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【思い出の曲】 Good-bye Days - YUI

だから今、会いに行くと決めたんだ。

「だから」という接続詞から始まる、
広がりを感じるとてもいい歌い出しだと思う。

この「だから今」は
曲を全て聴き、この曲のバックグラウンドも知ると
そこに込められた思いがひしひしと伝わってきて、味わい深い。

そんな私の思い出の曲であり、YUIの代表曲の1つ「Good-bye days」を今日は紹介したい。



ぼくがYUIにはまったのは小学校5,6年の頃、
スペースシャワーTVで「Summer song」を聴いたときだ。
その透き通る歌声と青春の詰まったMVに一気にハマってしまった。

そこからはYUIにぞっこん。
YUIの出ている音楽番組は全てチェックし、CDも全て買った。

そんな中で、YUI関連のコンテンツを探していて見つけたのが
『タイヨウのうた』である。
これはドラマ化もされているが、ぼくが見たのは映画版だ。
この映画の主題歌が「Good-bye days」だった。

「Good-bye days」はこの映画の主人公・雨音薫が作った曲という設定だ。
背景を説明すると、薫は紫外線を浴びると皮膚がやけどして死んでしまうという難病を患っていて、昼間は外に出られない。
なので、夜になると高台の家の窓辺でギターを練習したり、外を眺めるのが趣味だった。
そんな中、いつも通り窓辺から外を見ていると、海辺の自販機で戯れる同い年くらいの3人組の男子高校生を見つける。そのうちの1人、藤代孝治に恋をした薫は、紆余曲折を経て付き合うことになり、初めて外の世界の楽しさを知る。
しかし、病状は悪化の一途であり、余命もいくばくかしかないと医者から聞かされた薫は、それでも生きている時間を最大限に楽しもうと決める。
そして、CDを作るという夢をかなえるため、さらには人生を変えてくれた孝治への気持ちを伝えるために曲を作る。
その曲が「Good-bye days」である。

この曲の冒頭、「だから今」には、
出来上がった曲を一刻も早く、真っ先に孝治に聴かせたいという感情が詰まっている。
しかし、それは余命が少ないから焦っているのではない。

それは続く歌詞からも明らかだ。

ポケットのこの曲を君に聴かせたい。
そっとボリュームを上げて確かめてみたよ。

孝治はどんなリアクションしてくれるかな。楽しみだな。という感情が読み取れる。死を忘れて、今を最大限に楽しんでいる。
聴かせる前にもう一回自分でも確認しておこう。という、余裕すら読み取れる。

できれば悲しい思いなんてしたくない。でもやってくるでしょう?
その時笑顔で「Year,Hello. My friend」なんてさ、言えたらいいのに」

孝治との日々は薫にとって本当に新鮮で楽しいものだった。
だからこそ、生きている最後の瞬間まで最大限楽しんで、死の瞬間が来ても悲しまず、今まで楽しかったと思いたい。そんな気持ちなのだろう。
一見死を受け入れているように見えるが、最後の「言えたらいいのに」からはやはり心の底では死への恐怖ややるせなさがあるということが読み取れる。
そこがまた人間らしくていい。死が怖くない人間などいないのだ。


結局薫は死んでしまう。
しかし、薫との日々は「Good-bye days」という形で孝治たちのもとに残り続ける。

そんな切なく、素敵な物語の主題歌が「Good-bye days」だ。
この背景を知ると曲の捉え方も変わってくるだろう。

特に、映画の中でこの曲が初披露される場面は涙が止まらないので、ぜひ観ていただきたい。


YUIは雨音薫の心情を「Good-bye days」で完璧に表現することに成功している。
それもそのはず、この映画で薫を演じていたのはまぎれもないYUIだ。
劇中の「Good-bye days」はYUIが実際に歌っている。

(YUIは女優ではないので演技は死ぬほど下手くそ。でも泣けるのがすごい。)



ちなみに、「Good-bye days」と並んで思い出の曲である「I remember you」は、孝治の視点で「Good-bye days」へのアンサーソングとして書かれている。
この背景を知るとこの曲もめちゃくちゃ切なく味わい深いので、ぜひ聴いてみてほしい。





以下、どうでもいい自分語り。

なぜこれらの曲が思い出かというと、ぼくが中高のときに付き合っていた彼女もYUIの大ファンだったからというのも影響している。
YUIを共通の話題として距離を詰めていき、付き合ってからもYUIの話題で盛り上がる。YUIはまさに恋のキューピットだった。

そして、中学の音楽の夏休みの課題で、1人1曲、何かしらの楽器で演奏をするというものがあった。(かなり特殊らしい)

その時彼女は、何を演奏するのか最後まで教えてくれなかった。
そしていざ本番。
彼女が黒板の前に立った瞬間、衝撃走る。
彼女はギターを持っていた!
そしてそのまま、ギターの弾き語りで「I remember you」を演奏したのだ!

彼女は引っ込み思案の方なので、クラス全員の前でギターの弾き語りなどするとは夢にも思わなかったし、なんなら心配だった。
しかし、彼女は堂々と歌い上げた。

ギターは素人のはずなのに相当練習したのだろう。滞ることなく弾けていた。(うちの中学校には自由に練習できるアコギが10本ほどあった)

歌は、、、文句なしの100点満点!なんせ彼女は歌が最高に上手かった。
声色もYUIのようにやさしく、でも伸びのある、透き通った声だった。

ぼくはあまりにも感動して数分間放心状態だった。。


今でも「I remember you」を聴くと、この時の感動とタイヨウのうたの感動が押し寄せて感情がぐちょんぐちょんになることがある。


そんな青春の甘い思い出でもあるYUIの話でした。

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