「MAGIC WORD」ってこういう構造だと思うんだよね(多分)
2023.11.8発売の、King & Prince 14thシングル「愛し生きること/MAGIC WORD」より、「MAGIC WORD」についての解釈を綴りました。
(宣伝み)(どの属性の人が見てるか分からんからな)
そのうえで私が懸念してるのがこれ。
発売前に、私が感じた印象植え付けていいのか問題
これがちょっと気になってまして…
「愛し生きること」については、何となくみんなMVの世界観をそれぞれ受け止めてたし、書いてもOKな雰囲気を(勝手に)感じてたんですが、「MAGIC WORD」については何故かその辺躊躇してます。
なので、新鮮な気持ちで聴きたいとか、手垢つけられたくないとか、そういった点で判断した上で読んでいただけたらなと思います。
今回、ある1点を軸に考察というか解釈していて、読んだら一発でその印象付きそうなので。
では、少し改行取っていきなり結論から行きますんで。
MAGIC WORDは、二項対立が統合される曲である
これです。
私がMAGIC WORDの軸だと思うのは、「二項対立」です。
まぁ個人的に二項対立が大好きっていうのもあるんですが、それにしても歌詞・MVとも二項対立がかなり多用されてるので、これは高確率で意識して作ってるだろ!と思っています。
特にMVはそれがわかりやすい作りになっているので、MVの話から。
対照的な部屋
観た方は気付いていると思いますが、廉部屋・海人部屋でかなり対照的です。分かりやすいところから見ていきます。
1)部屋の色
ここは一目瞭然。青と黄色、(ほぼ)反対色です。
2)四角と丸
これも一目瞭然。部屋自体の形状が四角と丸になっている。そのほかにも、家具や窓、照明も四角と丸。
3)水と砂
MV冒頭で青みの水と、黄色い砂のインサートがあります。また、二人のバックに映り込むコーヒーメーカー(廉部屋、水が落ちる)と砂時計(海人部屋、砂が落ちる)も多分これを意識してると思います。コーヒーメーカーがかなり主張の強い青なので。
4)活動とリラックス
廉部屋は書斎(思考活動)、海人部屋は寝室という点で対照的。
そして、イメージ映像やジャケットで使われている浴室、これが書斎での活動と寝室でのリラックスの間をつなぐ部屋なのかと思います。
5)ダンススタイル
元々二人のダンススタイルはだいぶ違います。ダンス経験のない私のイメージですが、
永廉先生は、しなやか・上品・落ち着き。
海人先生は、躍動・感情・ダイナミズム。
それぞれの部屋の中で踊るパートでは、その二人の対照的なダンススタイルを、普段以上に強調している気がします(歯切れ悪)。
その根拠が、ラスサビ二人で踊る場面では、お互いのダンススタイルの差が全面に出ていないから。
さて、ここまで、「二項対立」ということで対照的な部分に注目してきましたが、最終的にこれらが統合されます。
分かりやすい部分では、青と黄色が合わさって緑になる。それに伴い二人の衣装もモノトーンになり、緑の光を受けつつ対照性は残す画になっています。
さらに、向き合う・交差するというフォーメーションも、対照的だった要素が絡み合い統合するイメージを表現しているのかと。
詞の対照性
次は詞の話。
結構細かいので読みづらいと思いますが勘弁です…。
基本的には、1番と2番で対照的、そしてCメロでそれらが統合されるイメージ。
※最後、大サビが1番サビと同じですが、これは一般的なJ-POPの構造によるものと解釈してます。
具体的に見ていきます。
1)静と動
1番Aメロ「何もできない自分」
2番Aメロ「もがくほどに絡まって」
1番は静(できない)、2番は動(もがく)。
2)陰と陽、そして雨
1番サビ「陰る日も涙も照らしたい」
「優しく包む陽だまりのように」
2番サビ「涙に濡れる日は傘になろう」
1番は連続する2行のフレーズで陰陽の対照関係にあり、
1番と2番は「陽だまり」「涙に濡れる日」が対照関係です。
3)海と星座(空)
1番サビ「例えば 夜に溺れそうな時も
静かな 波になって運ぶから」
2番サビ「例えば 変わらない星座のように
いつでも ここに立ち続けるよ」
1番サビは、溺れそう&波で、海を表現していると考えていいでしょう。
2番サビは星座、そして空。
海と空がまず対照関係ですし、海を渡る者(航行者)と、それを導く星座というのもまた対照関係です。
4)悲しみの回避から受容、そして行動へ
1番Bメロ「悲しみを取り去りたいと強く思えた」
2番Bメロ「変えられない過去 涙の跡
乗り越えたいと手を伸ばす魔法」
”キミ”の悲しみに対する姿勢の違いですね。
1番では、悲しみそのものを取り去りたいと願っている。
2番では、過去の悲しみ(涙の跡)は消せない、それを乗り越えたいと願い、魔法に手を伸ばすという行動に繋がっている。
そしてさらに、おそらく曲中でもかなり重要な部分
「雨音に導かれて扉開いた」
にまで繋がっています。
詞全体を通しての変化 ―受動から能動へ
詞全体を見た時、”自分”の感情は、受動的な姿勢から能動的な姿勢、そして決意へと変化していきます。
1番Aメロ~Bメロは、主観的な情景や、何もできないという感情が強めです。そして、「強く思えた」「伝わるの?」と、願望を持ち始めます。
サビも、「照らしたい」「見つめていたい」と、願望強め。
2番Aメロ~Bメロは、「世界を動かしたい」という願望と、「もがく」「希望にしがみついた」という具体的な行動が出てきます。
これが1番から1歩進んだような、より能動的になった印象を与えます。
「扉開いた」という決定的であろう行動は前述の通り。
サビは、「傘になろう」「立ち続けるよ」「守るよ」と、能動的な行動の宣言が続きます。
そしてCメロ。
個人的にはここが詞の到達点かと思います。
向き合う、強くなる、見返りはいらない、逃げたくない。
これまでの受動~能動のグラデーションを経て、最も強い決意表明をしています。
そしてMV。
このCメロを歌い切ると、それまで別々の部屋で踊っていた二人が同じ場所で踊る。しかも向かい合ったり交差したりするフォーメーションで。
これまで詞の世界で作り上げてきた、無力さの受容と、それを経た非力ながらも行動すること、そして強い決意を抱く、という自己の強さと弱さの統合を表現しているのではないかと思います。
フォーメーションも、「向き合うことで強くなろう」というフレーズと重なります。
もしかしたら他にも対になる表現があるのかもしれません。
こういう時、音楽やダンスの知識が全然ないのが悔しい!!
以上が、私がMAGIC WORDのMVと歌詞から受けた、「二項対立とその統合」という解釈の理由です。
毎回の念押しですが、これはあくまで私が受けた印象であり解釈ですので、みなさんはみなさんの解釈を大切にされてください。
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