支援ツール5 生き物と遊ぼう
日差しが日に日に強くなり、夏の訪れを感じるようになりました。
夏は植物も生き物も生き生きと活動し始めます。
この時期、子ども達は色々な虫を見つけて、驚き、喜び、そして捕まえようとする・・・。
保育者の中には「虫・・・・。」と職業柄「嫌いです!」とまでは言い切らないまでも言葉を濁す人もいると思います。
私もダンゴムシ、蝶、カブトムシ、カエルなどは平気なのですが、突然「ジッ!」と鳴くセミ・・苦手です。プライベートではできれば出会いたくない、そばに寄ってほしくないと本気で思っています。
一方子ども達には生き物に興味関心を持ち、触ったり、捕まえたりできるようになってほしい、と願っています。
今日はそんな苦手な生き物を保育にどう活かすかについてです。
1. 捕まえる
これはもう、捕虫網の一択・・・。それも網目の小さなものを私は選びます。網目が大きなものは網の間から手が出たり、足が出たり、また虫も必死なので網にしがみついたりするのを引っぺがすのが・・こわい・・ので(-_-;)
年少児には数をある程度揃えて道具の譲り合いを学ぶ機会にするより、1人1人が思う存分虫を捕まえる楽しさを味わえることを大切にしたいと思います。一方、年長児の場合は道具の譲り合いや、どう使っていくかなどを子ども同士相談する、考えあう機会にも、したいと思います。
2. 観察する
捕まえた生き物は飼育ケースに入れると思いますが、その際に飼育ケースは生き物の生活域の自然を再現しておくことが大切だと思います。
子どもは草を引きちぎって沢山入れたり、はっぱを集めてきたりすると思いますが、子どもが考えたことを大切にしつつ、図鑑や写真などを保育室に置いたり、掲示したりしてどんな環境が生き物にとってより良いものなのか子どもが気付けるような環境構成も大切だと思います。
3. じっくり観察する
初めて出会った虫を怖いと思いながらも、興味関心を持ち「じっくり見てみたい」と思っている子どもには小さな蓋つき小瓶を使います。
蓋のついた小瓶に入れることで瓶のガラスごしではありますが子ども自身で持つことができ少し、自信に繋がったりします。
蓋つき瓶は子どもが片手でつかむことができるジャム瓶くらいが最適かと思います。
私は自宅でジャムを食べた後などに空瓶を取っておいて職場に持って行っていましたが、最近は必要なものを必要な時に買える便利な時代になりましたよね。園長先生に頼んで買ってもらうのもありかと思います。
瓶に入れて下からのぞき込むと、じかに触れない子どもでも生き物のおなかが見えたりして大喜びしますよ。
4. 生き物の世話をする
捕まえた生き物を「飼育したい」という子どもの気持ちに応え一緒に生活環境を整えたり、餌を探したりすることは子どもの様々な成長にかかわってくるので大切にしたいところです。そして、一緒に遊んだら必ず自然に返すことも忘れずに保育に取り入れ、命に関する経験なので子どもと一緒に丁寧に進めることが大切だと思います。
5. カエルのみどりちゃん
カエルのことが大好きな子どもがいた年のことです。
どうしても飼育したい、自然に返したくない、ということがありました。
学級で考えあったのですが「お別れするのは悲しい」というので、飼育ケースの整備やえさを探すことを約束し、飼育することになりました。
カエルは生餌しか食べないので子どもたちは苦労していました。図鑑を調べ、どこにコムシがいるかを探し、網をもって捕まえようと頑張っていました。運よく(?)ハエを捕まえた時には学級全員で大喜び「みどりちゃんご飯だよ~」と飼育ケースに入れていました。
そして、1学期の終業式の日にさすがに長い休みの間、みどりちゃんを一人ぼっちにするのはかわいそうだということで学級全員納得して「元気でね」と園庭に帰すことができました。
子ども達は毎日きっちり餌を探して網を振り回していましたが、それでは不十分なのでそこは担任が朝晩子どもがいないときにこっそりと網を振り回しコムシを捕まえていました。豆腐の入れ物を池として入れていましたがその水替えやケースにこびりついた糞などの処理も子どもには内緒でしていましたので子どもたちは「自分たちがお世話した!」と自信を深めていました。
6. まとめ
生き物とかかわり、飼育することは子どもにとってとても大切な経験で、保育にはぜひ取り入れたいカリキュラムです。このカリキュラムを取り入れるためにはある程度保育者自身が楽しんで生き物と関わる必要があると思います。生き物が苦手な場合のヒントになればうれしく思います。
7. 追記
この年のカエルのみどりちゃんは、毎日餌を入れてくれる子ども達のことが大好きになり、子どもの掌の上で「ケロケロ」と鳴いて、頭も撫でさせてくれました。これは私にとって初めての経験でとても驚きました。生き物ってすごいと思った年でした。
最後までお読みいただきありがとうございます。
明日も楽しい保育でありますように♡
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