものという理解です。

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そんな測定できないUXですが……

「UXを作りこむことができるか?」と聞かれれば「はい、できます」です

UXが品質の結果得られるものなのであれば、品質を作り込んでいいけばよいのです。

ソフトウェアエンジニアリングの世界では「品質は作り込むもの」というのが常識です。

例えば品質特性のようなものを軸に何をどこまで作り込むかを決定して設計をして実装をして評価をすることで全体的な品質を作り込むことができます。

品質は勝手に良いモノになってくれるわけではなく、意思をもって作り込んでいくものです。

ISOの品質特性の中には、ユーザーエラー防止 や ユーザーインターフェイスの快美性 や アクセシビリティ と言ったいわゆるユーザビリティに関する項目も当然あります!

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ではUXを作り込むとはどういうことか?

シンプルに言うとユーザが望むものを設計して実装して評価※をすればよいです。

※ 自分で設計したものは答えがわかっているので評価もできれば改善もできます。設計なしで偶然できあがったものは答えがわかってないので評価はできません。

ただユーザは自分が望んでいるものの姿がはっきりわかっていないのでそこはスペシャリストである作り手側がきちんと補完する必要があります。

そのためにはHCDやデザイン思考と言われるテクニックは有効です。

トラディショナルには「要件定義」や「要件開発」と言われるものがこれで、ユーザが言ってくるものを「そのまま受け取る」だけではなく「真の課題を定義する」作業です。

例えばユーザが「セキュリティが必要」と言っても素人が考えるセキュリティ対策では全然不十分です。。そこでセキュリティのスペシャリストがユーザの真意・コンテキストを見て真の課題をとらえ適切な施策を考えます。その結果としてユーザに満足を与えています。
※ ユーザビリティに関しても同じように対応することは可能です

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まとめ

つまりUXとは製品の品質から来る満足度のこと。

製品の品質や満足度は結果でしかないので正しく測定することはできないけれど、設計して作り込んだ品質に関しては評価が可能です。

ユーザの望む品質を深掘りするのにHCDやデザイン思考というアプローチは有効です。

自身の専門性を持って積極的に品質を作り込み品質の評価・改善していくことで高いUX≒満足度が実現できる。

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蛇足

ユーザが欲しいモノを正しく理解してそれを高いスキルで作り込む。作り込んだものを正しく評価して改善することで全体の品質=UXは向上が可能。

まあ、つまりは、きちんと自分のスキルを磨いてユーザへ価値を届けることが大事ということです。

・セキュリティに関してなら、セキュリティスペシャリストが設計をして対応する。超専門的な知識必要です。そういう知識がないとユーザーを満足させられません。

・ユーザーインターフェースに関してなら、デザインのスペシャリストが設計をしてユーザビリティテストをして改善する。

・予期的UXが必要なら(例えばパッケージやWebサイトや広告を指すなら)その専門の方が設計をする。

UX、HCD、デザイン思考といった手法やマインドをもってユーザが真にほしいモノを探し出すことに価値はあります。

その時に自身の専門性や既成概念を捨ててフラットにユーザに共感し課題を見ることは大事です。

ただ、だからと言って専門性の向上をさぼって、UIではなくUXだと言ってしまったり、技術のトレンドを無視したり、プロセスを重視して細部を欠いてしまうといけません。

セキュリティに疎い人はユーザが持っているセキュリティへの真の課題には気づけません。旅行に行かない人は旅行に行く人の課題は表面的にしか共感できません。もちろん適切な解決策なんて思い浮かびません。

結局はその専門分野に対しての高いスペシャリティを持ってユーザに価値を提供をした結果が「高いUX≒高い品質≒高い満足度」を生みます。

みんな「銀の弾丸はない」のを知ってるはずなのに、プログラミングスキルやデザインスキルの向上をさぼって、UXだHCDだと言って誤魔化して一発逆転を狙おうとする空気が最近多かったので自省をかねてちょっと書いてみました。

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エンジニア。 技術屋。 プロのプログラマ。 スクラムマスター。

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